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サブキャラでReスタートの俺  作者: 加納 美香
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第39話 護衛依頼

鮮血が飛び散る。俺はそのまま魔法系の男の元に歩み寄る。

「お前はまだ頑張れるんだろ?」と剣を顔の前に突き立てる。


その男は腰を抜かした。

「なんで魔法が効かないんだ!お前は化け物か!」

いやいや、俺が化け物だったらミツルもユキさんも神様って言われちゃうぞ。


「あああ!お前の後ろにいる!それは妖精か!妖精なのか!」

その男はジヴァニアの存在に気づいた。


「ひいいいいいい!俺は降りる!皇国に亡命する!」

そう言うと貴族を残してどっかへ逃げだしていった。


貴族はと言うと俺が殺した男を見て、腰を抜かしていた。

ん?臭いな・・・。あぁ漏らしちゃったのか。

唇がプルプルと震えている。

俺は貴族に近づく。そして耳元で囁くように言う。


いいか?これ以上、この国で悪ふざけしてみろ。地の果てまで

追っかけて行ってやる。因みにな。お前んとこの近衛兵長を殺ったのは

・・・俺だ。


「も、もどりましょう!やはり皇国に亡命を!」

使用人らしき男が貴族を抱え場所に乗せる。

そして一目散に逃げて言った。・・・おーい、死体ももってけ。


俺は弱い者いじめをした。俺の方が絶対に強い状況で弱いモノと知って

いながらやってしまった。心が痛い。凄く嫌な気分だ。


「すまんかったな、キョークさん。私がもっとしっかりした態度なら

 こんなことにならなかったのに」


長のユンカーは俺に頭を下げて言った。いやいや、俺も勝手なことしちゃって

迷惑を掛けてしまったと謝罪をした。

それに、俺は・・・また、人を殺してしまった。


「え?彼なら生きていますよ?ほら」

と言いながら長は俺が首に剣を刺した男を指さす。


「ギリギリ間に合いました。本当に。まぁこんな男を助ける義理なんて

 ありませんでしたが。」


リャナさんはそう言うと男を蹴っ飛ばして活を入れていた。

何故か集まっていたエルフから拍手が起こった・・・。


俺達はタンポポ商会の横の飯屋「茶華」に入っていく。

長と食事をする為だ。


「これから、ああいったモノたちが多く来るのでしょうか」


長は茶を飲みながらポツリと言った。


「それはないんじゃないかな?お、このお茶上手いな」


なんでお前がここに居るんだよ!その声を発したのは俺が首に剣を

つきさし、リャナさんに活を入れられた男だった。


「いやいや!お前強いな!そんなチャラチャラしたもの着てるから

 弱っちいと思っちゃったよ」

そう言うと男は俺に右手を差し出した。

反射的に握ってしまった・・・。ん?何故それはないと言い切れるんだ?


「そりゃあ、あんな貴族はもういないと思うぞ?王国で暴動が

 起きちまって貴族のほとんどが殺されちまったからな。いままで

 やりたい放題だったしな、国中で嫌われてたし。あいつは辺境の

 土地の貴族で中央から遠かったんでここまで来れたんだよ。

 まぁでも俺達が居なかったら道中で死ぬんじゃないか?魔獣に

 襲われて。俺達もレベル50だがギリギリだったしな。

 あの魔法使い一人じゃ守り切れんだろう。」


なんか凄く喋っている。この男の名前はダンと言った。

ダンはこれからどうするのかと聞いたら生まれ育った村に帰ると言った。

そこで野菜でも作ってゆっくりと暮らすと言った。村?どこって聞いたら

初期の村だった。ふむ。俺はその村について語った。


「あんただったのか!いやぁ親父からの便りで聞いていたよ!

 村に救世主現れた!って喜んでいたぞ!」


おいおい、冒険者ギルドの依頼をしただけで救世主かよ。

あ、そうだ。俺は思いついた。


「ダン、お前さ。米作ってみない?」と提案してみた。米かぁ。

あれ、あんまり好きじゃないんだよな、ドロドロした感じの料理だろ?

と言われたので、今まさに出来上がってきた定食を食わせてやった。

勿論、炊いたご飯だ。


「なんじゃこれ!うめええええ!」


そうだろうそうだろう!

そして、一気に話が進んだ。俺の農場で研修しながら働き、そして

種もみを持って村に帰り、そこで田んぼを作ると言う流れになった。


「一緒に住むのですか?この男と」


リャナさんが眉間にしわを寄せて言ってきた。

ふむ。農場の中に寝泊まりできる小屋を作って住んでもらうか。

レベル50の冒険者なので野獣とかが出てきても退治してくれるだろう。

それでいいかと聞いたら、無論と答えだダン。


「それなら、ファブの田んぼにやってくる野獣も退治してくれないかと

長が言ってきた。取れた野獣の肉とかは自由にしてくれて構わないと

言われた。エルフはあまり肉は食わないそうだ。


小屋を作るのはエルフの人達も手伝うという事になる。

迷惑をかけた分、賃金はいらないとダンに言われたが、それじゃダメだ。

労働の対価はキチンと貰わないと!と俺が力説したので百歩譲って

月に銀貨二枚となった。平均の半分でいいのかと聞いたら

とった野獣を売るから問題ないとの事。


「ダン、一つ言っておく。その農場の管理者は長の娘さんだ。

 お前よりも年下だが大丈夫か?」


リャナさん、さすがいい所を質問してくれた。ダンは、問題ない。

主と思って頑張るよとの事。村の救世主の元で働けるんだ。

村で自慢できるぜ!と大笑いしながらも魚をパクパクと食べ、味噌汁を飲み。

ご飯をおかわりして、全部食べ切って「ごちそうさま」と手を合わせた。


食べ物に手お合わせられる人はいい人だと死んだじいちゃんは言っていた。


そして5日ほどで綺麗な小屋!?これコテージだろう!が出来た。

俺も建築を手伝った。お昼には「俺が考えた」『おにぎり』を全員で頬張る。

おにぎりの中には山菜を煮た物や味噌など具材を入れて楽しんだ。


「これは絶対に米の需要が高くなるぞ」

ファブはおにぎりを食べながら感嘆している。


その後、長が経営している食べ物屋は「茶華飯店」と名称を変えた。

リゾットではなく炊いた米、ご飯を中心に商いをしていく事になる。


その中でもおにぎり定食が爆発的な人気となった。

おにぎり2個と味噌汁。そして、お漬け物っぽいもの。

量は少なく感じるが値段も軽貨3枚とリーズナブルだったのも

人気の理由だった。・・・元は取れているのか心配になった。


「いいんだよ、利益なんて。この里はあまり産業が無い。

 他の里から比べたら貧しいんだ。米の農場をでっかくして

 ゆくゆくは豊かな里にしたいもんだ」


長は笑いながらそう言うと涙ぐみながら俺に「ありがとう」と言った。

は?俺何もしていないんだけども?ってか逆に問題起こしたし。


俺はそう言うと「君は面白いヤツだな、自分が何をもたらしたか

理解していないのか」と大笑いしていた。


俺は只、自分が炊いた米を食いたくてやっただけだし。

そしてコメは旨いモノなんだと言いたかっただけだ。

感謝される事なんてしていない。


「ところで相談なんだが。今から味噌と醤油を鬼人の里に

 持っていくのだが、護衛を頼まれてくれないか。

 向こうの里長に手紙をしたためよう。どうだ?」


鬼人の里!戦闘部族の里だ。確か畜産も盛んだったはずだ。

・・・説明文では。バッファロンと言う牛の様な生き物。

そして、牙と角がないイノシシの様な生き物。


これは!かつ丼と牛丼が!出来るかもしれない!

俺は二つ返事で長の手を握る。



初めての護衛の依頼だ。

俺のレベルは今や既に

レベル70 HP720 SP166 MP150

攻撃力95

防御48

素早さ60

賢さ50

耐性36

運45

となっていた。これにジヴァニアの加護ステータス2倍がある。十分だ。

武器の効果でも攻撃力2倍。

武器もレジェンダリー二刀流

装備もヨシツネ装備一式



十分だ。

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