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サブキャラでReスタートの俺  作者: 加納 美香
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第87話 魔王と名乗る(初)

でも小さくはなく普通ですよ?と言われた。


「あー、だから何かを感じで肌がヒリヒリしたのね?」と

ジヴァニアは土偶の話に飽きたのか割り込んできた。


「実際、ジヴァニアは私の管理する妖魔族の上位種かと思われます。

 伝承によるとですが。もしも、位で言うと私よりも上です。」


いやいや、リャナさん!そこまで褒めなくていいですよ!?お世辞でしょう!

ほら見て、ジヴァニア威張ってるし!


・・・まじなの?


因みにヴァンことクドラクは洞窟で生活をしている。

・・・知ってる。


あ、そうだ。ヴァンにコントローラーを作ってもらおう。

そう言うと「喜んで!」とすっごい笑顔。


あ、やばい。話し込んでしまった。既に2時55分だ。

俺はとりあえず全員に「また今度!いや、すぐに会うけどさ!

別の体だけども!」と言ってベッドに横になる。


そして3時。


俺は意識が一瞬途切れる。・・・目を開けると俺の顔に雪丸が

ほおずりしている。

うん、確定だ。MP回復は3時だ。徐々にではなく一気に回復する。

・・・これを知っていると戦闘で優位に立てるかもしれないな。


全員が俺を見ている。俺は皆に「こんな魔王でごめんなさい!」と

まじで謝った!

少しの沈黙の後・・・。


「姿が変わったくらいで我らは対応を変えませんよ?」

マカーブルが笑いながら言ってきて全員が頷いている。


しかしこのキョークの体には『魔王の涙』はないよ?というと。


「そういえば先代ももってましたわね、ホムンクルスを。

 そういったモノと思えば気にしてませんわ」


おいおい俺、キョークはメインのホムンクルスなのかよ!


「言いえて妙ね!」


ジヴァニアが腹を抱えて笑っていやがる。てめえだろうが!

サブの体に魂を写したのは!


「何言ってんのよ!あんたがさっさとダイブしないからよ!」


俺達のやり取りを見てリャナさんが笑っている。

それを見て全員が笑う。


「なつかしいなぁ、先代もこんな感じで我らを楽しい気持ちに

 させてくれたなぁ」

「そうだ、マカーブルの言う通りだ。俺達は王に恵まれている。」


俺は今、王国や皇国に居る時よりも楽しい。俺の村の様な感じだ。

村の皆・・・、に言わないといけないな。俺が魔王だったって。

ドン引きされて石でも投げられたらどうしよう。

でも、あの人達は絶対に守ってやる。嫌われても・・・だ。


そうだ、エルフの里に行こう。そしてミツルやリホさん、ユキさんに言おう。

俺が魔王だったと。驚くだろうか。驚くよな・・・普通。


「そういえば魔王様のお名前は何とおっしゃるのですか?」


そのリリス・・・じゃなかったリルさんの一言に全員が無言となる。


誰かが生唾を呑む音が聞こえた・・・。「ゴクリ」と!

確かに誰にも言ってなかった・・・。あぁ、ジヴァニアは知っているか。

俺は皆にメインの名前を言った。


『ヴェヌス』 と。


「え?」


イブさんが驚きの声を上げた。・・・やはり知っているのか。

でも、あなたの知ってる人とは別人ですからね!・・・ね!


「ヴェヌス様、またの名をアフロディーテ様。運命を感じます!

 是非とも私の管理する街へ!会わせたいものが多数!」


いや、マジデ別人ですから!名前は偶然の一致です!

あかん、イブさんが興奮している。

全員もは少し驚いていたが苦笑いをしだした。


それをいっちゃあリホさんが連れている妖精は「ミネルヴァ」よ?

と教えて上げたら、もう歓喜の表情をしだした!火に油注いだ!


ミネルヴァの別名は、そう「アテナ」だ。

ちょっと待って!なぜ魔王領にニュクスの様なモノ達がいるんだ。

俺のメインの名前を聞いて驚き、ミネルヴァの名前を聞いて喜んだ。

ニュクスの管理する街には・・・いるのか?

そういったモノ達が・・・。

これは行ってみたくなる。


エルフの里の後にニュクスの街に行く事に決めた。


とりあえず俺は黄龍の居場所を出来る限りでいいので探してほしいと

魔族たちに依頼をした。


全員が片膝をつき胸に腕を当て「御意に!」と声を上げた。

「全身全霊を掛けて行います!」


あれ?俺は・・・。

無理せず、暇を見てでいいから・・・という意味で「出来る限り」と

言ったのだが・・・。全身全霊って。そっちの「出来る限り」かよ!


ま、まぁいいや。俺はエルフの里に行くと伝えると

「では転移魔法を使いましょう!」と全員がニヤニヤしながら言ってきた。


その手にはのらない!確かにメインの体に手っ取り早くなるが

今はこの体じゃないとダメなのよ!

みなが不貞腐れた後に笑い合う。・・いいじゃないか!魔族!


・・・俺は階段を駆け下りる!駆け下りる!その数49!

俺と一緒にエルフの里に行くのはリルさんとヴァスキだ。

イブさんは俺を迎えるために街に帰るらしい。

・・・あの人の事だ。たいそうなことになりそうで怖い。


リルさんが居ない間はリャナさんが俺のメインの面倒を見る。

この選別はくじ引きで決めた・・・。


ヴァスキの本来の姿はどちらかというと龍族のような感じだ。

よくアニメとかに出てくるような。これが幻影魔法で人型になると

・・・すっごくイケメンになった。くっそ。


「あ、あの、私はこの体の時、なんと名乗れば?

 なんと名乗ればいいのでしょうか!」


目をキラキラと輝かせて俺に問うてきた。

なんか悔しいから「リュウ」で!というと凄く気に入ってくれた。

イケメンで名前がリュウ。向こうの世界だったら勝ち組だな。


くっそ、ヘビにしとけばよかった・・・。


一旦、吸血族の里に入ってからエルフの里へ行くことになった。

リ・・・いや、リルさんが寄りたいとの事だった。


里に入ると長が、いや数十人が出迎えにやって来た。


「リリス様、お久しゅうございます。お変わりなく元気そうで何よりです。

 いらっしゃることを長くお待ちしておりました。」


長の丁寧なあいさつはリルさんに向けてだった。

というか、片膝ついて胸に腕を当て最敬礼をしている。


「久しぶりね、変わりない?困ったことはない?何かあったら

 すぐに言うのですよ?」

それはそれはとても優しく長に対して言っている・・・。

あぁそうか、この里はリルさんの管理下なのか。

リルさんはリリスの塔というよりも吸血族を管理しているんだ。


リルさんはチラリと俺を見た。俺が魔王という事を伝えるという事だろう。


「お話があります。心して聞いてください。

 今から言う事は事実です。このお方、このお方の御本体が

 魔王領の管理者、魔王『ヴェヌス』様です。いままでキョーク様という

 お名前でしたが。」


「仰せのままに」


え!?・・・。驚きもせず受け入れられた。なるほど、リルさんの言う事は

絶対なのだ。それがリルさん、リリスの立っている場所なのだ。

俺はその上に・・・居る。


「お願いがあります」そう俺は言い、・・・伝える。


この体で来た場合は俺は魔王という存在ではなくキョークという冒険者だ。

勿論、リリスの言った様に本体は魔王だ。

区別して接触してくれれば助かります・・・いや、助かる。


「仰せのままに!」


ところで。ワギューとクロブーの搬出は少し待ってほしいと伝える。

・・・現状の事を言っていいモノかどうか・・・。言っちゃおう。


俺は皇国に追われている。


「わかりました!すぐに準備をいたします!」


え?おい?何の準備だ?


「そりゃあ・・・攻めるのでは?」


ちがーう!止めてくれ!静観だ!静観!


「わ、わかりました。いや、久しぶりだったもんですから、つい。

 ・・・・チッ」


おいおい。いま舌ならしただろう。どれだけ戦いたいんだ。


「いえ、人間にやりかえすいい口実だったもので」

その長の言葉にリリスが言葉使いに気を付ける様に言ったが・・・。

いや、俺は今の感じがいいよ。という。そしてリルさんは頷く。

みーんな頷く。・・・魔王ってすげえ。


「先代は兎に角、平和主義でした。兎に角我慢するように・・・と。

 あの頃は本当に、今なら申し上げられますが悔しくて悔しくて。

 人族がやりたい放題で・・・。」


それは王国だろ?と聞くと。

どうやら、王国を装った皇国の冒険者等もいたらしい。



くそが。人間はどれだけ阿呆なんだよ。俺も人間だが・・・。


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