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サブキャラでReスタートの俺  作者: 加納 美香
23/108

第23話 皇国へ

九尾の狐。

ゲームではイベントのボスとして登場していた。

・・・あれ?ってことは、敵なんじゃないのか?

なるほど、魔族側の生き物であるならば、グルルが助けるのも

納得だ。うーん。しかし記憶が曖昧だ。

どんなイベントだったかなぁ。俺がそれほど記憶にないって事は

ドロップアイテムも内容も俺好みではなかったのかもしれん。



「では、頼みますよ?貴方にとって、私は貴方を助けた恩人です。

 そのことをお忘れなく。」


そう言うとグルルは飛んで行った。約束をたがえたらどうなるか。

そう言った意味で言ったのだろう。相手が魔族であろうと人族であろうと

俺は助けられたのであれば、それに対して恩義に報いよう。


俺達は滝へ向かった。


雪丸が何かに反応して喉を鳴らしていた。その目線の先に

九尾の狐がいた。体長は50センチほどの・・・子供の狐。


「本当に怪我してるじゃない!」


ジヴァニアが慌てながら近づいて行く。ちょっと待って!

攻撃されるかも!と思ったけども、最初、狐は威嚇をしたが

ジヴァニアのヒールを受け付けた。

・・・4回目のヒールで傷は癒えたがジヴァニアはぶっ倒れた。

ほお!4回も使えるようになったか!偉いぞ!


助けた九尾の狐は鳴き声と共にどっかへ行ってしまった。

一度振り返り、こっちを見たがすぐに駆け出して行った。

凄い跳躍力!ほぼ垂直の滝横の岩場を駆け上がっていった・・・。

あれ?ここは俺達の仲間になって共に行動するって流れじゃないの?

それでいて、すごいスキルで俺達を助けるんじゃないのか?

ま、まぁいいか。コレで約束は守ったのだ。・・・のだ!


俺は足元に転がっているジヴァニアを掴み雪丸の背に乗せた。

俺達は一旦、小屋へと戻った。


★★★★魔王領 リリスの塔★★★★

マカーブル視点


さて、皆よ、状況報告会だ。

先にグルルよ、起こった事を話すのだ。


「わかった、俺は西の皇国の偵察の帰りにリャナンシーから

 緊急応援依頼を受け、キョーク様の元へ参じた。

 それはもう神々しいほどの御姿だったぞ!」


そうだろうそうだろう。


「ミツルなる人族がキョーク様と対峙しておった。俺は

 キョーク様に悟られないように、リャナの正体がバレないように

 とっても気を回した!完ぺきな演技だったと自負している!

 その場でミツルなる弱小なモノを消し炭にしてもよかったのだが

 キョーク様と同様の妖精を肩に乗せておってな・・・。

 もしかしたら将来、キョーク様の部下となるやもしれんと思い

 金を渡して亜人の国へおっぱらったよ。それにキョーク様に

 装備を渡しておったしなっ!」


それはどうかと思うぞ!?最大の敵となったらどうすると言うのだ!

それこそ西の皇国に現れた『化け物』は妖精を供にしていたんだぞ!

しかし、キョーク様に防具を渡したのか。うーむ。借りとしておくか。


「ミツルのレベルはリャナンシーよりも低かった気がしたし、

 俺よりも低かったぞ!多分10くらいも。しかしあれだな!

 キョーク様はマジで低レベルだったんだな!もう愛おしいほどに!

 俺はついつい愛情あふれる視線を送ってしまったぞ!はっはっは!

 俺の視線にキョーク様もまんざらでもない様子だった!」


我を含め、会議に出席している全員がグルルに羨望のまなざしを送る。


「ちょうど近くに傷ついた九尾の狐が居たのでちょっと利用した。

 だってほら、無償で助けたら変に思われるしな。しかし、本当に

 あの国は亡ぶんだな。九尾の狐は滅びの象徴だしなぁ。俺はもしかしたら

 キョーク様になつくんじゃないかと心配になって見ていたが

 いらぬ心配だった」


それはそうだ!キョーク様になつくはずないだろう!

九尾の狐がなつくのは『滅び』だ。キョーク様が『滅びの使者』な

わけがないだろうに!

しかし何故、怪我をしていたんだ?その狐は。というか何故

グルルは助けたんだ?


「いやいや、だって俺達も楽になるじゃないか。あの王国に

 現れたんだぞ?こっちが手を出さなくても滅んでくれるんだ。

 じゃあ生かしていた方がいいじゃないか。狐は子供だった。

 魔獣にでも襲われたんじゃないのか?」


なるほどな、一理ある。さて、問題はあの国の追手がさらに

キョーク様に及ぶのではないかと言う問題だが。


「それは心配いらないんじゃないか?ミツルなるモノを

 退治したと報告をさせればいいだけの事。というか、あの国は

 それどころではなくなるだろうからな。相当に西の皇王は

 ブチ切れていたしな。」


なるほど、人族と言うモノはどうしてこうも同種族で争うのだろうか。

もう生命体として欠陥があるとしか言いようが無いな。

・・・まさか、その『化け物』が王国に向かったのか?


「あぁ、そうだ」


西の皇国の皇王は人族の中でもまだまともな方だ。

あの王国のようにむやみやたらに魔王領に対してちょっかいを

出してこない。こちらが手を出さない限りな。

まぁ人族同士の戦いだ。我らには関係が無いだろう。


我々は今後もキョーク様が安全に順風満帆にここまで

来られる為に道を整備するのだ!よいか!みなのものっ!


★★★★洞窟横の小屋★★★★


うーん。さてこれからどうしたものか。

とりあえず外には雪丸とレオを置いている。またミツルの様な

追手が来たら厄介だからな。

俺達は3人で話し合った。とりあえず、この国にいるのは

危険という事で一致した。ミツルが居なくなったことで

さらに追手を出してくるかもしれない。街には手配書も

出るかもしれない。ならばいっそこのまま魔王領に・・・。いやだめだ。

俺のレベルが足らない。魔王領の魔獣は強い。俺なんて

瞬殺されるだろう。ならば亜人の国へ俺達も向かうか?いや、だめだ。

亜人の国はレベル80前後でなければキツイ。しかし、この

パーティなら行けるか・・・。判断に迷ったが俺達は

ゲームの流れ通りに西の皇国に行くこととした。


そこでレベル上げを行う。出来ればレベル80までにはしたい。

その後、亜人の国へ向かい、装備を整え俺のレベルが100となった時に

魔王領へと向かう。


俺達は一時の休憩の後、すぐに西の皇国へ向かう事にした。

道中は特に問題もなく魔獣を倒していく。

俺達は1週間かけて西の皇国、首都まで後少しのところまで来た。

俺のレベルは既に40となっていた。

レベル40 HP430 SP102 MP93

攻撃力60

防御16

素早さ38

賢さ30

耐性15

運25

これにジヴァニアの加護ステータス2倍がある。十分だ。

武器の効果でも攻撃力2倍。いいじゃないか!


そして一番の出来事は雪丸のレベルが上がったのだ。

能力に乗用が追加されたのだ!これでリャナさんに

乗せてもらわなくて済む!


その事をリャナさんに伝えたら何故か表情を曇らせた。

うーん。よくわからん。


そして俺達は皇国の首都へと入った。


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