第85話 メインの体にて
俺のレベルは今・・・。
レベル94 HP856 SP237 MP199
攻撃力110
防御55
素早さ109
賢さ65
耐性65
運60
これにジヴァニアの効果でステータス2倍だ!
HPもMPも!SPも2倍だ!どうだ!参ったか!はっはは・・・は。
えっと、MPは200引かれるんだよな?
199が2倍で398だろ?
引かれるのが2倍だから400引かれるのかぁ・・・。
・・・やべえ!MPが!『2』足らねえ!
小学生でもわかる足し算引き算!
そして俺は・・・部屋の中でMPを使い果たし・・・
多分49階くらいの所で・・意識が飛んだ。
★★★★魔王領 リリスの塔 魔王の部屋★★★★
うーむ。嫌な予感はしていたが・・・。
俺は目を開けるとベッドに寝ていた。腕を上げ見ると暁装備。
ふむ、MP切れで意識が飛んだか・・・。
俺は起き上がり、机に有ったお菓子の様なモノを食べる。うん、旨し。
鏡の所に歩き見る。いつみても俺は・・・綺麗でかわいい!
ストレージから剣を取る・・・2本。
サブで出来たんだ。メインだって出来るだろう、そう、二刀流。
左右に持って素振りをする・・・がっ!閃かない!なんで!
うーん、あの時どうやって閃いたんだっけ。やっぱ戦いの中でないと
閃かないのか?戦闘スキルは。まぁいいや。
頭装備は非表示のままでいいか。だって暁ヘルムは見た目が怖い。
まるで魔王のように・・・って、あぁ魔王だった。
しかし、今度はどれくらいこっちに意識があるのだろうか。
意識が飛んだのは転移魔法の途中だ。MPがなくなって飛んだ?
基本的に魔法は残りMPが足らないと発動できない。だから『0』はあっても
マイナスにはならない。『0』の場合はジヴァニアのSPのように
意識はあるが動けない状態となるのだろう。実際いままで『0』に
なってないのでよくわからん。
しかし、今回は強制的に吸われてしまった。所謂マイナスだ。
だからなのか?
ならばだ、今後あの転移装置を使えば意図的にメインになれるのでは
なかろうかっ!試してみる価値はある。
しかし、レベルが上がったらMP足りてしまうので・・・。
ここはリリスの塔の50階。ふむ。ならば60階くらいまで
行けるようにすればいいのか。というか、ここ最上階だよな。
ならば増設するか・・・。俺魔王だし、作ってって言えば問題ないかな。
・・・職権乱用。
さて、あとどれくらいメインで居られるのだろうか。
明らかにMPが回復すれば意識が戻るだろう。
MPポーション・・・あ、やべえ、作ってるか。飲まされたら戻るな。
それでなかったら次の日に回復する。多分、深夜3時がリセットだ。
何故ならば、ログインボーナスは3時に更新だった。
あ、そうだ。着替えよう。今のうちに。暁装備は戦闘時だけでいいや。
でないと、リリスさんが可哀そうだ・・・。
俺はストレージの中から色々と選ぶが・・・。・・・選ぶが。
あかん!どんなのがいいんだ!?
と、悩んでいると部屋をノックする音。
俺は「はいどうぞ」と返事をしてあげる。
扉が開き、イブさんとリャナさん、そしてヴァンとリリスが入ってきた。
ヴァンは・・・誰かを負ぶっている。って俺かっ!
「おおお!お目覚めになった姿は初めてみましたぞ!王よ!」
ヴァンが凄くはしゃいでいる。・・・俺を落とすなよ?
俺の体をソファーに横たえ俺の所へ集まってくる。そして
片膝をつき、拝礼をする・・・。
いいって!そんな事は!それよりも魔王の事をもっと知りたい、と
申し出ると・・・。
「いいですわ!とってもいい!外見は稀代の美貌なのに男性の言葉つかい。
それに声が!声がとっても!美しい!」
おい、イブさん。なんとなくキャラが解ってきた。
おっと、その前に俺にMPポーションを飲まさないようにと
リャナさんに伝える。危ない危ない。
皆に多分この体を動かせるのは3時までと伝える。
「わかりました。ならば魔族 八芒星全員をここによびます」
リリスがそういうと・・・。
「それには及ばない。すでに馳せ参じておる。入りますよ?」
その声はマカーブル!
マカーブルが扉を開け入ってくる。その後に俺が知っている魔族。
グルル、ヴァスキ、そしてバルバトスが続いて入ってきた。
やはり同じく片膝をつき、俺に拝礼をした。
・・・やはり、俺が魔王なんだ。
俺は魔王に会いたくてここまで来たんだ。今までも何となくは
わかっていた。しかし、魔王と思いたくなかった。だから
俺は、俺には関係ないと言う考えを強引にしていた。
俺は・・・これかどうすればいい?
思わず、問いかけてしまった。
「御心のままに行動するのが良いかと。」
マカーブルがそう言うと全員が頷いた。
「しかし・・・。まさか声も美しいとわ!」
たしか、ヴァスキだ。俺の声を聞いて驚いている。まじか?そんなに?
俺はまだ混乱している。と思う。だって。
本当は、考えていたのは、この部屋に・・・。この部屋に入って
俺の体を見て、そしてジヴァニアに確認してもらって・・・と思っていた。
しかし、突然に意識がこっちの体に来てしまい、そして魔族の拝礼。
そして俺は指を見る。指には『魔王の涙』がはめてあった。
あ、そうだ。俺は左手を動かしステータスを確認しようとするが
・・・旨くできない。うん、キョークのコントローラーが使えるかな。
おれはキョークのポケットに入っていたコントローラーを手に取り
動かしてみる。・・・使えるし!
そして、ステータスには、ジヴァニアの名前が・・・・。
あった。
やはり、ジヴァニアはIDに紐付けされているんだな。
ってことは!?俺の!このメインも!ステータス2倍!やったぜ!
っと、いまはいいか。
しかし、雪丸の名前は・・・無かった。ニューロンもなかった。
ふと雪丸を見ると、キョークの体を守るかのように寄り添っている。
俺は雪丸の所へ行き、頭を撫でて・・・。あっぶねええ!
フレイムが発動するとこだった!
俺はリリスたちに着替えたいんだが・・・と申し出て
ストレージに入っている装備をいくつか取り出してみた。
「おまかせくださいな!ささ!男型は部屋を出てお行きなさい!
魔王様のお着換えですよ!」
これとこの組み合わせ?とか、これは?とか、
うん。言った俺のせいなのか着せ替え人形になってしまった。
え?この組み合わせ!?セット効果ないよ!?
「いいのです。これが!私達の考えた!非戦闘時におけるお召し物です!」
なんだろう、リリス、イブさん、リャナさんがとっても満足げだ。
「ところで・・・。先ほどからニュクスをイブ。そしてリャナンシーは
リャナ、あろうことかクドラクをヴァン、とお呼びなのですが!?
私には愛称はないのでしょうか!?ないのでしょうか!?」
リリス・・・さん。そこか?なんだろう、俺が思っていた魔族のイメージが
崩れていく。なんなんだろう、この居心地の良さは。
いやいや、イブさんもリャナさんも人間の姿の時の呼び名であって・・・。
と言ったら私も人間の姿の時の名前がいいです!と・・・聞かなかった。
うむ。俺の浅い知識だが・・・。リリスは夜のなんかだ。
こんな時にスマホがあれば検索するのに・・・。まぁいいや。
リリスは確か、ヴァンパイアだ。別名は確か・・・。リリートゥ。
リルとも呼ばれていた・・・気がする。吸血鬼の妖精だ。
俺はリリスに、ならばリル。リルさんだ。どお?と聞いたら
頬を赤らめ、涙目で頷いていた・・・。
「ちょっと待ってほしいですな!」
その声と同時にドアを開け、男型の面々が入ってきた。
「これはもう全員につけてもらわないと釣り合いが取れませんぞ!王よ!」
「そうだそうだ!誰がその剣を探したと思ってるんですか!」
「私だって!やりたくもない演技をしたんですよ!?悪役でしたし!」
わかった!わかりましたよ!考えときますよ!
というか、今度ね?今度!
「絶対ですよ!」と3人?の大合唱。
それを見たジヴァニアが笑っている。
うん。仲良くできそうだ。因みに今。何時?
「今は人間時間で23時です。」
後、4時間!