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サブキャラでReスタートの俺  作者: 加納 美香
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第57話 蘇生のスキル

衝撃的な強さ。道中の魔獣を石ころをどけるくらいで片付けていく。

この辺りの魔獣はレベル50程度でも問題ないが

ユキさんが凄いのはオーバーキルでのアタックでない所だ。

必要最小限の動き、力で倒していく。そして俺は!

ドロップ品を集めてユキさんに渡す係となっていた。


そうこうしているとす既に皇国の近く。

因みにユキさんの眷属はケツアルカトルだった。超激レア。

攻略掲示板でドロップ率は0.3%と言われた奴だ。

『眷属フィーバー』という糞イベントで手に入る眷属。

あの糞イベントをどれだけ周回したのだろうか・・・。恐れ入る。


やっぱ飛行型はいいよなぁ・・・。


そして俺達は皇国へと入る。が、凄く目立っているユキさん。

皇国では『英雄』とされているからなぁ。仮面だけでも取って

くれないかなぁ・・・。


俺達はそそくさとリホハウスへと入る。誰も居なかったので

隣の食堂へと向かう。中に入ると一組の客が居たが、時間的には

こんなものだろう。


「あら!おかえり!」


元気のいい挨拶が聞こえてきた。うんうん、リホさんも元気そうだ。

俺はユキさんを紹介するが、以前あった事はあるので簡単に済ました。

ユキさんがどうしてもご飯が食べたいので連れてきたと言うと

リホさんは喜んでくれた。

ユキさんの要望はご飯に合うおかずと味噌汁との事。


そして出された食事は・・・。


「トンカツ定食!・・・あ。」


なにが「あ!」だよ。普通に喋れるじゃねえか。と思っても口にはしない。

ユキさんは出されてすぐに顔の前で手を合わせ食い始める。

終始無言で食いまくっている。


「ご飯・・・おかわ・・り」


喋り方を戻しているところは流石だ。


俺はミツルを探すが居ない。どうやら買い出しに出ているようだ。

もうすぐ戻ってくると言われたのでリホさんにニンニクと胡椒を渡す。

とても喜んでくれた。そして初期の村で餃子とラーメンも作った事を伝えると。


「あるよぉぉ、ラーメン」


とニヤニヤしながら言われた。ニンニクのおかげで餃子も作れると

喜んでくれた。勿論、俺はラーメンを所望。


「私も・・・ラー・・メン、食・・・べたい。」


ユキさんも所望。見ると既にトンカツ定食を完食していた。


出されたラーメンは何と!醤油とんこつだった!激うまだ!

こっちのイノシシの様な野獣でスープを作っているので醤油を

使って独特の臭みを消しているそうだ。なので出来ればクロブーで

スープを作りたいとの事だったので、今度持って来ると伝える。


しかし、まじでこのラーメン旨い。特に麵が向こうの世界の麺と

ほぼ同じだからかもしれない。

リャナさんも驚きながら食べていた。


そうこうしているとミツルが帰ってきた。

「お?おかえり?そしてこんにちわ?」

俺はユキさんをミツルに紹介する。


「うを!あのPvPの有名人じゃねえか!握手して!そして

 サインして!」


凄く感動してくれた・・・。少し早いがヤマタノオロチを討伐しに行くと

ミツルに伝える。ミツルの顔色が変わり、そして冒険者の顔となった。

出発は明後日となる。ユキさんが決めたのだ。どうやらもう少し、ここの

料理を食べたいとの事。俺もリホさんの料理を食べたかったのでそれでいい。


「それはそうと、王国がひどいありさまと言う話で持ちきりだぞ?」


そりゃそうだ。貴族と庶民、冒険者とめちゃくただろう。

議会制と言っても全員が知っていればだが、そうではないからなぁ。

どうやら、難民として皇国へ連日のように来る者が絶えないと言う。


皇国は王国へと使者を送るが、話にならない状態らしい。そもそも

話をする相手が居ないそうだ。まぁ俺はどうこうする立場ではないので

心に留めておくだけにした。


俺は城へといく事にした。それをユキさんに伝えると、行かないと言われた。

なのでリャナさんと二人で城へ血向かった。


門番には覚えられていたので、迎えが来るまで待ち、案内人が来たので

後をついて待合室の様な所へ通された。


「おお!キョーク君!帰ってきてたんだね。」


凄く明るい声を出しながら皇国の王、リスボアが入ってくる。

俺は丁寧にあいさつをする。そして、王国の事を聞いた。


「もうあの国は、国としての体をしていない。こちらの情報によると

 軍部でクーデターをおこすらしい。貴族は貴族で軍部に取り入ったり

 庶民代表の者達と一緒に新しい国を目指したりと二分されている。

 こちらとしてはどっちでもいいが、早く正常になって欲しい。

 こっちが介入するのは最終手段だよ。」


うーん、軍部でのクーデターか。向こうの世界ではいいイメージはないが。

それでも国としての体は大事だ。



「ところでキョーク君は新しく覚えたスキルとかないのかな?」


俺は何故そんな事を聞くのかわからなかったが、戦闘系のスキルを

教えた。・・・少し顔が曇ったのを見逃さない。

俺は探しているスキルがあるのかを聞いたら・・・。


「そうだね、例えば回復系のスキルとかかな。やはり、そう言ったモノは

 病気やケガをした者達に有用だからね。ひどいけがや不治の病とか

 直してあげたいからね。」


そう言うと寂しく笑う。なるほど。王としてはそう言うものなんだろう。

確かに、この世界には病院ってものはないしなぁ。

しかし、俺はリャナさんの魔法については言わなかった。

死ぬ寸前の者を治癒できるレベルの魔法。

リャナさんは魔族だ。そう言った所も含め、話さなかった。


リャナさん曰く、魂が残っていた場合に限り、頭さえ残っていれば

回復できるそうだ。魂が離散した場合は、肉体が全て残っていても

回復は無理だそうだ。


そしてリスボアは用事が立て込んでいるとの事だったので

「また皇国に帰ってきたら話を聞かせてくれないか。特にスキルの。

 もう、王としての仕事が多くてね、君の話を聞くのが安らぎだよ」


そう言うと握手をして部屋を出て行った。

俺達も部屋を出て、リホハウスへと帰る。


しまった。国王殺しの事を聞くのを忘れた・・・。


★★★★皇国 王の執務室★★★★


「やはり簡単には閃かないモノなのか、スキルは。」


リスボアはため息交じりに文官に口を開く。


「やはりユキを自由にさせるのは間違いじゃないでしょうか。

 どう見ても、あのキョークと言うモノからすれば高レベルですし、

 もしかすると、ユキならば蘇生が使えるかもしれません。」


「キョークがいいんだよ。彼には仲間が多い。ユキさえも

 今回、仲間になってるしね。まぁ今度来た時にでも蘇生について

 こっちから言ってみるよ。」


「蘇生の事を話されるのですか!?」


「すべては話さないさ。人の道に外れているからね、僕のすることは」


「そんなことはございません。愛する者の為に行う事は立派な人の道で

 ございます」


「立派か・・・。愛する者をあんな状態にしている事は立派じゃないかもな」


★★★★リホハウス★★★★


「という会話が行われております」


リャナさんのヤミガラスをつかい盗聴している。

立派じゃねえな!俺!

しかし、愛する者を蘇生したいのか?奥さん?

あんな状態?どんな状態?


ユキさんと行動している事もバレてるのか。完全に行動を把握されているな。

リャナさんが出来るレベルの蘇生、回復なのだろうか。

魂が残っていれば出来るのだが・・・。


リャナさん曰く、魂の離散は20秒ほどらしい。王の話だと

その愛する者は結構前に死んでいるだろう。

ん?じゃあ、その人の魂さえあれば出来るという事か。

・・・死んだ魂は何処へ行くんだっけ。

例えばその魂を見つけ、切り離し、元の体へ戻せば生き返るのか?


よくわからん。


まぁいいや。どうせできないし。


そして俺達は2日間リホさんの料理を堪能し、

俺、ミツル、リャナさん、そしてユキさんの4人と

眷属を連れて魔王領へと向かう。

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