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サブキャラでReスタートの俺  作者: 加納 美香
93/108

第93話 合流、そして皇国へ

話は小説の様であり、はたまた伝記のようでもあった。

シナリオには無かった事が書いてあり・・・。

というよりも、シナリオの前の話。読んでいくうちに

シナリオが登場してきたのは3巻目の中盤だった。


中身を要約すると、大地の切れ目から魔王が誕生した。

その中からどんどん生き物が現れ、この世界になった。


うーん。1巻目要約が2行で終わってしまった。

2巻目は人族の願いから『神族』が現れ、勇ましいモノ『勇者』を使い

魔王を打ち倒すという話。

なぜ、魔王を倒すのか・・・。その辺の記載はなかった。


何かのタイミングで大きく変化がありこの世界の理が変わる。

その他にも初めて見る魔獣等々。

まぁゲームのアップデートだろうな。

うーん、ニュクス達の記載がない。多分、ギガンデスの登場時に

実装?されたのだろう。


初代魔王、カオスは新しい魔王の体を作り、身を隠し大地となった。

その体に選ばれしモノの魂が入る。との事。

誰に選ばれるんだ?カオスか?それからは、魔王が討伐されると、

いや、どんな形でも亡くなると次のモノ自体が魔王となる。


多分、ホムンクルスがあると言っていたが、この2代目魔王の体を

代々使いまわしているのだろうか・・・。


気が付くと、なんと1日過ぎていた。

というか、あんまり心に刺さらなかった・・・。すまぬ。

こんなに本を読んだのは初めてだ。他にもいろいろとある。

まぁ必要に応じて読むことにしよう。


俺は部屋を出て食事をしたいとリルさんに言うと、それはもう

喜んで厨房へ走っていった。代わりに向こうからニュクス・・・イブさん。

俺は聞きたいことがあったのでちょうどいい。


「え?妖精のファルツの事ですか?ゼウスと言った事?」


そうだ。妖精はプログラムのはずだ。個々のシステムチェッカーが

意思を持ち、所謂ユーザーを監視する。

ジヴァニアは俺の、ミネルヴァはリホさん。

そしてユキさんにはサンテミリオン。

意志を持つ妖精にさらに意志を持つモノが入るのはおかしい。

体の乗っ取りではないのか?


何時からゼウスを感じていたのか聞くと、ミツルと初めて会った時から

らしい。


「本人に聞いた方が早そうですね」

うんうん、そうだ。本人に聞くのが早そうだ。


今頃ミツルやリホさん、ユキさんは何処にいるのだろうか。

そして俺はこれから何をすればいいのだろうか。

このキョークの、このサブキャラの俺は今後どうすればいいのだろうか。

そして、メインの体を手に入れたら何をすればいいのだろうか。


雪丸が俺の前を歩いている。でっかくなったな。

尻尾をフリフリしている・・・癒される。ん?なんだアノ首元の

赤いモノは・・・。俺は雪丸の首にあったモノを取る。『勾玉』!


「なるほど。それが勾玉ですか。魂の入っていると言う。

 分析しましょうか?」


確かにいままで詳しく調べたことはなかった。

もしかしたら、魂の転写、この場合は転移なのか知らんが

その事もわかるかもしれない。俺は勾玉をイブさんに預けることにした。


ん?イブさんの後ろから3人が付いてくる、従者?と聞いたら

「左から、クロト、ラケシス、アトロポスです。お見知りおきを。

 レベルは低いですが有能なので。他にもおりますよ?」


いやいや、知ってるよ!というか、どんだけの神話級のモノが

こっちにきてるんだよ!・・・と聞いたら15前後と言われた、微笑みながら。

もう国家として成り立つんじゃねえか!?


「いえいえ、この魔王領は居心地がいいのです。ここから

 国を興すなんて考えたこともないですわ。」


ん?まって?カオスってイブさんのお父さんよね?あれ?ならば

魔王領を実際に動かしているのはニュクス達なんじゃないか?


「私達が来た時にはすでにリリスやマカーブルはいましたしね。

 それから比べれば新参者ですよ、ふふふ。」


今度、リルさんや他の魔族に聞いてみよう・・・ニュクスの事を。

うん、魔王領のパワーバランスを知っておくのも大事なことだ。


★★★★皇国への道中★★★★

ミツル視点


うをお、リホさんめっちゃ素早い!多分素早さにガチ振りだ。

それにミネルヴァの加護なのか?と思ったら


「ミネルヴァの加護は防御3倍賢さ3倍よ?」


と、キマイラの短剣を仕舞いながらさらりと言った。

「この短剣に魔力が乗るから討伐が凄く楽なのよ。それに

 クリティカル追撃効果もあるから。もうくノ一になった気分」


加護なしであの早さなのか・・・。世の中にはマジデガチ振り、まぁ

極振りとも言うのか。する奴いるんだなぁ。

ひと段落付いたのでベースに戻る。俺達は今、森のヒールスポット、

まぁここでは小屋なのだが。そこに数日住んでいる。


「ここはね、キョークが近衛兵長を・・・殺したとこなの」


食事の支度をしながらリホさんはポツリと言った。

そうか、キョークは人を殺してたんだな。


「私もね、というか私が国王の前で近衛兵を殺したのよ。

 だから私達は逃げることになったの。キョークが人殺しをしたのは

 私のせいなの」


俺は無言の返事をするしかなかった。

この世界は前居た世界と違う。殺し殺され。俺達もいつ殺されるか

わからない世界だ。・・・気にするな。というのが精いっぱいだった。


「今日はかつ丼よ?たくさん作ったからおかわり自由。そしてね、

 ここで初めてユキさんと会ったのよ。いきなりドアが開いて。」


ガチャ。


「そうそう、こういう風に開いて振り向いたらこんな風にユキさんが

 立ってたの・・・。たのよ?」


「おお!リホ!それはまごうことなきかつ丼ではないか!」


ユキさんの後ろから『かつ丼娘』が現れた!ってか、びっくり!

なんでここに居るんだよ!と聞いたら。


「ステラがこの辺から感じるモノがある。っていうから来たら。

 二人が居た」

ユキさんは椅子に座りながら「私にも噂のかつ丼頂戴。」とも一言。


か、感じたのは俺達なのか?それともかつ丼なのか?まぁどっちでもいい。

こうも簡単に会えるとわ。少し前にリホさんは言った、「あっちから

迎えに来るわよ?」と。確かに当たった。


「ステラ、あなたってすごい人?だったのね。ねぇ、私達もあなた達と

 一緒に行っていいかな?」


リホさんがステラに聞くが、ステラは悩んでいる。ステラの相手は

皇国のリスボア、いやイザナギとスサノオだ。リホさんが強いと言っても

まだレベル100ほどだ。・・・しかし俺やユキさんと違う短剣使い。

戦力にはなる。


「かつ丼、食べたい時にいつでも食べられるのよ?」


「一緒に行きましょう!」

即答かよ!俺達は全員で勝つどんを食べながら話し合う。

俺はスサノオが海の村に来たことも伝えた。そして爆発が起こった事も。


「うーん。やっぱりあの子たちの勾玉はあっちの手のうちかぁ。こまったなぁ」


その二人の事を聞くとステラは「あなた達が言うヒーラーなのよ」と

かつ丼をおかわりしながら教えてくれた。


「ねえ、ミツルから色々と聞いたわ?その中でわからないことがあるの。

 聞いていい?」とリホさんがステラに言う。ステラは頷く。


「イザナギやスサノオ、そしてあなた。アマテラスやイチキさんは

 普通に体があって普通に魂が入っている。でも体と魂が分離しているモノも

 いる。この違いって何なの?」


「なぜ体は有るのにわざわざ勾玉に魂を入れたのか?という事ね。

 実際わからないわ。でも、多分そのまま体に入れたら『まずい』から

 なんでしょうね。その『まずい』事も調べないといけないけど。

 まずは体と勾玉を1セットなんとか手に入れないと。調べようがないわ。」

ステラは顔の前で手を合わし、ごちそうさまと。


「もういっそのこと、皇国に行ってみる?なんて。」

ユキさんも顔の前で手を合わせる。おいおい、すごいこと言ったな!


「あぁ・・・それもありね。あそこには体と勾玉が数セットあるはず。

 この面子なら相手も下手な事も出来ないでしょうし。

 おもしろいわ。皇国に行きましょう。」


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