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サブキャラでReスタートの俺  作者: 加納 美香
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第36話 バレてはいけない!

俺達が門の所に来るとやはり門番が居た・・・が。

何故かすんなり通れた。が、門番がとても緊張していた。

新人か?まぁ頑張れよ。


俺達が里の中に入ると、エルフたちがヒソヒソと何かを話している。

人族が珍しいのだろう。俺達はとりあえず店のよな所に入り

米について聞いてみた。


「そ、それならこの先の商会で扱っていますかと・・・。」


やはりか、人族は珍しくそして敬遠されているのかもしれない。

・・・ゲームの説明文で見たし。

俺達は礼を言うと折角なのでこの店で売っている木のコップの様なモノを

購入した。リホさんの店で使えるかもしれないと思い20個買った。

店員は凄く恐縮して「ありがとうございます」と何度も頭を下げた。

この人も新人さん?まぁ頑張って欲しい。


店を出て案内された商会へと到着する。なんて書いてあるんだ?看板は。

リャナさん曰く「タンポポ商会」と書いてあるらしい。

俺達は商会の中に入る。


「いらっしゃいま・・・・」とまで店員は言って「お待ちを!」と

言い奥へと消えた。「え!?マジか!うっそ!本当だったのか!」との

声がしたと思うと慌てて身なりがちょっといいエルフが出てきた。


「いらっしゃいませ。ご用件はどういったことでしょうか。私は

 この商会を経営しているユンカーと申します。里の長もしております。

 なにとぞ、なにとぞお見知りおきを」


と言うと、俺ではなくリャナさんに丁寧なあいさつをした。

やはりエルフも野生の感が働くのだろう。リャナさんが高レベルだと

いう事を察したんだろう。あれ?でもミツルも高レベルだよな?


「俺達は米を探しているんだ。ここで取り扱っていると聞いて」


俺がそう言うと長は何故か俺を上目使いで見て俺を品定めしている感じ。

そしてリャナさんを見て「コメをお探しという事で間違いないでしょうか」

と丁寧な口調で言った。くっそ、こう見えても俺がリーダーなんだが!?

リャナさんも少し不機嫌そうになっていた。ちょっと目つきが怖い。


その時に扉が開き「ただいまぁ」と声がする。振り向くと

そこには、先ほど助けたエルフの少女、マキナが立っていた。


「さ、先ほどは助けていただいて。あ、ありがとうございます」


そう言うと頭を下げていそいそと奥へと消えた。

「やはりあなた方でしたか。マキナを助けてくださったのは。

 お礼を申し上げます、リャナン・・いや、リャナさ・・・ん」


長は再度丁寧に頭を下げた。あれ?なんでリャナさんの名前を知っているんだ?

ふむ。やはりリャナさんはこの亜人の国で名の知れた人だったのかもしれない。

猫耳族と言い、このエルフ族と言いリャナさんに凄く丁寧だ。

これは高レベルってだけではないかもしれない。

この亜人の国にリャナさんの記憶の手がかりがあるかもしれない。

ってか、聞いてみるか、このエルフの長に。


「今、リャナさんの名前を言いましたがご存じだったのですか?

 リャナさんの事を。ソレにすごく丁寧な物腰だし。」


俺がそう言うと長は目を大きく見開きリャナさんを見る。

リャナさんは眉間にしわを寄せて長を見返している。ん?


俺は実はリャナさんは今までの記憶をなくしていると伝え、

記憶が戻る手掛かりがあればと思っている、と伝えると。


「そ、それはもう。この亜人の国では、というか、各種族の長で

 知らない者はいないほどの、高位・・・いやいや!高レベルの

 冒険者でして!まぁ噂でしたが!だれだれを助けたとかの!噂がっ!

 そ、そう!猫耳族の長から連絡がありまして!この里に向かっているとっ!」


長は凄く慌てている。なんか取り繕うとしているのが透けて見える。

まぁしかし、リャナさんが有名な冒険者だったのは間違いないだろう。

記憶を戻す手がかりが亜人の国にあるのは確実になったな!


「とりあえず、コメの話をしたいのだが?」


リャナさんは凄くイラついた感じで長に言っている。

まったくもう。リャナさん。コメを早く食べたくてしょうがないんだろうな。


「しかし、珍しいですな。コメを所望とは。希少ではありませんが

 この頃作る者が少なくなっていまして。あまり量が出回らないのです。

 もしよろしければ作っている者を案内いたしますが?直接お話を

 されてはいかがでしょう」


いやいや、それだったらこの商会の利益につながらない。

それはダメだ。俺達はキチンとこの商会で売買契約をしたいと申し出た。

長はとても困ったような感じで、なんだろうこれ。慌てているの?


「作っているエルフや場所を知っておくのもいいんじゃないか?」


お店の商品を色々と物色しながらミツルがそう言った。

なるほど、それもそうだ。買う俺達も安心できるし。

一度会って、作っている所も見てみたいと言うとお昼から長が案内を

するといった。商会も運営していると忙しいのだろう。

俺達はそれまで隣の建物で食事をしてそれまで待つこととした。

どうやら食事処も長が運営しているらしい。


出された料理は・・・ほぼ日本の精進料理の様なモノだった。

そしてあった。目の前に器に入っている白い粒粒、米が!

しかし、これはリゾットのようにしている。・・いいんだが。

リゾットもいいんだが!しかし!炊いた米が食いたい!

どうやらミツルも俺と同じ思いだった。

そうだ!その作っている所で米を炊いてみないか?と俺が提案。

ミツルも大賛成してくれた。


★★★★エルフの里 稲作農場★★★★

マキナ視点


「お!どうしたんだ?マキナちゃん。そんなに慌てて」


そう言うと髭を蓄えたエルフの老人がコップに飲み物を入れて

私に渡した。この人はここの農場の管理をしているファブ。

渡されたお茶を一気飲みして私はここにリャナンシー様が

いらっしゃることを伝えた。


「うっそ!なんでそんな高位の方が来られるのだ!ここに!?

 まじで!?」


驚くのも無理もない。幾度となく人族の手からエルフの里、いや

この国の全ての里を助けてくれた魔族の方だ。

私は父様から申し付かった事をゆっくりと確認しながら伝える。


今、リャナンシー様はリャナと言う名前でなんか弱そうな人間と

旅をしている。その弱そうな人間をとても大事にされている。

多分、育てて食べるか奴隷か何かにするのだろう。まぁ魔族が人間を

食べるとは聞いた事が無いけど。・・・話はそれた。

幻影魔法で魔族の体を人の体にしている。

私達には「もやっと実体が見える」と言うのは秘密にする事。

そして設定は記憶をなくした冒険者。

絶対に周りにリャナンシー様が魔族とバレないようにする事。

さもなくば、魔王領からの物資や何かあった場合の援軍は

なくなるという事。

結論、その弱そうな人間に魔族と絶対にばれてはいけない!


「あいつ!ユンカーめっ!こっちに投げやがったな!」


ととと、取りあえず伝えたからねっ!私は帰ろうとすると・・・

背中から肩口を掴まれた。


「お前も・・・ここに居ろ!」


いやいや、無理だって!私の様な小娘がリャナンシー様のお相手が

出来るわけないでしょうに!それも人間の冒険者になってるという事は

ため口よ!?百歩譲って敬語!?無理無理!


そんなこんなしていると・・・


「ここかぁ、マジで田んぼだ!懐かしい光景だな!」

「お前、田んぼとか見た事あるのかよ、ミツル。」

「そりゃあ俺のばあちゃんちは農家だからな。手伝いもしたぞ?」


あ、来ちゃった・・・。

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