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サブキャラでReスタートの俺  作者: 加納 美香
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第29話 魔王

動揺している俺が居る。

辺りを再度見まわす・・・。ここがリリスの塔のヒールスポットなのか?

いやいや、これじゃあもう寝室ではないか。

豪華な部屋。

ふと見ると机の上に食事があった。俺は椅子に座り頭装備らしき物を取ってみる。

普通に脱ぐことが出来てそれを机に置いた。やはり『暁のヘルム・改3』だった。


とてもおいしそうだったので食ってみる。何かをしていないと

パニックになりそうだったからだ。

あ、うまい。エスニックな感じ。俺は一気に平らげた。・・・ふう。

さて、どうしたものか。・・・と思っていたら突然目の前が暗くなる。

あ、やばい。これは意識が飛びそうだ・・・。いや、飛ぶ。

おれはその場に崩れ落ちた。


俺は目を開けるとボロッちいベッドに寝ていた。


「大丈夫!?キョークさん!わかる!?私、リホよ!」


大きな声で言わないでもわかりますよ、リホさん。

その横には泣きながら俺を見ているリャナさん。

いやいや、泣かないで。俺をここまで運んでくれたのはリャナさんよね?

本当にありがとう。俺はお礼を言うが泣き止んでくれない。

本当に大丈夫だから。


「私のせいで・・・どんな罰でも」


リャナさんは何度も何度もそう言って泣いている。

いやいや、俺がボォッとしていたのがいけないんだから。

リャナさんは悪くないよ、逆に命の恩人だ。罰ってなによ!?

そこまで言ってやっと泣き止んでくれた。


どれくらい意識が無かったか聞いたら20分ほどだったらしい。

この部屋に連れ帰って横になって5分ほどで目が覚めたらしい。

あ、そういえば俺、夢見ちゃったよ。と、なんか重い空気を払う感じで

少しお茶らけた感じで言った。

なんか、メインの体になっちゃってさ。すごい部屋にいたのよ!

なんだろう、あれかな。装備もさ、暁シリーズで固めてて。武器は

見なかったなぁ。


「それどんな装備!?かっこいいの!?」


リホさんが食いついてきたので説明してあげた。

「うへぇええ」と驚きの声を上げて私にはそんな鬼畜仕様は無理と

笑いながら言っていた。よかった、少し和んだ。


「ねぇ、それって本当に夢かな」


その和んだ空気を壊すかのようにジヴァニアが言う。

もしかしたら意識が飛んだ関係で一瞬だけ魂がメインに行ったのかも、との事。

睡眠と意識不明の違いは確か・・・。

眠っている時でも脳は働いているが意識が飛ぶと脳の働きは止まる。

つまり、脳や意識を魂に置き換えると。・・・ありえなくはない。

最初に言ったジヴァニアの言葉を思い出す。「IDが一緒」の一言。


俺は魂は一つでも肉体を二つ持っていると認識が出来なくもない。

こっちの肉体から向うへ、意識が飛んだおかげで向こうに行ったのか?魂が。

ならば、気絶・・・いや、死んでしまった場合メインに行けるのではないか?

いやいやいやいや、死とは魂の消滅を意味すると仮定。


気絶してしまえば行ける可能性が高い。しかし、偶然という事もあり得る。

ジヴァニアも「転写」を使わずに魂の移動は聞いた事が無いと言った。

そもそもだ、「転写」とはなんだ?ジヴァニアに聞くと

古の魔法儀式による魂の移動。滅びてはならないモノ、

そういったモノたちが肉体を渡り、死と言うモノを克服できる術。


ジヴァニアってそんな魔法儀式が出来るんだ、すごいな。と褒めたら


「出来るわけないじゃない知ってるだけよ。まぁそのうち

 できるようになってやるわ!」


なんか威張っている。がっ!出来ないんじゃないか!出来るんじゃないのかよ!

あの時、さも出来る感じで言ったじゃねえか!嘘か!?嘘なのか!

妖精は嘘つきなのか!


「私は『やってみれば』って言っただけで私が出来るとは

 言ってないわよ!この低レベルの糞野郎が!」


あ!言ってはいけないこと言いやがった!この羽虫が!

その一言にジヴァニアさんが反応し俺に蹴りを入れてきた。


「まぁまぁ、転写の事は置いておいて、無事で何よりだったんだから。

 ご飯にしましょう。ジヴァニアの為にフルーツサラダ作ったわよ。」


リホさんの一言でジヴァニアさんは超ご機嫌になった・・・。

リホさんの食事はどちらかと言ったら和風な感じでおふくろの味的。

ホッとする味付けと言うのだろうか。

俺は夢の中で食事したことを話した。エスニックな感じで旨かったと。

リホさんもエスニックな感じが食べたいとの事だったので今度、

香辛料とか探してみようかと言うと、すごい反応速度で「是非」

と言ってきた。・・・はい。頑張ります。


どうやら香辛料の種類が少なく味付けに苦労しているらしい。

味噌っぽいモノや醤油っぽいのはあったので、まだましと言っているが。

レパートリーが限られるので少し面白くないとの事。

わかりましたとも!探しましょう!胡椒やらそんな奴を!


「ねえねえ、リホ。味噌って何?醤油って?」


うを!ミネルヴァが喋った!無口キャラのミネルヴァが!

その一言にリホは味噌と醬油をなめさせたところ・・・。

「ひゃ!」と声を上げ何かがミネルヴァの頭に電球がともったらしい。


ミネルヴァはフルーツサラダの中の黄色いモノを触る。

「あ、これはパインね。なんだろう、触ったらわかる!」

触ったモノや食べたモノが感覚的にどういったモノかわかるらしい。

因みに味噌はどんな感じでわかるの?と聞いたら


「豆が腐ったやつ。塩も入っている。甘い。醤油はそれからにじみ出る汁。

 パインは果物でちょっと酸味がある果物」


リホさんが衝撃を受けているのがよくわかる。

あ!これは凄いぞ!リホさん!ミネルヴァのこの能力は

「鑑定」かもしれない!閃いたんだ!

そういえばジヴァニアも広域浄化魔法を閃いているんだった。

ミネルヴァの「鑑定」は能力なのでSPは必要としない。良いモノだ。

どこかの妖精のように1回使ったらおしまいじゃないしな!

あーごめんごめん。ヒールは4回も使えたんだね!・・・と言うまなざしを

俺はジヴァニアに送った。


ジヴァニアから何かが飛んできた!黒い何かが!もしかしたら

魔法を閃いたのか!・・・と思ったらスイカの種だった。くそがっ!


リャナさんは辺りを警戒して来ると言い小屋を出て行った。

高レベルな彼女にしては俺が倒れたのが悔しかったのだろう。

彼女は補助系魔法士だ。ならばなおさらだろう。サポート不備と

思っているのかもしれない。責任感が強い人なのだろうな。



★★★★魔王領 リリスの塔★★★★

~マカーブル視点~


「マカーブル!マカーブルはいる!?緊急事案です!

 誰でもいいので魔王様の部屋へ!早く!」


我はリリスの慌てた感じに緊張が走った。そして魔王様の部屋へと入る。

そこにはベッドから出られ、床に倒れている魔王様が居た。

なにをしている!はやくベッドへ!ええええい!我が抱える!

我は魔王様を抱え、ベッドへと寝かせた。

・・・腕が、熱い。魔王様に触れると腕が爛れてしまう。

まるで溶岩を抱えているようだ。まぁ爛れるだけで済んでいるのは

我が熱や炎に耐性があるからだろう。


以前、リリスが魔王様の体に障った時は腕がまるっと溶けてしまったからな。

まぁニュクスとリャナンシーの神聖系魔法で回復はしたが。

多分、あの鎧のせいだろう。・・・なんだと!?

ヘルムを外してらっしゃるではないか!気が動転して気が付かなかった!

よくご尊顔を拝見してみると、

何とも綺麗なお顔なのだろう。あぁ美しい。まさに魔性の美しさ。

髪も長く艶やかだ。あぁ!匂いを嗅ぎたいほどの艶やかさ!絶対いい匂いだ!


・・・・。あれ?



魔王様って・・・女型だったのか!?



え?

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