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サブキャラでReスタートの俺  作者: 加納 美香
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第41話 仙山

階段を上る。兎に角上る。頂上への道は整備されている。

・・・階段として。


すでに25の扉は制覇した。扉のボスは大したことはなかった。

まだ、キラー・ビッグ入道の方が強いかもしれない。レベルも上がった。


というか、階段はダメだ。動悸がしてきた。体が、足が、プルプルしている。

仙山の最大の敵は階段だ!


「今日はここまでにしたら?」


とジヴァニアが言ってきたので、俺も言ってやった。

ここはな!一気に頂上まで行かないと最初からやり直しなんだよ!

負けても、途中で降りても次は最初からなんだよ!

どれだけ時間浪費させるんだ!あの糞運営が!・・・今は違うか。

リャナさんが回復魔法を掛けてくれている。

やはり詠唱をしている。しかし、それで受けるヒールは凄い。

ただ怪我が治るとかそう言ったモノではない。活力が戻る。

ジヴァニアのヒールは怪我が治る。しかし、それだけだ。


多分、防御魔法とか攻撃魔法も威力が全く違うのだろう。


そして俺達は階段を上る。・・・上る。そして扉を開けて魔獣を倒す。

28個目の扉の扉ボスを倒した所でさらにレベルが上がった。

レベル72 HP740 SP170 MP154

攻撃力100

防御48

素早さ60

賢さ50

耐性36

運50

となっていた。これにジヴァニアの加護ステータス2倍がある。十分だ。

武器の効果でも攻撃力2倍。

武器もレジェンダリー二刀流

装備もヨシツネ装備一式


レベル100になったら『カーマのローブ』が着れる。

普通はレベル100以上の力量が無いとその洞窟はクリアできないが、

何故か俺は持っている・・・。

『カーマの腕輪』はレベル120の制限がある。うーん。それまでは

ヨシツネ装備で行くしかない。だって装備ドロップしないし!

今回も『運』を上げたが・・・。もう50で少し打ち止めとしておこう。


29個目の扉を開ける。そこにいたのはキラー・スピードカモシカ。

兎に角早い!恐ろしく早い。しかし攻撃力は大したことが無い。

というよりも、リャナさんの防御魔法が凄いのだろう。


が、しかし早いと言っても俺よりも遅い。・・・言い過ぎた。

俺とほぼ一緒位の速さだ。一発当たれば・・・。

俺の後ろからロックスピアが飛んできてカモシカは大きく避けた。

チャンス!リャナさんいい仕事!

俺は着地点に向けて怒涛を繰り出す。1発目は何もいないので

空振りしたが2発目の所にカモシカが着地して当たる。

そのまま8発目まで全てが当たる。そして煙となった。

あ・・・。何か落ちた。

レベル80から装備できる疾風のバンダナ。

いい装備だ。が装備セット効果を考えるとやはり100までは

この装備の方がいい。これはリホさんにあげよう。


そしてさらに600段ほどの階段を上がり最後の30個目の扉の

所まで来た。少し休憩。


そういえばリャナさんが仙山に来たかった理由は何だろう。

ここに誘ったのもリャナさんだ・・・。確か。いや、来たそうに

していただけだったか?


俺は足をマッサージしながら問いかける。仙山に来たかったの

ですか?と。すると、道中の植物採取をしたかったと言われた。

ここの植物は珍しく薬草にできるモノが多く錬金で使えるとの事。


やはり記憶は戻っているのか。いや、元から記憶はあったのだ。

少しハッとした顔のリャナさん。大丈夫。俺はすべてを知っている。

追手が現れても何とかしますよ。しかし、あのマカーブルや他の魔族。

ゲームではレベルが120位だったが、リャナさんが魔族で追われている

と言うのであればレベルはもっと高いだろう。

バルバトスはリャナさんを戦闘で押していた。ゲームでのバルバトスは

レベルが115位だったしな。リャナさんの本当のレベルが180位としたら

あいつらは190くらいあると見ていい。


もっとレベルを上げなければ。


俺はリャナさんの手を取って「さぁ、次が最後です。いきましょう」と

笑顔で言ったら・・・動揺していた。


そして扉を開ける。

そしてそこには・・・これはレベルが違うと思えるほどの魔獣。いや、

魔獣ではない神獣『白虎』がいた。・・・ゲームと違う!

白虎はゲーム内では敵ではなかった。イベントで登場して俺達の

仲間として戦った神獣。配布の眷属になると思いきやそれはなかった。

運営に対して大ブーイングが起きたものだ。懐かしい。


うを!いきなり襲い掛かってきた!

俺は転がりながら避けて剣を構える。あっぶねえ!早いし!

リャナさんが俺に防御魔法と攻撃向上の魔法を掛ける。

そしてリジュネ。すごい。3つの魔法を同時展開する。

もしかしたらこの3つの魔法はセットになっているのかもしれない。

後で聞いてみよう。


雪丸に速度向上を掛けると言ってくるので俺は時間稼ぎをする。

ふむ、通常攻撃ではダメージが少ししか通らない。

ジヴァニアの加護、武器の能力で相当な数値なんだが・・・。


雪丸に速度向上がかかる。いい感じで白虎の周りを動き回って

攻撃をしているが、雪丸の攻撃はほぼ白虎に通っていない。


リャナさんが魔方陣を地面に複数描いている。

うを!魔方陣なんて初めて見たぞ!あぁ、これはもしかして。


俺は雪丸に指示をして白虎を魔方陣が埋め込まれた方へ誘導しながら

戦う。白虎が魔方陣を踏んだとたんに地面から爆発が起こる。

土魔法の『地雷』だ。ほう、こうなるのか。上級魔法だ。


白虎が動きを止めた所で入道を倒したスキルをつなぎ合わせた連撃を

叩き込む。そして最後に精密連撃。しかし、それでも倒れない。

しかし、すでに動けていない。もう一度25連撃を繰り出そうとした時に


「まて、強きモノよ。おぬしの力しかと見届けた。我に戦う意思はすでに無い。

 貴様の勝ちだ。」


おお、白虎が喋った。

白虎は我の話を聞いてくれと言うと、勝手に話し出す。

内容はこうだ。


本来、この大陸の各仙山には白虎、朱雀、玄武、そして青龍が居たらしい。

しかしある日突然に消息が分からなくなったそうだ。どこに消えたか、

死んだか、生きているのか、全く分からないそうだ。思念がつながらない、と。

そして気が付くと白虎自体が消えかかっているらしい。

寿命なのかもしれないと白虎は笑いながら言った。


がしかし、心残りがあるらしい。白虎が守っていた卵が心配だと。

見ると妖精を連れ、そして仲間に・・・。

白虎は言いかけてリャナさんを見て少し微笑んだ。

これは面白いと思ったそうだ。ならば力量を試してこの男に

託してみようかと思ったそうだ。


そこまで言うと既に白虎の体が薄くなっていく。

白虎は笑いながら卵を俺に渡した。力を使いすぎたと言いながら。

もしも可能ならば、玄武、朱雀、青龍の消息を確認してほしい。そして、

卵から生まれしモノをどうか頼む、といいながら消えて言った。


俺は卵を抱えながら考える。

ゲームでは白虎、玄武、朱雀、青龍はイベントで共に戦った仲間だった。

眷属にはならずそのイベントだけの登場だった。イベントの中身は

どれも同じだった。俺は最初のイベントだけをして他はしていない。

何故ならばその時点時点でほしい眷属はいなかったし、イベント自体が

糞だったからだ。・・・だからなのか?俺がしなかったから。

俺が仲間にしたのは白虎だけだった。もしも俺が他のイベントもしていれば

白虎たちは思念でつながっていたのかもしれない。・・・そうだ、

他の仙山の場所は把握している。・・・行ってみるか。


俺は奥の部屋にある転移陣から山の麓に帰った。


俺達は食事をとって宿屋へ帰る。とりあえず俺は卵をずっと抱えて

温めている・・・。


するとどうだ!卵がプルプルと震えひびが入った!産まれる!

いきなりかよ!俺は卵を机の上に置いた。

そしてヒビが多くなり殻がぼろっと落ちる!そして現れた!と言うか!

何かが飛び出した!まっすぐ上に!


そして生まれたモノは!なんと!


黄色い・・・紐?なんか50センチくらいの紐の様な・・・。

あ、でも太い。なんかクルクルと八の字を描きながら飛んでいる。



ちょっと止まれ!動かないで止まれーい!そこの紐!

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