夢の中で転んではいけない
転んでしまった。転んではいけない、と言われていたのに。
とりあえず私は土を払い落とした。ため息が出てしまう。試練とはいえ道がガタガタ過ぎるんじゃないかしら?とりあえず、今日はここまでか、またため息が出る。
私はゆっくりと目を開ける。トントンと包丁の音がしている。
「おはよう、ソラ」
大好きなお姉さん。あれ?昔は妹だった気もする?ずっと一緒にいたかったけれど、もうあまり時間は残されていないの。今ね、お姉さんの娘に生まれ変わる試練受けてるの。二本足で歩くの、難しいけど頑張るよ。私はそっとお姉さんに寄り添った。