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サブキャラでReスタートの俺  作者: 加納 美香
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第20話 ミツルと言う男

待って!まってリャナさん!俺は大丈夫だからっ!

おれはそんな感じでリャナさんに両手を広げ落ち着かせる。


「お前とつながりがあってもいいではないか。

 吾輩がめでてやろうと言うのじゃ。何の不満がある!

 食事もきちんとやるのじゃ。さぁ渡すのじゃ」


だめだ、この王様は。一方的すぎる。その時、


「それはちょっとおかしいと思います!王様だからと言って!」


リホさんは立ち上がり、少し・・・いや、結構怒ってらっしゃる。

うーむ。どうしたものか。その時だった。リホさんの近くの近衛兵が

リホさんの腕をつかみひねり上げてしまった。


「い、痛い!はなして!」


マジで待って!と言うかいい加減俺もイライラしてきた。

俺は魔族の話を聞きたいと言われ来たことを伝えられここに来た。

妖精は関係のない事だ。そう言うと


「そう言わないと来ないであろうがっ!」


なに!?逆切れですか!?

というかいい加減、リホさんの腕を話せよ!と言おうとしたら・・・。


「あーもう。離せよ、いい加減」


あー。リホさんキレた。リホさんは『キマイラの短剣』を

抜く。いかん!だめだ!その短剣では脅しにならない!

その短剣の効果は!・・・すでに遅かった。近衛兵の腕が宙を舞う。

おびただしい血しぶきが飛び散る。

続けて短剣は近衛兵の喉元を突き刺す。

『キマイラの短剣』の効果

一撃目でクリティカルが発生すると追撃が発生する。

リホさんが驚くと思いきや、短剣を抜き近衛兵を蹴っ飛ばした。

おいおい。


「あっはっは!リホ!あなたやるわね!気に入ったわ!」


リャナさんも臨戦態勢となった。もちろんこの部屋にいる

近衛兵も臨戦態勢だ。・・・これは収拾がつかなくなるぞ!というか、

どう見ても俺達は捕らえられてしまう流れだ。


「こいつらをひっ捕らえろ!妖精には手出しをするなよ!吾輩が

 籠にいれて愛でるのじゃからな!」


籠!?愛でる!小鳥じゃねえんだよ!あーもう、いいや。

バックレよう。牢獄と逃亡の選択。

明らかに後者を選択だ。簡単に捕まればジヴァニアは捕らえられ

リホさんは最悪処刑だ。

俺は剣を抜く。「さっきはどうも!」俺の肩口を叩いた近衛兵をに

横なぎで攻撃を加え、続けてもう片手の剣で追撃をする。

寸分たがわず一撃目の傷を綺麗になぞった2撃目。

そしたら、あらまぁ閃いちゃった。『横なぎ二閃』


「ああ!すばらしい!キョーク様!すばらしいです!」


なんかリャナさんがめっちゃ興奮している。ん?・・・様?

まぁいいや、俺はリホさんにアイコンタクトで逃げる合図をする。

リャナさんにも逃げる事を指示する。しかし、扉の所には

俺達が逃げ出さない様の7名ほど構えている。


凄い音が聞こえ振り向くとリャナさんが窓をたたき割っていた。

「さあ!二人共!ここから逃げるわよ!」その声に振り向く。

おいおい!ここって4~5階だったはずだがっ!?

「大丈夫!」との事だったので

眼がぶっ飛んでニヤニヤしているリホさんの腕をつかむ。

うぉ!攻撃してきた!あぶねえ!俺だ!俺だって!逃げるぞ!リホさん!

リホさんはハッとした顔をして「ごごご、ごめんなさい」と言いながら

俺と一緒に窓に向かう。よかった、スイッチがオフになった。


俺達はリャナさんを先頭に窓から飛び降りる。

うをおおおおお!落ちる!バンジージャンプの紐なしだ!

「エアリアルクッション!」リャナさんがそう唱えると俺達の

落下速度が凄く緩くなる。地面に普通に立てるほどに。


速攻で逃げる!リホさんはレオに乗る。リャナさんは

ヤミガラスを影から呼び出し・・・。ん?影が足元から伸びてない?

体から離れて影がある・・・。

呼び出されたヤミガラスの体が大きくなりソレに乗った。

「さあ!キョークさ・・・・んも早く乗るのです!2人は乗れます!」

おお!タンデム乗用なのか!いいなこれ!


俺達は一番近い北門から王都を離れた。



★★★★王城 謁見の間★★★★

「えーーい!役立たず共が!取り逃がしたではないか!

 このまま逃したらお前ら全員死罪だっ!ヤツを呼べ!

 ミツルを呼べ!」


ミツルと呼ばれた男が謁見の間に入る。

「うほほ、血だらけじゃねえか。という事は逃がしたのか。

 で、おれが追えばいいんだな?」


「おお!まさにミツルは勇者じゃな!よろしくたのむぞ!


勇者と呼ばれた男の肩に男型の妖精が座っている。

「いいのか?ミツル。お前の探していたプレイヤーじゃないのか?」

その妖精の問いにミツルは微笑む。

「どっちにしろ、見つけたんだ。仲間かもしれんし、敵かもしれないがな」

そう小声で妖精と話した後に

「じゃ行ってくる」といい部屋を出た。


「ふん、流れ者が。いい気になりおって。まぁいい。

 得体のしれないモノには得体のしれないモノだ。勇者と言っとけば

 調子にのっていろいろとしてくれるじゃろう」

そう、王センティア4世は言うと部屋を出て行った。


冒険者ミツル。背中には両手剣。

紺色のコートを身に着けている。

男型の妖精が仲間に居る。妖精の名前はファルツ。

転移した時にこの城の牢屋に居た。

コントローラーを持っていたのである程度の事を理解した。

牢屋の鉄格子を両手剣でばらばらにし牢屋を出る。

そのまま階段を上がる。すれ違う兵たちに愛想よく手を上げ

素通りしてしまう。

自分がどれくらい強いか知りたかったので近衛兵の訓練所へ行き

道場破りならぬ訓練所やぶりをする。

60名を連続で倒している所を、ここの宰相の目に留まる。

転移したことは伏せ、武を極めるために旅をしている事にした。

そして「食客、用心棒、勇者」として現在に至る。

勇者と呼ばれているがミツルのステータスには勇者の文字はない。

1週間ほど王都周辺で魔獣も相手をし自分が強いことを実感する。


「モスマン!」ミツルは眷属を呼び出す。モスマンの能力は追跡。

その能力から逃れる事の出来る者はいない。


★★★★王都周辺 北部★★★★

ここまでくれば十分だろう。俺達は小休憩をする。

リホさんがめっちゃ謝っている。リホさんはたまにスイッチが

入り、ついついキレる性格を嘆いていた。どうやら向こうの世界でも

そうだったらしく、それが原因で仕事を辞めたらしい。


別段俺は気にしていないが。俺は『キマイラの短剣』の特性の説明をする。

リャナさんにも礼を言った。リャナさんが居なければあの場から

逃げる事は出来なかったかもしれない。

リャナさんは目を潤ませ、頬を赤らめていた。・・・風邪か?


俺達はこの先にある小さな村を目指すことになった。その村は

魔王領に一番近い街までの道中にあるヒールスポットの様な所だ。


しかし、一考する。明らかに追ってくるだろう。

なんだろう、この急展開。俺は考える。イベントか?いや、

イベントはなかったな。俺達が村に入れば、村の人達を

巻き込むかもしれないな・・・。


いやしかし、さすがに自国の民は攻撃したりはしないだろう。

みつかったら逃げるか・・・。


俺はこの時にプレイヤーが俺達を追いかけてきている事を知らなかった。

それもすごい速さで。


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