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サブキャラでReスタートの俺  作者: 加納 美香
106/108

第106話 ステラの転機①

スーパーロボットもいいが俺はリアルロボットが好きだ!

どうよ!


「まぁ3日貰えれば形だけは出来ます。しかし・・・。

 本当にこんな感じでいいんですか?魔王様にモノ申すようで

 アレなんですが、私はもっとこうずっしりがっしり・・・と。」


なるほど!よくわかった!クドラクはスーパーロボット系だ!

いいぞいいぞ!クドラク!語り合おうじゃぁああないか!


「いいか?クドラク、そもそも俺が提案したこれはな・・・」

そう俺が切り出し約2時間。

俺が知りうる限りのロボットの話を、もう物語だ。語ってやった。


「すばらしい!まさに夢、そして可能性!そして心から湧き上がる

 熱いナニカ!」


そうだろうそうだろう、クドラクよ。お前を軍師から俺お抱えの

技工士に任命する!


「そろそろ行きましょう。・・・きも。」

同行しているリャナさんが眉間にしわを寄せている。足元に転がっている

埴輪をつま先でツンツンしている。


見送るクドラクに手を振り亜人の国へ向かう。

行き場所はドワーフの里。もしも、ニュクスが皇国へ行くのならば

行く道の一番近くの里。というよりも里をかすめてしまう。

その為の予防線として可能な限りの防衛の策を講じる。その想いで来た。


「これは魔王様、こんな何もない場所によくぞ。」

里の長が丁寧なあいさつをするがおれは今はキョークなので

堅苦しい挨拶はいいよと言うが・・・。


「なるほど。あの方は何を考えているかわかりかねる時が

 多かったですからね。たまにふらっとやってきて、それでいて

 何かを探しているようで、それでもお茶らけていたり。」


ん?何かを探している?


「いえ、モノではなくて武器錬金が出来るドワーフを探しておりまして。」


で、その人いたの?と聞いたら・・・。

「いえいえ、いませんよ。もう前に死んでおりますから。

 ご案内しましょうか?その方が居た場所、家はまだありますので。」


ほうほう、伝説の武器職人か。観光と思えばいいか、というか行きたい。

着いた先は普通の家だった。ん?そりゃそうだ、ドアが開かないのは

鍵が掛けられているからか。普通の鍵ではない、これは魔法?


「誰にも開けられませんよ?あのニュクス様でも開けられなかったのですから。

 そういえば、幾度か皇国の化け物でしたか。あのものがここを

 尋ねております。」


そういえば以前、エルフの里で聞いたな。ユキさんがドワーフの里へ

言ったとかそんな話。


とりあえず、長には戦に巻き込まれる可能性がある事を告げ

可能な限りの防衛はすると伝える。


他にも吸血族へと向かい、幾人かをドワーフの里へと送る様に

里長に伝えると

「では500ほど行かせましょう」

多いのか少ないのかはわからんがいいと思う!

そしていつものように各種スパイス、ブドウを貰う。

その代わりに醤油と味噌を渡す。エルフの里産だ。もちろん米も。


「いやぁ、もう料理に全員が目覚めましてね。明日への活力って奴ですね。」

そして次の鬼人の里へと向かう。

今日は鬼人の里で一泊する予定だ。


鬼人の里ではクロブーとワギューの肉と米を交換する。

「そういえば猫耳族がきて魚を持ってきてたよ、キョーク様。

 今日はそれで一杯やろうぜ。」


そうこうしながら俺は全部の里を回った。おっと、今から行くところが最後。

最後はエルフの里だ。

「あぁ、なんか落ち着くな。」俺は出されたお茶を飲む。


「ねぇ、戦になるの?やだなぁ」

マキナもお茶を飲むながら俺に聞いてくる。

あれ?どこでその情報を?


「いやね、たまに来る真面なよ?人族がちょっと多めに取引

 していくのよ。ほら、戦の前って備蓄って言うの?それするじゃん」


あれ?人族の?ニュクスじゃなくて?じゃあニュクスが人族を襲うって

皇国は情報を得ているの?すげえな。

「とりあえずこの里は何をすればいいんでしょうか?」

長も俺の隣に来てそう聞いてきたので


「とりあえずは静観かなぁ。勿論、ニュクスは俺の部下だから

 俺が何とかしないといけないんだけども。」

ぁそうだな。俺の部下なんだ。俺が何とかするのが当たり前だ。

相手が人族だからまぁいいか、では済まされないんだ。

俺は長の一言で気合い、いや、俺のやらなければならない事が実感となった。


ダン達が働いている所に遊びに行っておにぎりなどを作って皆と

ワイワイと楽しむ。やっぱここが一番癒される。


「今晩までに塔に帰るよ、リャナさん」


★★★★皇国 ★★★★

ミツル視点


「な、なんかすっごく活気があるんですけど。というよりも

 祭りでもあるのかって。」

そうだな、リホの言う通り凄く街の人達が明るい。


「あら!皇太女様!おめでとうございます!」

「おお!おめでとうございます!」


ステラに気づいた街の人達が俺達を囲み歓声が上がった。

「え?なになに?あぁツクヨミが息を吹き返したからかな。」

ステラはとりあえず、ありがとうと言って回っている。


「本当に皇女様が健康になってよかったです」


誰かが言ったその一言にステラが衝撃を受ける。

ステラはどれくらいだろうか、立ち尽くした後、速足で城へと

向かう。


城門を守っている兵士達も明るくにこやかにステラに声をかける。

その懸けられたステラの顔は凄く複雑だった。

あれ?母ちゃんが復活だろ?なんでそんな複雑な顔なんだよ。


俺達はステラを先頭にズカズカと速足で通路を通り、とある部屋に入る。


「おいおい、家出娘が何用だ?お金がなくなったのか?」

皇王のリスボアが笑いながらステラに言う。

コイツ、俺達が来るって知ってたな。まぁ知ってるよな。


「まぁ座りなさい。是非紹介したい人が居てね。お茶も用意しよう」

俺達はリスボアに言われるまま座る。ステラは、あ。

貧乏ゆすりはやめような・・・。


入ってきたのは、超イケメン。髪長いし。どうやらリホはすぐに

そいつがツクヨミと判った・・・らしい。


「ごきげんよう、姉上。おかげさまで無事こうやってお話しすることが

 出来ました。ある程度の話は父上から聞いていますよ。」


ツクヨミはステラに対して少し微笑みながら話す・・・が。

「姉上、なんかこの世界では相当に父上を困らせているようですね。

 あまり関心は出来ませんね。」


「ツクヨミ、この世界はもう私達が居た所とは違うわ。

 ならばこの世界の道理や摂理に従うのが当たり前よ?」

ステラは何故かツクヨミに諭すように話す。

しかし、ツクヨミはうつむきながら微笑み目を閉じる。


あぁこりゃ物別れだな。


「姉上、我々の存在は一体何なのでしょう。我々はどういった存在だったの

 でしょうか。もしも私達が消滅していればその役割も終わっていたでしょう。

 しかし、こうやってこの世界で、この世界にやって来た。

 ならば我々は、我々の役割、今までの役割を全うするだけです。」


無理か、ツクヨミを仲間にする事は。

ステラがそれについて反論しようとした時に扉が開く。

ゆっくりと開く。そして一人の人物が入っている、ゆっくりと。

足音だけが響き、その他の音が消えた。

一人の女性、その存在感と言うモノが入ってくる。

見た瞬間に俺は目を伏せた。顔のまま伏せた。だめだ、見てられない。

俯きながら隣を見るとリホも同じだった。


「あら久しぶりね、アマテラス。随分と小さい体になっちゃったのね。

 うらやましいわ、いいわよね?若い体って。私もそっちが良かったわ」

その女性は冗談を言いながらも、その口調はとても静かで心地よい。


「あら、母様もとてもお色気が出てうらやましいですわ。私も

 早くその色気が出る様に頑張ってまいりますわ」

ステラの言葉も心地よい。静かではないが親しみを感じる。

その言葉で俺達は顔を上げることが出来た。


その女性はとても美しく、そして棘のない薔薇の様なイメージ。

「こんな娘の為にお付きをしているの?大変でしょう。

 あなた方はご夫婦?」


その女性は俺達に話しかけてきた。こんなのどうやって返せばいいんだよ!

「まだ夫婦ではありませんが、そうありたいと思います。今は。

 ご尊顔を拝見できて光栄です、イザナミ様」


リホは丁寧に言葉を選んで返した。


「母様。私は納得できませんわ。ここは私達の居た世界と違うのです。

 勿論人族と呼ばれるモノ達も居ます。しかし、大多数は

 亜人と呼ばれるモノ達です。」


「私も目覚めてこの世界の実情を知りました。結論になるかもしれませんが

 何故に『亜人』と呼ばれるか、それは人と違う亜種だからです。

 物事の考えの中心は必ず人、人間なのです。」


「それはここの人族が勝手に言っている呼び方です。」

ステラはイザナミに食いつく。流石娘、俺には無理だわ。キョークも

無理だろうなぁぁ。


「貴方も先ほどそう呼びました。何故にエルフ、ドワーフと呼ばないの?

 それは貴女も見下している証拠よ?それに鬼人族はオーガと言う種族よ。」


「私は只わかりやすい様にと思って使っただけです!見下してなんて居ません!」

ステラが少し興奮した様に話す。・・・分が悪そう。


「で、貴方はどうしたいの?貴方のその体、それは皇太女の体と名前。

 それがあるから貴方はいままで自由に出来たのよ?いい加減に

 おてんばはやめなさい」


「ふん、辞めるとは思っていないくせによく言うわ」

ステラすっげえ!こんな御方に言い返しやがった!


「ならばステラの名前は捨てますわ!体は・・・仕方ないのでこのまま。

 では皆様、ごきげんよう!」

おいおいステラ!離縁じゃねえか!


「このまま返すとお思いですか?姉上。本当に聞き分けが無い。

 以前と同じで安心しますよ。どれだけ私が苦労をしたか。」

ツクヨミは何かの装置を起動させると部屋に大勢の兵隊が入ってくる。

そりゃそうだ。俺とリホも立ち上がりステラを守る様に剣を抜く。

しかし、こりゃあ無理だな。兵士たちは何とかなるが、目の前の

3人は無理ゲーだ。イザナギ、ツクヨミは単体ならどうにか・・・

逃げるだけなら問題ない。しかし二人同時は無理だ。それにイザナミ。

ありゃあヤバイ。単独でも無理だ。俺の本能がそう言っている。


「取り押さえろ」


俺は意を決する。抵抗できるだけやってみるか!

「リホ、出来る限り殺さない方向でやるぞ!ムリだったら・・・

 いや!ムリにでも殺すな!」


兵士が襲い掛かってくるがツクヨミたちは手を出してこない。余裕かよ!

兵士を半分くらいにした時にさらに扉が開いた。


「くっそ!援軍かよ!ステラ、こりゃあ無理だ。どこからか脱出するぞ!

 どこかないのかよ!秘密の出口とか!」


「あるわけないわよ!」

ステラもイチキも捕まらないように兵士を撃退している。


ドアから入ってきた兵士が大声で叫ぶ!

「大変です!皇国の化け物、いや、勇者ユキが!

 制止を振り切りここへ向かって来ています!他にも手練れが4人!

 ・・・ぐはぁ!」


その兵士は悲鳴と同時に前のめりに蹴り倒された。


「呼んだ?ステラ」

そこに立っていたのは白い仮面の女性剣士ユキだった。


「呼んでないけど来て欲しいと願ったわ!」

次回5月14日更新予定

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