蛆
頭の中に蛆が湧いた。
少しだけ嫌悪感を感じる。
しかし耐えられる程度であったので放っておいた。
時間が経つと蛆は蝿になった。
頭の中を蝿達が飛び回る。
不愉快だ。
気持ちが悪い。
どうにか取り除きたい。
私は頭の中に蛙を放った。
蛙は次々に蝿を食っていった。
しかし想像より蛆は多かった。
無限ではないかと感じる程に蝿は生まれ続ける。
一匹の蛙にはすぐに限界が来た。
私は蛙を増やすことにした。
二匹、三匹、四匹と増やしていく。
蝿はいなくなった。
その代償に数えきれない数の蛙が私の頭の中を埋め尽くした。
すごく頭が重い。
何も考えられなくなる。
邪魔だ。
私は頭の中に蛇を放った。
蛇は短い期間で蛙を食っていった。
反省を生かし蛇は増やさなかった。
一匹の蛇は蛙を全て食った。
蛇は大きくなりすぎていた。
頭の中に硯のような重さを感じる
頭の中を這いずり回られるのがどうにも不愉快であった。
私は頭の中に鷹を放った。
鷹は蛇を瞬く間に食った。
鷹は餌がすぐに無くなったことに腹を立てた。
頭の中で鷹が荒れ狂う。
脳が揺れるのを直に感じる。
視界は揺れ、思考はまとまらない。
どうにも不愉快であった。
私は思い出した。
鷹に天敵はいない。
私は頭の中に武器を持った人間を放った。
禁忌ではあるがこれしか術がなかった。
人間は鷹を容易く殺した。
人間が私に尋ねてくる。
私はどうやって消すんだ。と。
私は茶化されたような気分になった。
怒りで飲めない酒を流し込んだ。
私は倒れた。
目を覚ますと人間は消えていた。
やっと苦しみから解放された。
私は起き上がると頭の中に違和感を感じた。
とてつもなく嫌な予感がした。
予感は的中していた。
頭の中に蛆が湧いていた。
初めての投稿です。
短いですがぜひ感想ください