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サブキャラでReスタートの俺  作者: 加納 美香
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第97話 敵

「どこにも居ないじゃない!マカーブルのやつ・・・。

 そもそもどうやって黄龍を捕らえるって言うのよ。まったく。」


数時間、街を散策しながらリリスは溢す。


「そう言えばジヴァニアの方はどう?何かわかった?」


そう言われるがジヴァニアは首を横に振る。

「全然分かんない・・・。本当に私の直感があてになるの?」


「もう少し、感性を高めてみて?私が思うにジヴァニアと黄龍は

 姿かたちは違うけど同一の存在と思うの。魔王様に感じるような

 何かはない?」


「うーん。うーーーーーん。だめ、これ以上居切るとオナラ出そう。」


「ねえ、魔王様と繋がっているってどんな感じなの?」

リリスの問いに


「そもそも、私はこの世界に来るまでは只のプログラム、システムの

 一部だったのよ。ヴェヌスのID監視用のね。それが何故か

 こんな体でこの世界に来ちゃっててさ。よくわかんないのよ。

 あ、質問の答えね。んと、どこにいても居場所がわかる感じかな。」


「じゃあ、黄龍って何モノだと思う?直感でいいよ?」


「うん。あの存在は多分、向こうの神様だったと思うんだ。

 あれ?違うかも。システム自体だったかもしれない。いや、違う。

 話しかけてきたんだよ?私に。個人プログラムの私に。

 そっか、本当ならば私みたいな末端じゃなく、システム自体に

 語り掛ければいいのに。なんで私だったんだろう。」


「でも妖精は他にもいるわよね。」


「うん。その妖精全員が私と同じ行動をしているの。紐が付いている

 IDにダイブをさせた。あぁ、やっぱメインのシステムを通して

 指示されたのかな・・・私達。だったら黄龍って。」


「もしも妖精の姿が、そのプログラムの具現化と言うならば

 黄龍の姿はシステム自体なのかもしれない。それに向こうの神が

 入っちゃった。」


「それはどうかしら。ならばジヴァニアの魂も向こうの世界の

 誰かって事になっちゃうわよ?」


「そういえば、ファルツってゼウスって言ってたよね?ニュクス。

 でも私とサンテミリオンは誰でもないって。ミネルヴァはアテナとしてよ?

 じゃあ、ファルツとミネルヴァはニュクスと同族なのかな?」


「あれれ?私って誰なのよ!でも昔からヴェヌスの事は知ってるわ?

 ログイン当初からの記憶あるし。」


「もしもよ?記憶と魂の関係がよ?同じじゃなかったら?プログラムの

 履歴っていうの?それも含めて妖精の姿であって魂が入った時に

 一気に情報として手に入れた。みたいな?」


「なおさらわかんない!じゃあ私誰なのよ!?」


「あはは、いいのいいの。ジヴァニアはジヴァニアよ。さてさて。

 ここからが本題。ジヴァニアはゲーム?の時のこの世界の事を

 知っているのよね?この街ってあったの?ゲームに。」


「ないわよ?こんな所。ここにはね、大きなリンゴの樹があっただけなの。

 思い出すわ、『黄金のリンゴ争奪イベント』。ヴェヌスったら

 32時間ぶっ通しで周回してたんだから。」


「その座標はわかる?」


「あ、それはこっちよ。ってか、この場所がそこだもん。

 ホラ、あそこに噴水あるじゃない。

 あそこにデッカイ樹があったのよ。ちょうどあの噴水の大きさと

 リンゴの樹の幹の大きさは同じくらいだったはずよ。

 本当に大きかったんだから。」



「じゃあ、リャナンシー?やっちゃって?」

リリスのいたずらっぽい声にリャナンシーも微笑みながら

噴水に向けて魔法を放つ。


そして・・・一瞬魔方陣の様なモノが浮き出てその魔法をかき消した。


「一瞬見えたわ。噴水は偽装。やはりジヴァニアの言う通り樹の幹が

 見えた。それに扉が付いていた。」


「じゃあ今日はここまでにしましょう。」

そのリリスの声にジヴァニアは何故いかないのか聞くと。


「そりゃあ、ニュクスが激おこぷんぷんだからよ。今の魔法は

 痕跡を残したわ。言い訳考えないとね。」


「あれね、私とリリスのどっちがキョーク様と添い寝するか

 喧嘩したって事でいいんじゃない?」


「一瞬だけ。気のせいかもしれないけど。黄龍の気配を感じたかも。」


「上出来よ?ジヴァニア。後でプリン作ってあげる」


「リリス大好き!」


「さ、キョーク様の所に帰りましょう。因みに今日、添い寝するのは

 私よ?リャナンシー。」



そして翌朝、俺は目が覚めると・・・。リルさんとリャナさんに

挟まれて寝ていた・・・。いいじゃないか!なに?このモテ期!

魔王様万歳!


朝食を取りながらリルさんは

「黄龍の居場所がわかりましたわ。この街、幻影の向こうに

 囚われています」


え?なんでイブさんが黄龍を捕らえているの!?という問いに


「そこの扉の向こうにいるモノに聞かれた方が早いかと?

 ねぇ、ニュクス?」


「あらあら、まぁまぁ。本当にびっくりだわ。どうしてわかったのかしら。」

ドアを開けながら妖艶な微笑みで入ってきたイブさん。


「そりゃあ、黄龍を捕まえて魔王様を、魔王様に魂を移そうと

 したからよ?だけど、今は出来ないって一点張りなんだもの。

 なぜできないのか聞いてもダンマリ。じゃあ話すまで

 居てもらうしかないじゃないの?苦労したのよ?捕まえるの。」


まじか・・・。どうやって捕まえたんだよ。


「簡単でしたよ?黄金のリンゴをいつも食べに来てましたし。

 そのまま封印魔法でね?」


「どうやってわかったかは内緒よ?というよりも、この魔王領で

 私達魔族にわからない事なんてないわ?まぁ魔族でないあなたには

 解らないでしょうけどね?」


「あら?ソレはどういう意味かしら?」


「そのままの意味よ?」


ちょ、ちょっと待って!?少し険悪な空気よ!?

リルさんもイブさんも落ち着いて?


「私達の目標は魔王様に魂を定着させる事よね?だったら

 なにか問題でもあるの?過程はどうであれね。」


俺はイブさんに黄龍と話がしたいと申し出る。


「ええ!勿論ですわ!流石私の魔王様!準備をいたします!」

そうイブさんが言うと同時に扉が開く。


「それは私達も同行していいのかしら?」


な、なんでここにいるんだ!?そこには

ユキさんを筆頭にステラとミツル、リホさんが居た。


「あら?お客様ね?不思議。どうやって私に気づかれずに

 この街に入れたのかしら?ああ!不思議!不思議すぎて

 ワクワクしちゃう!」


「はい、お土産。ゼウスって言うの?この子。ファルツが

 ゼウスと言うよりもファルツの魂を眠らせて体を操っていたのね?」


机にポーション?の瓶が置かれた。中に何かがうごめいている。


「すぐにわかるわよ?こんなの。体から離すのには苦労しなかったわ。

 勾玉もこんだけ楽だったらいいんだけども。」


ニュクスは置かれた瓶を開けると中に入っていたナニカはどこかへと

飛んで行った・・・。体に帰ったのだろうか・・・。


「勾玉に魂を封印したのは貴方よね?わかるわ。霊術とも違う。

 そして、魔法とも違うんだもん。私達『神族』にアノ文字は書けない。

 そして魔族にも、この世界の魔法ではないわ。」


「あら。私の魔法はこの世界の魔法と違うって言うのかしら?」


「ファルツの体にあった魂、ゼウスって言う子?彼の魂を

 定着させている術式の一部が勾玉を封印しているナニカの一部と

 一緒だったのよ?」


「あらやだ!すごいわね皇太女様は!何モノなの?貴方。ワクワクしちゃう。

 というか、封印して何が悪いの?『神族』は私達の脅威。

 いない方がいいに決まってるじゃないの?ねぇ?魔王様?」


ふむ、そりゃそうだ。確かにイブさんの言う事には一理ある。

しかし・・・。


「あら?じゃあ私とあなたは敵なのね?どうしましょう。」


「あら?敵に決まってるじゃないの?神族っておバカなの?」



少しの沈黙の後にニュクスとステラ、いやアマテラスがお互い

が歩み寄る。そして距離5センチ!


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