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サブキャラでReスタートの俺  作者: 加納 美香
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第56話 ユキさんと共に

それに、この髪の毛。サラサラだ。誰かが手入れをしてくれている。

ん?これはリホハウスにあるシャンプーと同じなのでは?

うーん。どうしてもリャナさんの影がチラチラと見える。


まぁ元に戻ったらリャナさんに聞いてみるか。

俺は鏡をみる。うん!いつ見ても会心のキャラメイク!

しかし、中身男でアバターが女性って・・・。まぁ、ネトゲの

女性キャラの8割は中身男だ。問題ない。


その時、扉をノックする音が聞こえ、扉が開く。

俺は無防備に振り向くと、そこには。・・・リリスが居た。

お互いの目が合った・・・。どうする俺!剣を取るか!?いや待て。

相手の動きを見てからで間に合う。俺はリリスを注視する。


リリスは・・・手に持っていた料理を落とした。もったいねえ!

そして、何故か涙を浮かべていた。・・・え?

て、敵じゃないのか?リリスは膝まずき、そして口を開く。


「こうして意識のある、ま・・・」


そして俺の意識はとんだ・・・。「ま?」

「ま」から始まる何を言おうとしたのだろうか・・・。


はう!


俺は起き上がると、宿屋のベッドに居た。


「ごめん・・なさ・・い。つい・・本気になって・・し・・まったの。」

傍にはユキさんが居て凄く謝っている。


リャナさんも隣にいたがユキさんを見る目が怖い・・・。

まぁまぁ、リャナさん落ち着いて。俺の今の力量を見るのに

ちょうどよかった。と、なだめる。


「あなた、相当・・・プレイしてい・・る人。もし・・くは、

 他に・・・キャラが居る・・・んじゃない?」


ユキさんは相変わらず喋り方が独特だ。


どうせバレるので俺は本当のことを言った。

ゲーム開始から一日も書かさずにログインしている事。

これはサブキャラでメインはリリスの塔に居る事。

そして、いつもPvPイベントの3回戦でユキさんと当たっている事。


「やっぱ・・り、貴方。会えて・・・よかった。」


うを!喜んでくれている!こっちの方が喜びたい!俺の事を

気に留めていてくれていた事に!

ユキさんの今までも聞きたいが、なんとなく遠慮した。

喋り方が独特なので時間がかかりそうだったからだ・・・。

俺はサンテミリオンに今度、ゆっくり聞かせて欲しいと言った。

勿論、サンテミリオンの口から!だって聞きとり辛いし!


それはそうと、俺はまた意識が飛んでメインの体に移った事を

りゃなさんとジヴァニアに伝えた。そこにリリスが居たことも。

そりゃあ、体があるのはリリスの塔だからリリスが居るのは当たり前

なのだが・・・。しかしどうみても敵意が無かった事も伝える。


「キョークの仲間なんじゃないの?」


そう言うとジヴァニアは笑ったが、リャナさんは明らかに動揺していた。

そうだ、リャナさんだ。考えてみれば、仲間になる所から今までが

出来すぎている。何かを望めば、すぐに解決してくれる。

そう、この武器もだ。明らかに出来すぎている。


「ところ・・で、名前は・・キョークでい・・いの?

 メイ・・ンの名前・・・の方が・・・いい?」


ユキさんがそう言ってきたので、俺はキョークでいいと言った。

体と名前は一緒じゃないといけないと思うからだ。

意識はメインと同じだが体は違う。そう言った所はゲームと一緒でありたい。


そういえば、と切り出し俺は青龍の事をユキさんに聞いたが。

ゲームの時は倒したが、この世界では会っていないと言われた。

俺は仙山に青龍が居なかったことを言うと、なぜ青龍の事を聞くのか

聞かれた。俺はロンを見ながら、今までの事を話した。


「なるほ・・ど。青龍が・・居れ・・ば『黄龍』に・・なる・・・かも

 しれない・・・と。」


ユキさんは顎に手をやり考える。そしてユキさんは

実装前でこう言う事になったので確定とは言えないが、今までの

運営のやり方を見ると、明らかに青龍は何かの役目を持っていなくなっている

と考えるのが普通、と言う。問題は何処にいるか。

多分、魔王領。と答える。


確かに、魔王領でのイベントは少なすぎる。実際に、魔王討伐イベント

だけだったからだ。魔王領は広い。そして数カ所、立ち入りが出来ない

場所もあった。


「噂・・では。黄龍実装・・後に、新し・・・いフィールドも・・出来・・

 ると言う噂・・・があった。あく・・までも噂」


うん、それは俺も攻略掲示板で見た。

俺にもっとフレンドが居ればなぁ・・・。と苦笑いをしながら言うと、

ユキさんも「私も」と言っちゃう。因みにフレ何人?と聞くと・・・。

衝撃的な答えが返ってきた。


「今は・・0人。5人いた・・・けど、8年・・・前か・・ら、

 ログインし・・・てい・・ない。」


どんだけボッチなんだよ!人には言えないけどもさ!

更にユキさんは少し寂しげに。


ゲームでは全く感じなかった想い。この世界に来て凄く感じる想い。

それは「寂しい気持ち」があると俯きながら言った。


あぁ、だからかもしれない。俺もかもしれない。

だから俺は向うの世界やゲームでやらなかった事。そう、人とかかわる事。

それを率先してやっているのかもしれない。


例えて言うならば、日本では一人で問題なく生きて行けると思っているが、

もしも、外国に一人で居るなら。もしも目の前に日本人が居たならば

多分、こちらから話しかけるだろう。そう言った気持ち。


俺はユキさんに提案をした。本当は俺のレベルが100になったら

行くつもりだったが、もしもユキさんさえよければ

俺の友達のダンジョン攻略を手伝ってくれないか?と。

場所は魔王領のヤマタノオロチの討伐を。


ユキさんは顔を上げ「行く!」となんか初めて普通に返事をしてくれた。

ならば決まりだ。明日にでも皇国に帰ると伝え、今日はここで

ゆっくりしようという事になった。


ユキさんが部屋を出たのを確認して俺はリャナさんに、

リリスはもしかして仲間なのか?と聞いた。リャナさんは黙ってうなずいた。

他にもニュクスが居るとも。


ニュクス!敵に回したくない魔族1位と2位がリャナさんの仲間!

マジでうれしかった!


「それを言ったら、嫌がれると思った・・・。」


リャナさんは少し涙ぐみながらそう言うと顔に手をやった。

いやいやいやいや!今までどれだけ!俺はリャナさんに助けられて

いるんだよ!リャナさんの仲間は俺の仲間と一緒だ!魔族とか関係ないさ!

という事は!マカーブルとかが敵なんだな!わかった!皆まで言うな!

メインの体を手に入れた時には!いや!今でもいいぞ!ユキさん居るし!

マカーブルとか!バルバトスとか!

ぎったぎたにしてやる!・・・と言っちゃう俺。


何故かリャナさんが目を大きく見開き、額に汗が流れていた!

ナニカ小声でつぶやいていたが旨く聞き取れなかった。

え?今何か言った?と聞くと。


「な、なんでもないです(マカーブル、バルバトス。ごめん・・・)。」


ならばよし!


そして俺達は茶華飯店で夕食を食べる。勿論ユキさんも誘った。

何気にジヴァニアとサンテミリオンは仲が良い。うーん。

俺から見ても、同類の気がする。いや、二人とも妖精なのだが、その

同類ではない・・・。


ロンはと言うと九尾の狐のキューちゃんと遊んでいる。それを雪丸は

満足そうに見ている。なんだろう、この雪丸の親的な態度。


「皇国の・・・リスボア・・は気を付けた・・・方がい・・・いよ。」


親子丼を食べながらユキさんはそう言う。勿論俺も思っていたと伝えると。

彼には何か得体のしれない・・・何かがあるとも、ユキさんは言った。


そういえばリホさん、料理が上手で多分、好きな料理を作ってくれると

言ったら「明日の朝5時に出発する」とユキさん。


そして俺達は翌朝!


5時に皇国へ向かって出発した。・・・眠い。


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