先日のノンフィクション
春の日
交番の前を自転車で通り過ぎた時に下卑た笑い声を聞いた。車道を挟んでいるから離れているのにざわつく大きな笑い声に振り返る。車は多くはないが普通に通過していく。
警官たちだった。じろじろ観察していないけど多分絶対女性が混ざっていない。
ああ、あれは多分男だけでしか出せない下卑た笑い声だった。内容を聞いたら後悔しそうな笑い方だった。
その道と交差する100メートルほど離れた場所では高校生の男の子が2人、通学の自転車で走り抜けて行った。このくらいのスピードじゃないと着いてこれないと言う趣旨の台詞が前のパーカーの男性から聞こえて、そのスピードを追いかけていく男性と仲が良さそうな。
2つの一瞬の後味が春のまだ冷たい空気に行ってしまう。
見送った後、午後にも同じ高校生を見て少し笑った。
♯
note
永野彗
いつまでもいつまでも
春風 ひとり時間
ほんのわずか
note W掲載
永野彗