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サブキャラでReスタートの俺  作者: 加納 美香
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第26話 シャンプーの後、廃村へ

さて、机の上にはニワトリが居る。

シャンプーに使うのだ。白いから間違いないだろう。

ってことはだ、羽根を使うのだろう。俺は羽根をむしろうとするが

暴れてうまく羽根を取れない。

それを見ていたリホさんが何をしているのかと聞いてきたので

羽根をシャンプーに使おうと思って、と言ったら。

そんな話聞いた事が無いと言われた。ちなみに、何度も言わせないで。

とも言われた。


★★★★魔王領 リリスの塔★★★★

リリス視点


リャナンシーから送られてきた石鹸を逆錬金した結果。

どうやら油と灰が使われているようだ。脂は獣の油だった。

通りで獣臭がしたのか・・・。

獣の油で髪を?うーん、少し嫌だったので魔王領に自生している

オリーブの油を使う事にした。オリーブを逆錬金したので

時間もかからず水と油になった。

灰・・・・は少しでいいかな。気分的に。

後は白さとヌルヌルかぁ。

えーい、まだ開始段階だ。失敗してもいいかな。

白さは小麦粉で、ヌルヌルは木の血(樹液)で。

ニュクスがお肌に良いと言うので薬草も入れた。

そして浄化の魔法が封印された極小の魔石。


そして錬金。


そしたらなんと!それっぽいのが出来たではないか!

私の部下を使って試すことにした。ネコマタという女形の魔族だ。

そしたらどうだ!なんか毛並みがツヤツヤになっているではないかっ!

しかし、泡が出ないわね。

ついでに私の髪の毛も洗ってみる。・・・なにこれすごい!

泡出なくてもいいんじゃないの!?


取りあえず試作品をリャナンシーに送る事にした。


★★★★皇国郊外 リホ・ハウス★★★★


俺はニワトリの羽根を煮詰めている。水分がなくなる頃には

ドロドロになってシャンプーっぽくなっているだろう。間違いない。

という事をしているとリャナさんがビンを持って入ってきた。


「裏の雑木林に色々と生えていたのでそれを使って。

 それに少し思い出した事があって。もしかしたら私は以前、

 こういったモノを作る事をしていたかもしれません。」


俺は材料を聞いたら、オリーブの油、甘露蜜(木の血)、小麦粉

少量の灰、薬草。手持ちにあった浄化の魔法が付与された魔石を

錬金したもの。らしい。

聞いた事がある!オリーブオイルシャンプー!それに

甘露蜜ってはちみつのようなもの?はちみつシャンプーも聞いた事がある!

小麦粉はよくわからん。

ほうほう!なんかそれっぽい感じだ!俺は雪丸を呼び

体を洗ってあげる事にした。・・・雪丸は嫌がった。なので

俺が試すことにした。リホさんに今の状態の髪を触ってもらう。

何か汚いものを触る様につままれた。そして俺は風呂場へ!

うーん。泡は出ないな。がしかし!いいじゃないかこれ!

俺は自分の髪がサラサラしっとり、軽くなったのを感じた。

リホさんに洗い上がりを確認してもらうと!


「何これすごい!」といいながら自分も洗ってみると言い

風呂場へ行った。一時して戻ってきて

いいわ!これ!を連発していた。


「すごいわ!リャナさん!天才よ!量産よ!量産!」


リホさんはもうリャナさんをべた褒めしていた。

俺も実はそんな感じで作ろうと思っていたのだが。

仕方がないので鍋に入っていたニワトリの羽根をこっそり捨てた。

もしかしたらリャナさんは錬金中心のプレイヤーだったのかもしれない。

いわゆる、生産職系だ。向こうの世界でも科学者か何かだったのだろう。

俺の本能がそう言っている。


リホさん曰く、体もこれでいいらしく。コンデショナーも要らないくらいの

質らしい。薬草と、浄化の魔法石の効果なのか、マジデ髪の毛が軽い。

リホさんはついでに体も洗ったらしく、程よい保湿と毛穴の中の汚れも

落ちている感じがするとさらにご満悦。いいじゃないか!

俺もリャナさんに感謝を伝え、今度何かプレゼントをすると言ったら。

なぜか顔を赤らめていた。なんで?


こんなことばっかりしていたら、まじでスローライフ系になってしまうので

俺達は冒険者ギルドへ向かった。

リャナさんに甘えて俺達はCランクの依頼を行う。

お金にも経験値にもなりそうな依頼を4~5枚。期限に余裕のある奴中心。

採取系の依頼は暗記をする。採取系は今はしない。


依頼の中に初めてのアンデッド系があった。場所もレベルも指定されている。

東の森の廃村 教会跡 推奨冒険者レベル50以上

キラー・スケルトン ドロップ品 下あごの骨×5

報酬は金貨1枚


内容からしたら破格だ。この内容であれば通常取り合いになるだろう。

しかし、残っていた。

この依頼を受ける時に受付嬢から「本当にお願いします!」と

懇願された・・・。嫌な予感しかしないが、まぁこっちのレベルを考えれば

問題ないだろう。


俺達は夕暮れ時を待ち、廃村へと向かった。

道中にキラー・ビッグエスカルゴの討伐も行う。

ビッグと言っても俺と同じくらいの大きさだ。なんだか小さく感じる。

だめだ、この世界に居ると感覚がおかしくなる。

コツさえつかめば倒し方は簡単だ。最初に遠距離の物理攻撃を行い

殻の中に隠れたら土魔法で蓋をして後は炎系で攻撃するだけだ。

ゲームでは弓矢の次に土魔法、その次に炎魔法の流れで攻撃しないと

硬くて凄く時間がかかったのだ。因みにこのやり方は攻略掲示板で知った。

ある意味、この魔獣でレベル上げを行うのが理想だった。

なので俺の最初に選んだ魔法スキルは炎と土。

経験値うまし!


難なくドロップ品も手に入れ、というかもう少しこの敵を倒していたいが

今日の目的は廃村なので、今度にしよう。

そして俺達は目的地である廃村へと入った。


「凄く薄気味悪いわね」


なんかゾクゾクしたのだろうか、リホさんがか細い声で言った。

既に日が暮れていたのでリャナさんが『トーチ』の補助魔法で辺りを

照らしてくれている。

少し歩くと墓地が出てきて、そして崩れた教会が視界に入ってきた。

なんだ?教会の中から灯火が見える。


その時に雪丸とレオが喉を鳴らす。ヤバい!スケルトンに囲まれそうだ!

一番手薄な方向のスケルトンにリホさんが斬りこみ、俺も後に続く。

うん!俺のレベルでも行ける!流石ジヴァニアの加護だ!


「きゃあああああ」


ジヴァニアの悲鳴が聞こえた。やばい!ジヴァニアが囲まれている。

俺はジヴァニアを助けようと走ろうとしたその時・・・。


ジヴァニアの体が黄色?いや、白金色に輝く。ジヴァニアは何かを、

何かの名称を唱えるとジヴァニアの輝きが勢いよく広がっていく。

半径15メートルほどまで広がると、そこに居たスケルトン全部が

煙となり消えた・・・・。

そういえばジヴァニアの魔法は神聖系というのを思い出した瞬間。

あいつ!やりやがった!出来る子とは思っていた!

と思っていたら、ジヴァニアが空中から落ちていく。

雪丸が飛び出して背中で受け止めた。いい働き!


ジヴァニアは目を回して気絶していた。どうやらスキルポイント全部使ったのだろう。

前もスキルポイントを消費した時疲れ切っていたしな・・・・。


多分あの光は神聖魔法の『ピュリフィエ・ルミナス』だ。

名前が変に長かったので逆に覚えていた。チャットではみんな『ピナス』

って言っていた。


ぼとぼとと落ちた『下あごの骨』を拾う。なんと8個もあった!

そりゃそうだ、多分、30匹はいた気がした・・・。


多分、ジヴァニアに浄化してほしくて寄っていったのだろうな・・・。


「あれほどの広域神聖魔法を見るのは初めてだ」


俺達はその声に振り向く。既にレオとリャナさんは臨戦態勢だった。


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