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サブキャラでReスタートの俺  作者: 加納 美香
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第44話 かつ丼

茶華飯店でマキナたちとちょっとした宴会みたいなものをした。

長もファブもダンも楽しそうに飲んでいる。

俺達は皇国へ戻りここや鬼人の里で仕入れたものを

リホの所に持って帰るのだ。

長は醤油もみりんも味噌も持たせてくれた。ありがたい。

長はリャナさんに「今後ともよしなに」と酌をしている。


俺には無いんかい。


そして俺達は翌朝、皇国へ向けて出発した。

道中、魔獣と遭遇したが雪丸やリャナさんの連携も板についてきて

難なく撃破。更にアンデット系も出てきたがジヴァニアの魔法なのか

スキルなのかわからんが広域神聖魔法で一発討伐が出来た。

そしてなんと!ジヴァニアは耐えた!以前はぶっ倒れるほどの

消耗だったのだが。「よ、余裕よ」と言いながら

雪丸に座った。成長してるんだな、と思うと微笑ましかった。


そう言えばロンも戦闘に参加した。雷系だと思うがその魔法が敵に当たると

敵がスタンなのか麻痺なのか動けなくなる。攻撃系ではないと思っていたら

なんと永続ダメージが発生している感じだった。


そのスキルの名前を見たら『ビリビリ』となっていた。おい。

ゲームでは麻痺はあった。5秒ほど敵の動きが止まる。しかし

永続ダメージはついていなかった。黄龍の実装と共に考えられていた

魔法なのかもしれない。・・・ふむ。


あいもかわらず俺の体を這っている。しかし、悪い気はしない。


幾度かの夜営、そして戦闘を繰り返しながら俺達はゆっくりと皇国へ

向かっている。レベルも上げたいし、珍しい植物も採取する。

そう言えば入道からドロップした謎の箱。

未だに使い道がわからないままだ。植物と一緒にリホさんの妖精、

ミネルヴァに鑑定してもらおう。


この辺りの魔獣は今の俺には弱くレベルも1しか上がらなかった。

それでも

レベル73 HP744 SP172 MP156

攻撃力100

防御50

素早さ60

賢さ50

耐性39

運50

となっていた。これにジヴァニアの加護ステータス2倍がある。十分だ。


そして俺達は皇国へ入り久しぶりのリホハウスへ帰ってきた。

はいったら誰も居なかったので食堂の方へ行ってみる。


「お、戻ってきたか!」


おい、ミツル、なんでエプロンを着て厨房にいるんだよ。


「いやあ、米持ってきた時に作ってもらった飯が旨くてさ。

 弟子入りしちゃったよ」


ところでリホさんはと聞くと地下で仕込みをしているそうだ。

ミツルが呼びに行ってる間に俺は肉やら何やらを取り出す。


「おかえり!」と元気のいい挨拶。久しぶりのリホさん。

机の上の肉を見て目をランランに輝かせている。

ワギューとクロブーの肉と言ったら笑ってくれた。

早速俺はかつ丼を所望した!そして、手際よく4人分を作ってくれた。


俺達は机に座り貪り食った!まじうめええええ!

リホさんもミツルも目をウルウルしながら食べている。

この肉を仕入れて正解だった。・・・そして食い終わる。至福。


「ところでリャナさんって魔族だったんだな」


いきなりミツルが切り出した。

俺が説明をしようとした時にリャナさんが先に

「騙していてごめんなさい。」そういうと俯き無言になる。


「いいんじゃないの?ほら、この世界って色々な種族もいるし。

 それに今まですごく助けてくれてたし。というか、私、そうなんじゃ

 無いかなぁって思ってたの」


リホさんはどんぶりを片付けながらそう言った。


「そうだな、実際俺は魔族を目の敵にしているのは王国の人族

 だけだったのも知っているしな。この皇国に来て、いろいろと調べたが

 魔族が敵と言うのは全く聞かなかった。ま、仲良くやろうぜ」

ミツルもリホさんと片付けをしながら言った。そして付け加えて、


「俺は外見や思想が違うからと言って排他的には成りたくねぇ。

 まぁだけど、今の姿のままの方が現状はいいだろうな。」


そうなんだ。そうなんだよ。この世界に来たからと言って『敵』を

作らなくてもいいんだよ。

そしてリャナさんは思った以上にすんなりと受け入れられた。

本当にこいつらはいい奴だ!


あ、そういえば。と、俺はドロップした箱を取り出して

ミネルヴァに鑑定してもらおうとしたらなんと。


「お?お前も持っているのか。それ便利だろ?」


そう言ったのはミツル。ってかリホさんもウンウンと言っている。

え?知らないのは俺だけ?

どうやらアイテムストレージに入れるとサブストレージとなるらしい。

まじかよ!・・・あれ?そう言えばあったよ!メインの俺も持ってるよ。

えー。敵からのドロップだったっけ。配布だった様な気がする。

まぁでもいいじゃないか!


「ところで開店はいつ?」と聞いたらすでに開店しているらしい・・・。

俺が客がいない事を心配すると、そんな事はないと笑われた。

今日は定休日らしい。

あれ?でも看板もなんもないぞ?営業中とかの札も。

それを言ったら、口コミだけなの。と答えられた。


常連客も少しは居るらしい。

最初は冒険者ギルドでお店を始めたと伝え手土産にサンドイッチを

作って受付に渡したそうだ。それからと言うもの、受付の人とかが

食べに来てくれたり、そこからすそ野が広がって・・・だそうだ。


その時だった。扉が開き


「あれ?今日は休みだったの?あら、残念。」


少し幼さは残るがハッキリとした喋り方。歳的には18歳前後だろうか。

後ろには従者が立ってる。その女性は俺達を警戒しているみたいな立ち方。


「あぁごめんなさい、今日は仕込みとかで休みなんですよ。あ、でも

 簡単なモノなら作れますよ?お口に合うかわからないけどかつ丼なら

 すぐに出せますよ?私達のお昼に作ってたのですが。どうぞどうぞ」


その女性は「それは申し訳ないです。」と言いながら席に着く。

出されたかつ丼を左右から覗き込み匂いを嗅ぐその女性。

そしてフォークを使い一口パクリとする。


「なにこれ!旨い!炊いた米とも相性が良く、そしてこのトロトロした

 それでいて生でもない卵!この組み合わせはすごい!」


そういうとその女性はガツガツとドンブリを持って描きこんでいる。

いい食いっぷりじゃねえか!気に入った!


「ちょ・・ちょっと、こう・・・いやへレスお嬢様。

 そう言った食べ方は、少々お下品かと」


お付きの女性がそう言うと

「多分、この料理はこうして食べるのが一番うまいと思うの!

 ほら、お前もこうやって食べなさい!」

と言い返しながらもがつがつと食べるお嬢様。


そう言われたからなのか、お付きの女性もそうやって食べる。

その女性はカッと眼を開き、一瞬止まるがガツガツと食いだした。

そうだ!その調子だ!いいじゃないか!ふたりとも!


食べ終わると「今日もおいしかったわ、ありがとう」

そういいながら丁寧なあいさつを行い出て行った。


アレって常連さん?とリホさんに聞いたら

ここ5日ほど毎日来ているらしい。多分何処かの貴族様の

お嬢様だと思う。そして食べたらすぐに帰るらしい。

まぁ常連さんかな?と微笑むリホさん。


「あの付き人の女性は多分、冒険者か何かだろうな。もしかしたら

 この奥にデッカイ家があってな。所有者はわからないが

 どこかの偉い人の別荘って話なんだ。そこの人かもな。」


ミツルはそう言うとどんぶりを片付けている。

確かに俺も感じた。こっちに来てそう言ったモノが直感的に

わかるようになっていた。


俺とリャナさんは食材を倉庫入れたりとお手伝いをしていたら


「冷蔵庫が欲しいなぁ、まぁアイテムストレージに入れておくと

 腐らないからいいんだけど結構手間なのよね」



ほう、冷蔵庫か。・・・まかせろ、この俺に。


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