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サブキャラでReスタートの俺  作者: 加納 美香
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第98話 脱出

ニュクスはアマテラスを知らない。

日本の神的な存在という事を。

アマテラスはニュクスを知らない。

西洋の女神という存在の事を。


俺の浅い知識によると、この二人は対照的だ。

あれ?そうだ、ニュクスは女神だよな?向こうの世界では。

アマテラスは勿論だが。

・・・じゃあ『神族』なんじゃないのか?

ニュクスは『魔法』と言っているが、実際的には違うようだ。

まぁ呼び方が違う事と、行程がちがうだけで結果どうなるって所は

同じだ。アマテラス、いやステラは自身の魔法の事を『霊力』と

呼んでいる。


おっと!そんな事はどうでもいい、止めないと!、と思っていると

扉が開いた。


「なんだ?あいつら。いきなり絡んできやがって。

 ボコボコにしたけども。」


そう言って入ってきたのはスサノオとミツルだった・・・。

なんかややこしくなる予感しかない。

どうやらこの街に入る時に有翼族に止められたらしい。そりゃそうだ。

んで、その場はスサノオとミツルが対処するって事で

ステラとユキさん、リホさんがここに先にやって来た・・・との事。


「これは宣戦布告なのでしょうか?姫様?」


ニュクスはステラから目を離さずにいうが・・・ステラは笑う。


「あらやだ、飲み屋街の喧嘩ごときで宣戦布告なんて。

 部下に対して過保護すぎませんこと?」


だから!待ってって!俺はただ黄龍と話がしたいだけだ!と

イブさんに言う。ステラにも少し待ってとも。


「キョーク様、いや魔王様がそうおっしゃるのなら?

 しかし、これは明らかに敵対行動ですよ?私の部下が

 そこの皇太子と妖精使いに暴行をされたのです。

 この街を預かるモノとしては納得いきませんが・・・。」


あー。リャナさんとリルさんが俺をジッと見ている。

・・・。だよなぁ、俺の判断待ちか。


俺は少し考えて、ニュクスに黄龍と話をさせてもらう。

これは魔王としての命令だ。ステラ同行でだ。


俺はユキさんに『黄金のリンゴ』のイベントをしたか

聞くと、俺以上に周回をしていた・・・そりゃそうだ。


行くのは俺、そしてステラとユキさん。

ユキさんを連れて行くのは攻略が発生する可能性があるからだ。


そしてその後、俺は魔王として、魔王の姿で皇王と会談を

させてもらう。今回の暴行について謝罪をしてもらう。


これは決定事項だ。


イブさんが何かを唱えると黄金のリンゴの樹が姿を現した。そこには

まるで樹にからめとられたような黄龍が居た。・・・が。

こ、これは黄龍なのか!?黄金とまではいかないまでも綺麗な黄の色が

まるでキリンのように、黄色と茶色・・いや黒とまだら模様!?

どちらかというと既に黒の方が比率が高くなっている。

何がどうなってるのかさっぱりわからない。


黄龍を知る者は皆が驚き声を失うほどに。


「貴様ぁああ!何をした!」


いきなりの声、激怒マックスはユキさんだった。既にユキさんの剣が

抜かれイブさんに向けられている。なんでユキさんが激怒!?


「何をしたもなにも先ほど言いましたように魔王様に献上する為ですよ?」


「じゃあ、なんで!こんな呪われたような姿になってるんだ!」


あ、あれ?ユキさんふつうにしゃべってらっしゃる・・・。


「ふふふ、折角ですので魔王様にあの方の魂をも献上しようと思いまして。」

イブさんは不敵に、そして妖艶に微笑みながら俺に視線を向ける。

「私はキョーク様も魔王様も大好きですわ!でも悲しいかなお二人と

 一緒に手を取り合うことが出来ない。私は考えましたの!そして結論が

 導き出されましたわ!魔王様の体に!ヴェヌス様の体に見合う魂を

 いれればいいだけの話!」


おいおいおいおい!俺のメインは俺だけのものなんだよ!

「イ、イブさん・・・。いやニュクスさん。アレは俺の体だ。勝手に

 他の魂を入れられても困るんですが・・・。」


「ご安心を、キョーク様。最上位の魂をご準備している所です。

 そう!この世界の創造主にして!初代の魔王様の魂!黄金の樹を通して

 大地より魂を吸わせ、そして今まさに黄龍に流し込まれている!あああ素敵!」


「何を馬鹿な事を言ってるの!ニュクス!アレはベレーシート創世記の、

 物語の話じゃないの!」

リリスも少し動揺した感じの大きい声を出している。なんか初めて見た。


確か、名前は『カオス』


「なるほど。ニュクスさん、いや、もう呼び捨てでいいや。ニュクスが

 そこまで恭しくするって事は初代魔王ってもしかして『カオス』?」

ミツルは少し笑いながら?吹き出しながらも聞いてきた。


「あらやだ。何この展開。すっごく面白いんだけど。日本の神々のほかにも

 西洋の神々もご登場じゃない!最初からこんなゲームだったらよかったのに」

そう言うのはリホさん。少し興奮してらっしゃる。


「あなた方?少し頭がおかしくなくて?カオス様なのよ?その驚き方や

 笑いは少しイラっとしますわ」


ここにスマホがあれば!検索するのに!色々と!


「そりゃあ凄いだろうな。だって全ての神々の頂点のモノだ。」

ミツルは俺を見ながら言う・・・。

「あ、後で説明してやるよ・・・。」となんか可哀そうな顔して俺を見て

そう言ってくれた。


「止めりゃあいいんだろ?おい、どけ。コレをぶっ放す」

そういうとスサノオは銃の様なモノを構え黄金のリンゴの樹にむける。

ちょ、ちょっとまって!何それ!銃!?銃なの!?


「ひゃっはーーー!」

掛け声と共に銃の様なモノから3色の色が組み紐ののような感じになり

放たれた。


樹に当たる寸前に何かに弾かれ空へと向かった。

な、なんなんだ。


「無理ですわ?何かの道具なのかもしれませんがそんなモノで

 その結界を壊す事なんてできませんよ?もうよろしくて?」


気が付くと俺達の周りは有翼族に、それは多くの有翼族に囲まれていた。


「あれ?これってなんかヤバめ?」ステラがイチキに問いかける。

「はい、ステラ様。ヤバめです。」イチキはステラに答える。

「やっていいならやっちゃうけど?」ユキさんは二人に答える。


お願いだから!お願いだからやめて!

俺はニュクスとステラの間に入る。


「あら、キョークはそれでいいの?」


「そういう問題じゃないって!なぁ、ニュクス、いやイブさん!

 今すぐ黄龍を解放してくれ。頼む!リルさんもリャナさんからも

 言ってくれ!」そう言いながら二人を見たら・・・怒ってらっしゃった。


「これはもう駄目ですね。」

「そうですね。やっぱりマカーブルってすごいですね」

リルさんの一言にリャナさんが答えた。


「こんな封印なんて私が解除してやるわ!」そういうとステラは

ナニカを唱え始めた。ステラの体の前に何かの魔方陣の様なモノが現れ、

それが樹に放たれ結界の様なモノに干渉する。が・・・。


それを見ていたニュクス、いやイブさん。いや、もうニュクス。

薄ら笑いを浮かべ見ている。


その結界と魔方陣の干渉が終わる・・・。結界は解けなかった。


「そ、そもそも!?私は攻撃系ですし!?私の弟・・・バカじゃない方の

 弟が復活すればこんな封印簡単に解けるんだからね!」


う、うわぁ、めっちゃ早口での負け惜しみ。


「おい!バカじゃない方って、いやじゃあバカは俺か!」

スサノオは答えるが、大丈夫。知らなかったのはお前だけだ。


「ちなみに弟って誰?」俺の屈託のない一言にユキさんとリホさんが

凍り付いた!・・・スマホさえあれば!


「さぁ皆さんには少しの間、いえカオス様の魂が黄龍に入り切るまで

 私の特別な屋敷で過ごしていただきます。あぁ!勿論キョーク様は

 私の部屋でご一緒にですよ!」


「さて。そろそろ退散いたしましょう、魔王様。」リリス、リルさんが

リャナさんやユキさん達に声をかける。


「無駄ですわ。すでに皆様を2000の兵士たちが取り囲んでいますのよ?」

ニュクスは笑いながら、そして何故か「ハァハァ」言いながら俺を見る。


「問題ないわ。私が道を切り開くわ。」

そう言うと草薙の剣を左手に持ち直し、そしてもう1本の剣を右手で

抜いたユキさんが言う。


「じゃあ俺とバカの方の弟は殿だな」

そう言うとオロチの大剣を構えるミツル。

「誰がバカだ。帰ったら殴ってやる」そう言うと銃をクシナダヒメに

渡し代わりに剣を受け取るスサノオ。


そしてユキさんの無双が始まった。

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