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サブキャラでReスタートの俺  作者: 加納 美香
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第84話 MP消費

この世界の「魔王」を何度も何度も考える。どういった存在なのか。

よくあるゲームでは世界を破滅に導く存在。


「魔王様?魔王領の『王』ですけど?」


イブさんは凄くあっさりした答えを出してきた。


「人族の王国の王や皇国の王と何ら変わりませんよ?

 魔王領に住むモノを平和に導く存在。ただ、出生が人族と違うのです。

 魔王様はよく人族に敵対されます。何故かは知りませんが。

 そして攻め込んできた人族に倒されます。何故かは知りませんが。」


リャナさんは魔王が何故、討伐されるのかがわからないらしい。

実際、俺達人間には『悪』の存在。人間に対して危害を加えるので

倒される存在。・・・となっている。が?


もし魔王が、この世界の魔王が魔王領の平和を願う存在ならば、

人族に対して危害を加えないのであれば・・・いい奴じゃないか。


「書物では今まで幾度も王国や皇国から強い者が現れて

 魔王様は撃退されています。

 今までこちらから攻めた事なんてありませんよ。人族の間で、魔王を

 倒せば良い武器や装備が手に入るとか言われ、『勇者』とか『英雄』とか

 そんな名前の人間が。いい迷惑です。まぁ先代は撃退していましたが。」


因みに魔王は国王や皇王のように一族体制ではないのか?と聞いたら。


「はい、違います。魔王様は一代限りです。世襲に何の意味があるのですか?

 バカ息子だったらどうするんですか!」


そ、そりゃそうだ。

俺はじゃあ、次の魔王はどうやって決めるのか?を聞いた。


「魔王様が倒されたら、魔王領の事を想い、悲しみの為に涙を流します。

 その涙は結晶となり次の魔王様の元へと行くのです。

 その『魔王の涙』に選ばれた者が次の魔王となります。

 ・・・ご存知かと思われますが。その結晶については。」


あぁ、持っているさ。俺のメインは。でも、あの時はパーティだった。

他の者達も持っているはずだ。まぁ魔王討伐イベントをクリアした者は

少数なので多くても80個前後だろう。

という事は下手すりゃ80人?の魔王が・・・。いやいや、

この世界に来た、ログインしていた者は俺を含め6人だ。

わかっているのは俺、リホさん、ミツル、ユキさん。

この4人で魔王イベントクリアは俺しかいない。

もし残る二人が呼びかけに答えダイブしているならば、そして

その二人が魔王討伐クリアしているならば最大でも3人の魔王が

居るという事になる。


しかし、ダイブした者の特徴の『妖精使い』の噂は俺たち以外

聞こえてこない。


信じてもらえるかわからないが俺はヴァン、イブさん、リャナさんに

討伐イベントの事を伝える。3人?はキョトンとして聞いていたが。


「そもそも、先代の魔王様がお亡くなりになったのは病です。

 私どもが最後を看取りましたので。その時に申されたことがあります。

 数日前に夢を見た・・・と。白桃色の髪の女性剣士の夢。」


「魔王様は聞いたそうです。何ゆえに我を倒すのか?と。するとその女性は

 『魔王の涙』は私が受け継ぐ。と一言だけ答えたそうです。魔王様は

 笑いながら、『おお、初の女性じゃな。それも良かろう』と言われ

 数合打ち合って強さを確信し、笑いながらその女性に渡したそうです。」


「そして目覚めると魔王たる証の『魔王の涙』は先代の手元から

 無くなっていたそうです。そして病に倒れました。」


もしも、その選ばれた者が、魔王の涙を受け継いだものが、魔王なんて

やらねえよ!とか言ったらどうするんだ?


「どうするんでしょうねぇ。王が不在の魔王領になっちゃいますね。

 しかし、今の魔王様、そう。その白桃色の髪の女性の指には

 『魔王の涙』が付けられておりました。今はまだ眠りについておりますが。」


笑いながらイブさんはそういうが・・・。

今まで認めたくなかったが・・・完全に俺のメインが魔王だ。

実際、魔王なんてやらないと言いたい!


もしも・・・その女性が目覚めて「魔王なんてやらない」と言ったら

どうするか聞いたら・・・。


「いいんじゃないですか?やらなくても。しかし、私達『魔族 八芒星』と

 魔王領のモノ達は、その方がやろうがやらまいが『魔王様』として

 動くのみです。『魔王様がこの世にいらっしゃる』という事が

 私達の喜びなのです。魔王様はご自由にされていいのですよ?」


イブさんはそう言うと微笑みながら俺を見た・・・。


今はまだ眠りについている・・・か。眠りも何も体は違えど

俺は、俺の魂はこのサブの体にあるからなぁ。

しかしよくわかったもんだ、俺が魔王の体の持ち主って事が。


「そりゃあわかりますよ。その方の体からにじみ出る魔力の匂いとか。

 なんて言えばいいのかな・・・。」

うーん、うーんといいながらイブさんは考えている。


「そういうのってマカーブルはよくわかるよなぁ。魔力探知っていうの?

 扉の向こうからでも誰が来たかわかるもんな、アイツ」


ヴァンは・・・すでに呼び捨てだが。笑いながらそう言ってくる。

なぜかジヴァニアが肩に乗っている・・・。


「キョークはやられた時に意識が飛んでその体に移ったのよね?魂。

 って事はそれでいいんじゃない?私もその時にこの方向から

 キョークを感じたし。というか、私が見れば同一人物かどうか

 必ずわかるわ。だって私はキョークの体じゃなく魂と結びついているんだし」


ちなみにマカーブルは最初、俺がこの世界に来た時に

同じ魔力の感じが二つ存在する事に『双子!?』と思ったらしい。

そして体も有るんだ。その体の魂の場所が解るのは当たり前だろう、

一緒なんだから。と普通に言ってきたらしい。そして一発目で俺を見つけた。


そして俺に、俺が所望した両手剣を準備してくれた。・・・片手剣を2本。

まぁ?右にも左にも一本ずつ剣を持つから両手剣・・・なんだろうな。

俺のレベルを見て俺が使える奴を探したんだろう・・・。ありがたい。

どんだけこいつらって、いい奴なんだよ。


「見えてきましたわ、リリスの塔が」


リャナさんは前方を指さす。

うっすらと見えるリリスの塔。あれの50階に俺のメインの体がある。

俺はどうやって侵入するかを聞いたら。


「侵入?侵入も何も普通に入るだけですが?すでに情報共有は

 済んでおります。さぁ急ぎましょう。」


そして・・・リリスの塔に到着した。

何故かイブさんは俺の背中を押し、俺が先頭で入る事になった。

俺は扉を開ける・・・。


すると目の前に、リリスが居た。

「よくぞ、よくぞ来られました。

 道中はなにか問題はありませんでしたか?心より、心より

 お待ちしておりました。」


そう言うと片膝をつき俺に拝礼をした。

うわ、こんな時なんて言えばいいんだ!?「うむ、ご苦労」とか?

いやいや、「待たせたな!」とか?・・・違うな。


「あ、あの。腕の火傷、大丈夫でした?俺熱かったでしょう。

 そっか、回復出来てたんでよすね。えっと、あ、料理旨かったです。

 それにシャンプーもありがとうございます。・・・ほんとすみません。

 中身がこんな奴で。」


お、俺は何を言ってるんだ!


リリスは顔を下に向けながら肩を震わせている。そりゃそうだろうな!

笑うわ!自分でも!

俺は顔を上げて立ってくださいと言うと・・・。


「こんなに魔王様に褒められるとは。うれしゅうございます。」


そういうリリスは頬を赤らめ、ボロボロと涙を流していた。

ええええええ。まじか!


俺の前にリリスが歩いて行く。俺の後ろからリャナさん、イブさん、ヴァンが

続いて歩く。両脇の壁沿いには多くの魔族が直立不動で俺達が

通るのを見ている。


・・・ど、どうもどうも。という感じでそのモノ達に頭を

ぺコンペコン下げて歩くと・・・歓喜の声が沸き上がった!おいおい!

どれだけ俺って偉いんだよ!偉いのはメインの体だろう!


ん?階段の方にはいかないで壁の所まで来ちゃった。

するとリリスは何かの魔法詠唱を始め、壁に魔方陣を描いた。

すると壁に扉が現れ、ソレを開けて個室の様な所へ入った。


「じゃあ50階まで転移しますね。」


お、おう。やっちゃってください。俺が頷くと部屋が少し揺れた。

「これは私が作ったんです!」とヴァンさん。


「1階につきMPを4消費しますが今の魔王様には

 問題ないかと」


そうリリスが言う。ふむ、俺はジヴァニアの効果でMPも2倍に

なっている。うむ。問題ないだろう!


「あれ?キョークってMP減るのも2倍よね?」

ジヴァニア。お前は・・・正しい。

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