第21話 戦闘開始?
俺達は洞窟の近くの小屋についた。本当に小さな小屋だ。
それでも体を休めることが出来るのはありがたい。
道中に魔獣を倒し俺はレベルが上がっていた。
ステータスは素早さを中心に上げる。
レベル35 HP380 SP94 MP82
攻撃力50
防御6
素早さ28
賢さ20
耐性10
運20
これにジヴァニアの加護がある。十分だ。
そして2本のレジェンダリークラスの片手剣の攻撃力。
ヨシツネの具足のおかげでさらに素早さも上がる。
いいじゃないか!
基礎ステータスは約レベル70程度のはずだ。
これに武器装備のおかげで多分、レベル85前後の
能力が俺にはあるだろう。
リホさんもレベルが上がったようだ。
レベル88となったそうだ・・・。うらやましい。
やはり素早さと防御に振ったそうだ。
ミネルヴァの加護でさらに防御と賢さが3倍だ。
傷つけるのは至難の業なんじゃないか?硬さで言うと
もうパラディンだな。・・・・ん?
そういえば・・・。俺はステータスを見る。
やはり無い。職業の項目がないのだ。あるにはある。
『冒険者』だ。俺もリホさんも。
確かに、戦士とかは職業じゃなく『状態』だからなのか。
という事はスキル扱いなのか?しかし、スキル項目にもなかった。
俺は落ち着いたらどこかの村人をパーティに入れて確認しようと
思った。リホさんは辺りを少し見てくると言い小屋を出る。
俺は雪丸にも同行するように言った。
そして俺はリャナさんと二人きりとなる。
俺はリャナさんの指にある『ザックームの指輪』を見る。
その指輪の効果は補助系魔法、いわゆる自身にかかるデバフ無効化。
まぁ自分のレベルより上のモノの魔法には威力が大幅に下がる。
それでもいいモノだ。
俺は「いいモノを持ってますね」と言うと
リャナさんは頬を赤らめ、何故か、胸を腕で隠すような仕草をした。
いやいや、そっちじゃないから。
ん?なぜリャナさんは自分のレベルがわかったのだ?ステータスを見れるのか?
俺はその事を聞くと、「え?」と驚き、普通は見れないのですか?と
聞いてきた。俺はリホさんの事もいい、俺のコントローラーの事も言った。
「いや、普通にこうやって左手をじぃぃいっと見つめると
浮かび上がってきますが」
え?俺はそう言われると、実践する。ジィィィと見つめる。
するとどうだ!レベルと名前が浮かび上がった!しかし、情報はそれだけだった。
それでも有益な情報だ。
他にも装備に目をやる。
このローブはヒーラーにおいて一番実用的な『ラクシュミのローブ』
レベル制限を思い出せない。俺はヒーラーじゃなかったからな。
凄く高レベルだったのは間違いない。・・・レベル132程度が
着れたモノではなかったはずだ。うーん。記憶があいまいだ。
俺はさらにじっとリャナさんを見る。
他の装備もすごい。俺は気づいた。PvP仕様だ!
この人はPvPメインの人だったのかもしれない。
俺は他にもリャナさんを嘗め回すように全身を見る!
・・・リャナさんが顔を両手で抑えていた!
すまぬ!エロ目線じゃないから!ごめんなさい!
そうこうしているとリホさんが返ってくる。
辺りは特におかしい所はなかったそうだ。とりあえず、小屋の前に
レオと雪丸を待機させていると言った。良い判断。
俺はリホさんにさっき聞いたレベルの見方を教えてあげた。
どうやらリホさんもレベルと名前が浮かび上がった。
すっごく喜んでくれた・・・。
更に凝視をしている。・・・。するとどうだ!
何かを閃いてステータスも見れるようになったそうだ!まじか!
・・・コントローラー不要論。
しかし、結構凝視する必要があるらしく、目頭を押さえている。
・・・コントローラー復権。
その時にレオと雪丸が吠える。威嚇ではなく緊急信号だ。
俺達は小屋の外に出る。
肩に妖精を乗せた男が立っていた。
・・・プレイヤーだ。俺を含め3人目だ。リャナさんが
プレイヤーならば4人目だ。
「素直に渡しとけばいいのに。渡しとけば
城で悠々自適な生活ができたかもしれなかったのにな」
そういうとその男は背中にあった両手剣を抜き、地面に突き刺した。
うーん。話せばわかる!って状態じゃないかもしれないな。
戦闘になるか・・・も?俺は男の装備群を確認する。
PvPの基本は相手の情報を丸裸にする事が重要だ。
武器は両手剣ジョワユーズ レベル制限は150だったはず。
紺色のローブはレジェンダリーの『ムカデのローブ』
凄くマイナーだが、毒麻痺無効化がある。防御もそこそこだ。
レベル制限は130
俺は指を見る。両手剣に置いているのですぐに見れた。
『ザックームの指輪』と『麒麟の指輪』・・・か。
麒麟の指輪は攻撃力向上効果がある。俺もお世話になった。
うーん。リャナさんと同じザックームの指輪か。
足装備は・・・「ニケの具足」速度向上か・・・。
レベル制限は120
しかし、指輪『魔王の涙』はしていない。という事は
あの魔王イベントはクリアしていないと見る。
アノ指輪はチートだ。持っていれば絶対に装備する代物だ。
であるならば、装備から最低でも150以上か。
イベント未クリアという事は180以下だ。
俺がクリアした時のパーティメンバーが言っていた。
レベル180で突貫したら無理だったと。
俺が193でメンバーになった時もきつかったくらいだ。
コイツのレベルは最大でも170未満と確定する。装備が最大でも
150で止まっているからだ。レベル170であれば
武器ギュランダルを装備するはずだ。180まで長く使える
超優秀な両手剣だ。
うーん。勝てる気がしない。
「まじか!」その男が驚愕した。
「おいおい、そっちの姉さん、レベルいくつなんだよ。
俺の魔法を無効化しやがった。って事は姉さんは俺よりも
高レベルってことかよ、ヤレヤレだな。」
リャナさん、あんた一体レベルいくつなんだよ。俺には
132と言ったはずだが。どうやらその男は一番強そうな
リャナさんにデバフを掛けたのだろう。
今はリャナさんのレベルは後回しだ。良い誤算と思いたい。
俺は聞く、あんた何者だと。
「俺か?俺はミツル。まぁ多分?お前と同じ転移者だ。
城では勇者って言われているがな。しかし、ステータスには
載ってないので勇者ではないんだろう」そう言うと笑う。
勇者。ゲームでは伝承に出てきただけでそう言った職業の
実装はなかった。
「さて、選択としてだが、俺にその妖精を渡すか、それとも
おれから逃げ切るかだ。どっちがいい?」
そりゃ、後者だよ。と言うと「そりゃそうだ」と言われた。
「ん?お前がパーティリーダーか?」と言われたので
そうだと答えると・・・。
「ふーん。レベル35か。なんだその、レベルに見合わない武器は。
あと具足。体装備は大したことないな。不正レベルだな、それ」
そう言うと笑った。
「そっちの猫耳姉ちゃんは88か。やはりいい武器持ってるじゃないか。
うーん。なんかレベルと装備がアンバランスな奴らだな。
ちょっと不気味」
リホさんが短剣を構え俺の前に出る。
「じゃあ妖精は渡さないってことでオッケイ?」
そう言うとミツルは両手剣を構えた。