第34話 再会
道中、リャナさんと二人での連携を試行錯誤する。
前衛としてのレオが居ない分、俺と雪丸が完全アタッカーとなる。
リャナさんは防御系の補助魔法中心に攻撃力上昇など
上手く、非常に上手く立ち回っている。
心なしかリャナさんの表情が明るい。やっぱりびしっと決まると
気持ちいもんなっ!そうこうしているうちに俺のレベルは既に!
レベル58 HP590 SP148 MP130
攻撃力80
防御43
素早さ50
賢さ40
耐性26
運35
となっていた。これにジヴァニアの加護ステータス2倍がある。十分だ。
武器の効果でも攻撃力2倍。いいじゃないか!
武器装備としては
魔剣 レーヴァテイン レジェンダリー・ウェポン
レベル制限なし 斬撃は攻撃力と賢さに依存する。攻撃力2倍。
秘剣 天狗 エピック・ウェポン
レベル制限なし 風の魔力を纏い所持者に風適性が無くとも
風の防御壁が常に展開できる特殊な剣。斬撃ダメージ減少(小)。
の二刀流。
防具は
頭・盗賊のバンダナ 素早さ2倍
体上・ヨシツネの衣 素早さと賢さ、防御力が1,1倍。炎耐性(小)。
斬撃を一定確率無効
腕・武士の籠手 防御1,1倍。斬撃ダメージ減少(小)
体下・武士の袴 防御+10
脚・ヨシツネの具足 素早さと防御力が1,2倍。
アクセサリーは
ノッカーのアミュレット クリティカルダメージを一定確率無効(小)。
バーのネックレス 攻撃力+5
となっている。うーん。レベルに対してステータスは大幅に高いのだが
いかんせん、この世界の武器や防具はレベル制限が多すぎるのが難点。
というよりも、ドロップが渋すぎる。武士の籠手と袴もやっとこさ出たくらいだ。
ゲームではポロポロ落ちていた気がする・・・。
って言うか!殆ど貰い物じゃねえか!武器は何かの間違いなんだけども。
多分あの時の魔族がバカだったんだろう。
こう見るとヨシツネ装備一式は是非とも手に入れたい。
確か亜人の国で手に入るはずだ。
狙うは「ヨシツネの鉢巻き」と「ヨシツネの袴」だっ!
あ、「ヨシツネの籠手」も欲しいリストに入れとく。忘れる所だった。
・・・あぶない。
リャナさんが欲しい理由を聞いてきたので「セット効果」と答えた。
「ヨシツネ装備一式」を揃えると攻撃力と素早さが単純に+30される。
それに斬撃を一定確率無効にできる。効果は(小)だが
体上の効果も乗っかるので結構無効にできる。
中級プレイヤー御用達の代物と言って過言ではない!それに
レベル制限がないので、現段階で今の俺の最高の防具と言って過言ではない。
ゲームではレベル90まで俺も使っていた。・・・と力説。
まぁその前に米を探さなくては。ギルマスは「エルフの里」と言っていたので
俺達はまずはそこへ向かっている。
エルフの里へは猫耳族の里から入って抜けるのが近道だ。
徐々に周りの景色が違ってきだしている。植物が・・・わかりやすく言うと
和風なのだ。そして魔獣も「妖怪」っぽい類が多い。
亜人の国は集合体である。国王なるモノはいない。
エルフ族、ドワーフ族、猫耳族、犬人族、そして鬼人族、吸血族。
各里には長がいて何かを決める時には話し合いで決める。
・・・という説明文をゲームで見た。
この夜営を最後に明日は猫耳族の里に入れるだろう。
リホさんが居ない事で食事の心配していたがリャナさんの料理が
何ともおいしかった!聞けばリホにお手軽にできる肉料理を教わったそうだ。
スパイシーでうまい。
食べ終わった後、皿などは俺が片付けると言ったがリャナさんは
俺に「ゆっくりしてて」という。が!そんなわけにはいかないと
半ば強引に俺は片付ける。リャナさんは何か動揺したようなので
「一緒にやろう」と声を掛けた。・・・なんか楽しい。
リャナさんも楽しそうにしている。・・・あれ?なんかいい感じ?
いやいやいや、うん!ダメだダメだ!
恋愛趣味レーション転生じゃないんだからっ!
まぁでも・・・・うん。ちょっとはいいかな。
そして朝になり俺達は猫耳族の里まで後少しの所まで来た。
ゲームでは里には簡単に入れたが・・・この世界もそうだとは限らない。
実際、人の街に入るのにも通行税がかかった。
さて・・・。何を要求されるのか。
因みに亜人の国は争いが無い。
ゲームでのイベントでもそうだった。ほぼ全ては「人間が里に攻め込んできた」
「魔獣が里を襲っている」などなど。まぁあとは採取系。
俺は思う。人間は、人族は嫌われているんだろうなぁぁ!と。
運営の思い入れだろうか。どちらかと言うと人間が悪者という世界観だ。
実際、俺はその世界観は結構好きだし、人間ほど自己中心な種族はいないと
思っている。それは・・・向こうの世界も一緒だ。
門がある。そこに立っている者が怪訝そうな顔で俺達を見ている。
俺は門番の所へ行って里に入りたいと言った。
目的はこの先にあるエルフの里で商品を買い付けに来たと言った。
俺の話を聞き、悩んでいる。ふとリャナさんを見た。
見たとたんに驚きの顔をした。そして、ここで少し待ってくれと言い、
奥へと消えた。一時して・・・ここの長だろうか。兵士の様なモノたちを
数名連れてやってきた。
「ど、どのようなご用件で?」と俺ではなくリャナさんに聞いた。
「目的はエルフの里で商品の買い付けよ?その為にここを通るの」
リャナさんはさっき言った俺の言葉をそのままなぞった。
「そ、そうですか。わかりました。では里にお入りください」
長らしき人は丁寧にそう言うと俺達を中に入れてくれた。
リャナさんが長とすれ違う時に何かを呟いていた。
そのつぶやきに反応するように兵士たちは慌てて走っていった。
やっぱわかるんだろうなぁ、リャナさんの強さが。レベル高いって事。
野生の感なのだろうか。レベルが高いって事はいいことなんだなぁと
しみじみ思った。
行きかう人が俺達を見ている。人族は珍しいのだろうか。
中には俺達に会釈をする人もいたが、そう言った人は何故か
兵士から注意を受けていた。なんで?
折角なので一泊しようかと俺はリャナさんに言ってみた。
美味しい食事とかもあるかもね、と言ったりもしてみた。
リャナさんは二つ返事でとってもすごい笑顔。
歩いていると宿屋発見。俺達はそこに入ると女将に挨拶をする。
「ひぃ!」
女将が俺達を見て驚いていた・・・。と同時に扉が開いて
里の長が入ってきた。思いっきり息を切らしている。
二人で何やらヒソヒソと話をしている。すっごく気になる。
「お、お二階の角部屋を準備いたします。人族の使用人は馬小屋ね」
なんでそんなに緊張してるの?リャナさんが強いから?野生の感?
大丈夫!リャナさんは優しいから!ってか!俺は馬小屋なのか?使用人!?
「勘違いしてほしくないわね。この人が私の仲間であり、そして
リーダーって事よ?わかるわよね?」
リャナさんは眉間にしわを寄せて言っちゃった。
「も!申し訳ございません!
そ、そういえばリャナン・・・リャナさんとやら。実は困ったことが
起きてまして。お時間があればご同行願えないでしょうか?」
なぜか里の長が謝っていた。小声で女将に後でちょっと来い。と言ってるのが
聞こえてしまった・・・。
食事までに多少時間あるので俺は同行することにした。
行った先は石造りの建物だった。松明を片手に階段を降りる。
地下?なにか秘宝的なもの?ワクワクする。
そして行った先には・・・。
「お!?キョークじゃねえか。何してるんだ?こんな所で」
・・・ミツルが居た。・・・牢屋に入っていた。と言うか!
何してるんだよ!俺が言いたいよ!