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サブキャラでReスタートの俺  作者: 加納 美香
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第69話 議会、そして賛成多数

★★皇国 皇王の部屋★★


「さてさて、王国の民はどんな決断を出すんだろうね」

リスボアは少し微笑みながら従者に問う。


「もう決まってますよ、アルザス君が頑張って根回しをしていますから。

 まぁ、反対する者はごく少数でしょうね。」


「人族は一つにならないといけない。こんな所で国が割れてて

 いいはずもない。いい具合に国王が死んでくれたんだ。

 これは乗っかるしかないよね?」

リスボアはやはり笑いながら従者へ話を振る。


「ところで、反対した村はそのままでいいのですか?」


従者の問いにリスボアは目を閉じ、少し間を開けて言う。


「僕は問題ないんだけどね、このままで。でも今はまだ眠っている

 妃がそれを許さないだろうね、あの人怖いし。

 だから出来るだけの事はやっておこうかな。」


「それはそうとですね、勾玉の事で話があるのですが。」


「ほう!どんなことだ?何かわかったのか?」


「ええ。実はあの勾玉は只の入れ物なのではないかという事です。」


「それはどういうことだ?」


「壊せば、中に入っている魂が自然と肉体へ移るって事です」


「そ、それは本当か?じゃあ叩き壊してみるか!?ん?でも

 壊したら、中の魂も壊れるんじゃないか?

 ・・・取りあえず壊してみる?」


「それがですね、硬いんですよ。兎に角硬い。やはり、

 皇太子の言う通り、天羽乃斬が必要かと。しかし、黄龍は

 必要ないかもしれません。」


「黄龍に協力を仰ぐよりも天羽乃斬を探す方が楽と言えば楽か。

 で、それある場所の見当は付いているのか?」


「実際、探していない場所として、ここより北にある、壁のように高い

 山の中腹に不思議な場所があると冒険者たちから聞いています。

 そこにある・・・かもしれません。」


「不思議って?」


「不思議なんです。魔獣が現れないそうです。しかし、そこに行こうと

 すると体が動かなくなるそうです。」


「何かあるって事だね。じゃあ誰かに行ってもらおうか。」


「いえ、既にスサノ・・・、いえ皇太子様が向かっております。」


「まぁ適任って言えば適任だね。そもそもアレは彼の持ち物だし。

 では朗報を待ちながら皇国編入に反対した所への制裁を

 考えようとするかな。」



★★王国 議会場★★


うーん。すでに2時間経過している。もうさ、挙手か

投票でいいんじゃないの?なんで出席した者の話を聞かないと

いけないんだろう。


「あれから私の村を管理していた貴族はどこかへ行かれました。

 その後、皆で話し合い、今に至っております。

 話し合うと言う大切さがわかるのです。取れた魚を販売する場合

 2割の税金、購入する者は1割の税金をきちんと払う事によって

 町全体が潤い、さらには近隣の村などにも魚を売る事が

 出来る様になりました。なので、私の村は皇国への編入は

 反対です。もうこれからは一人の考えで国がまとまると言うのは

 時代遅れです。」


うへぇ、言い切りやがった。なるほど、この間行った海辺の村の村長か。


「次はカネセ村」


お、俺の番だ。なんか緊張する。そして立ち上がり・・・。


えっと、皇国に編入は反対です。


それだけ言うと俺は座った。

うわ、なんか会場がざわざわしている。

ヒソヒソ話も始まってるし。


「す、すまないが、反対の理由を教えてくれないか。キョークさん。」


アルザス、それ聞いちゃうの?ってか、君に聞く権利とかあるの?

まぁ議長っぽいことしているし権利はあるかもしれない。


俺は再度立ち上がり・・・。


俺もさっきの村長が言ったように、一人の、それも

血族が永遠と国の頂点に君臨するっておかしいと思うんです。

国は私物ではなく、そこに住んで居るみんなのモノって思ってます。

もちろん、代表は必要と思うんです。この世界には色々な種族が居るし。

その代表も皆で決めるって方がいいんじゃないかな、と思ってます。


「わ、わかりました。」

アルザスは少し呆気に取られてそう言うと動揺を隠せないでいた。

あぁ多分、俺は皇国編入賛成って思ってたんだろうな。

それは俺もだよ、アルザス。お前は皇国編入に反対って思ってたよ。

それを一発目で賛成って言いやがって。裏で何かあったんじゃねえか?


そして出席者20人での挙手が始まる。

因みに、村からは代表1人、街からは代表2人が出席している。

王国って村が12つ、街が4つもあったのね。知らんかった。

そりゃそうだ、ゲームの時は村は3つだったし街も2つ?3つだった。

・・・いつ増えたんだよ。


そして運命の挙手。


皇国編入に賛成は16人

皇国編入に反対は4人だった。


反対は村が2つ、街が1つだった。

結局、皇国へ編入と決まった。

全員が議会所から出る。俺も出ようとしていた時にアルザスが近寄ってきた。


「本当に残念だよ。キミは賛成と思っていたんだけど。」


その一言に俺も言い返す。

本当に残念だ、お前は皇国の手も借りずにこの国をどうにか

してくれると思ってたんだけども。と。


会場を出たらすでに陽が沈みかけていた。俺は待っていた

ミツルとリャナさんと合流し、どこかで飯でも?となった。


うわぁ、町全体が明るい。明るいのは住民の表情。みんな皇国編入を

希望してたんだなぁ。ほんとすまん!村の皆。まぁでも

そうと決まったら従うしかないか。でも、目を付けられたな・・・これは。

リスボアとは友達って事になってるからなんとかなる・・・なって欲しい。


食事を終えて宿屋へと帰る。結構遅くまで雑談をして、

全員が寝ようとしていた時にリャナさんの感知魔法の網に誰かが

かかった・・・そうだ。

部屋は暗いままにしておいて俺もミツルも、リャナさんも構える。


ゆっくりと扉が開く。

うへええ、怖い怖い。いきなりベッドに剣を刺しやがった。

寝てたら死んでいたぞ!俺!


ミツルが明かりをつけると同時に俺とリャナさんが侵入してきた

5人を一気に捕まえる。んで、縛り上げる。


「聞かなくてもわかるが、誰の差し金だ?」

ミツルは笑いながら、腹を抱えて笑いながら言っちゃう。


5人は何も言わない。そりゃそうだ。


「吐かせますか?」

リャナさんが怖い顔で聞いてきたので・・・。

俺は5人の縄をほどき、帰っていいよと言った。

5人は再度、襲い掛かる事もなく、そそくさと逃げて行った。


「つけさせますか?」

そうリャナさんが言ってきたので俺はしなくていいと言った。

なんか、面倒ごとに巻き込まれそうだったので。

というか、すでに面倒ごとなんだけども。


その夜は雪丸とニューロン、あ、因みに新しいロンだからニューロンって

呼んでいる。・・・青龍の事は。に見張りをお願いして

俺達はゆっくりと寝た。


翌朝、宿屋を出て帰ろうとしたら何やら騒がしい。

・・・ヤな予感。道行く人に聞いてみたらなんと。


あの海のある村の村長が何者かに殺されたらしい・・・。

嫌な予感的中。反対に回った街の代表2人は夜に帰る途中に

魔獣に襲われ死んだらしい。冒険者の護衛と共に・・・。


うそだろう。この辺りの魔獣は弱い。明らかに魔獣と見せかけて

誰かが殺したんだろう。


で!だ!

明らかに俺達に容疑がかかると思い一目散に首都から逃げる様に

出て行った俺達だった。ある程度首都から離れた所で

リャナさんが飛ばしていたヤミガラスが帰ってきた。


「やはり、海のある村の村長殺しは私達に容疑がかかっているみたいです。

 あと、街の代表も私達が魔獣に見せかけて殺した・・・とも。」


またかよ!王国の首都に来るたびに容疑者になる俺!

もう二度とこねえ!こんな所!


「マジ受ける。前は俺がお前を追っかけてきたんだけどな!」

まじで腹を抱えながら笑うミツル。


うーん、このまま村に帰ったらみんなの迷惑になるかも?と思い、

少しの間、エルフの村へ行くことにした。



そしてこの十数日後・・・俺は、

悔やんでも悔やみきれないほどの後悔をする。

この時、俺は真っすぐ村へと帰るべきだったんだ・・・。

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