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サブキャラでReスタートの俺  作者: 加納 美香
51/108

第51話 だって俺、経験ないし。

「これ以上は乱暴なことをするなと皆に伝えてくれ!」


アルザスは数人の冒険者に伝えると、その指示に従って

全員が走り回る。


アルザスが言うのは、まずは民衆には職種に応じて代表を選出してもらう。

その他にも街をいくつかの区に分けてそこからも代表を選出してもらう。

極めつけは年齢でも選出するそうだ。

そして選出した者たちで『議会』と言うモノを作り皆の多数決で

様々な取り決めを行う。・・・そこまで考えていたのかよ。

コイツすげえな。よくよく聞いたら、あの主導者とは別に

暴動を起こす段取りだったらしい。なるほど。


俺は何かあったらリホさんを頼ってくれていいと言う。そして

初期の村、カネセ村の村長らしい・・・俺。と伝えた。


「そうだな、村もいくつかあるし、村の代表も議会に参加して

 貰うとしよう。それがいい!」


え?他にも村あるの?俺が知る限り、村って初期の村くらいなんだけど。

やはりこの世界はゲームの時とは情勢が違う。この大陸の事を

もっと知らなければ。あぁなるほど、だからユキさんは旅に出たのか。


俺達はアルザスと意気投合した。その夜は北の宿屋で飲み会をした。

アルザスは飲みながらも民主主義について色々と話してきた。

なので俺も知りうる限りの事を話した。


「キョークさんってすげえな!リホさんより詳しいんじゃね?」


アルザスは真顔になって驚きながらそう言う。ふっふっふ。俺は

そういった事が大好きでネットとかでもいろいろと調べていたんだよ!

俺は民主主義のほかにも社会主義や共産主義についても話した。

アルザスはメモを取りながら真面目に聞いていた。


「やばい、これ以上頭に詰め込むと爆発する」


そういいながら酒をごくごくと一気飲みしていた。

俺もリホさんも、そしてミツルも向こうの世界でそう言った国家体制は

知っているはずだ。だから、何かわからないことがあったら

皇国のリホさんの店に来ればいいと伝える。・・・伝える。

ふと思い浮かんだ。ミツルをこの国に住んでもらえばいいのでは?と。

そうしよう。ミツルには聞いていないが「面白そう」と言ってくれるはずだ。


それを聞いていたリャナさんがヤミガラスを飛ばすので聞いてみる。との事。

なんと1時間後、返事が来た。


「やるやる!おもしろそう!王国で飯屋開く!・・・だそうです」


俺はアルザスに「だそうです」と言う。

アンタはここに住まないのか?と聞かれたので俺は冒険をすると言った。

メインの体を取りに行くとはさすがに言い切れなかった。


アルザスのカリスマなのだろうか、暴動もこいつの一声で収まっていた。

俺はアルザスに聞く。レベルはいくつなんだ?と。


「レベル?あぁ、レベルは61だ。」


え!?結構強くないか?俺と10くらいしか変わんないし!

俺はアルザスに妖精使いじゃないよな?と聞くと、笑いながら

妖精を仲間にしたいが残念ながらいない、と言われた。


その夜、酒が入りすぎてそれ以降の話は曖昧にしか覚えていない。

俺は朝には仙山に行くと伝えたら、確か・・・。


「王国の仙山は荒れて登れるもんじゃないぜ?」


と言われたのは覚えている。仙山に言ったら必ず戻ってきてくれ。

と言われたのも覚えている。


そして翌朝。俺達は仙山へと向かう。白虎、玄武、朱雀ときて

次は青龍だ。もし、青龍に球を貰ってロンに食わせたら

『黄龍』になるのだろうか。俺は期待と興奮で何故かハイテンション。


王国の仙山に着く。そして俺とリャナさんは一つ目の扉を開ける。

そこは・・・荒れるどころか、何もいなかった。魔獣が居ない。

俺達はラッキー程度にしか思わなかったが20個目の扉まで魔獣は

いなかった。流石にこれはおかしいと思いながら

次へ、そして次へと扉を開ける。29個目の扉を開けても

何も居なかった。


そして30個目の扉を開ける。そこには・・・・。何も居なかった。

もしかしたら遅れてくるかもしれないと、俺達は待っていた。

待つこと一昼夜。


俺は確認する。奥の扉を。もしも奥の扉が開いたならばここは

クリアとなる。扉が開かなかったら何かのギミックの可能性がある。

それを調べなければならない。


・・・扉が開いた。

ここには・・・青龍は・・・居ない。

俺とリャナさんは転移陣から外へと出た。


俺はリャナさんに聞いてみた。リャナさんは魔族と言っても

こっちの世界の住人だ。なにか知っているかもしれないと。

しかし、リャナさんは首を横に振る。


俺達は一旦、王国の首都に戻るつもりだったが、先に村に

帰る事にした。王国が変わる事を伝えたかったからだ。


道中、野営を行う。俺達は食事をしながら何気ない話をしていた。

俺はふと思ったんだ。リャナさんは魔族だ。でもこうして一緒に

いる。結局、種族が何だろうが気が合うか会わないかになるんだろうな。

付き合いって。それを考えれば、俺が出会ったモノたちは総じて

いい奴らばっかりだ。・・・いい奴と言うのは俺が『気が合う』と

思っているからなんだろう。


向うの世界では俺はほぼ、一人ぼっちだった。そう、気が合わなかった。

何故なんだろう。この違いは。


俺はなぜ向こうの世界で心を閉ざしていたのだろう。・・・ん?

心を閉ざしていた?なんで俺はそう思ったのだろう。

向うとこちらで違う点は『俺から』がある。


あぁ、そうか。挨拶と同じだ。俺からする事で相手も返してくれている。

俺は向うの世界で・・・したことが無かった。しなくなったんだ。

向こうで俺から挨拶しても返す人は少なかった。

だから俺はしなくなった。こっちの世界は皆がしてくれている。


なんなんだ、この違いは。・・・よくわからん。


「あ、あのぉ。約束の事なんですが・・・。」


リャナさんが、ナニカ申し訳なさそうに俺に行ってくる。

あああ・・・。言った、俺言った。なんでも一つって。


「今日は、隣で、一緒に・・・。寝てもいいでしょうか」


はい!?ええ!?いやいや!俺男子ですよ!?

リャナさんを見ると、顔が真っ赤になっていた・・・。

ま、まあ?約束ですから?言う事を聞くって。俺は勿論頷く。


落ち着け俺。俺はこう見えても、何回もエッチな動画を見ている。


リャナさんが俺の横で、俺の手を握り、寝る。

俺は鼻息が荒くなる。落ち着け、俺!

こここ、こういう時は最初どうするんだ!?

俺は悶々と星を眺めている!綺麗な星空だ!・・・・ちがーう!

俺は思い切ってリャナさんを見る!たぶん!俺を見つめているはずだと!

そしたら、リャナさんは幸せそうな顔で寝ていた。

俺の手を握り、少し微笑みながら・・・寝ていた。


落ち着け、俺。


い、いいじゃないか!可愛い寝顔だ!うん!可愛い!

ってか!リャナンシーになってるし!


気が付くと、ジヴァニアは雪丸の上で。ロンは雪丸の腹の中で。

気持ちよさそうに寝ている。勿論、雪丸も気持ちよさそうに寝ている。

リャナさんは俺の手を握り、気持ちよさそうに寝ている。


なんか俺も気持ちよく寝れそうだ。・・・多分。

いじゃないか!それで!


しかし・・・。誰が夜の見張りをするんだ・・・。俺か。俺だよな。


そして俺は一睡もできずに朝を迎える。

仕方ないじゃないか!俺、経験ないし!


俺達が村に着くと、宿屋の前に人だかり。

ってか、来ると、いつも宿屋の前に人だかり。

俺はどうかしたのかと聞くと。


「おお!村長!まぁ食ってみろ!旨いぞ!」


日用雑貨屋の親父に言われ渡されたモノ、それはぁ!ラーメン!

俺は匂いを嗅ぐ、こ、これは!


俺は食う!旨い!とにかく旨い!これは!そう!豚骨だ!

ネギっぽいモノが多めに入っていて旨い!


「どうよ?私が考えたのよ?」


そこには威張っている女将が居た・・・。

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