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サブキャラでReスタートの俺  作者: 加納 美香
105/108

第105話 クドラクへの依頼

★★★★皇国への道中 森の小屋★★★★

ユキ視点

食事がおえ、4人は祈りを捧げ、ユキはごちそうさまを言う。


「申し遅れました。私達は・・」

大盾の女性がそこまで言うと剣士風の女性が制止をする。が、

「いいのよ、ニーケー、大丈夫。申し遅れました私はアテナと言います。

 こちらはアルテミス、そしてデメテル。そしてニーケー。」


「私はユキ、なんか知ってたみたいだけども」

私はお茶を飲みながら少しにこやかに話をする。

アテナは続ける。

「私達はとある理由でこの世界に来てしまいました。そう、理由もなく。

 一時は仲間と行動をしていましたが。色々とありまして今は

 この4人で旅をしています。そう、なぜこの世界に来たのかの理由を

 求めて・・・。」


私もこの世界に来た経緯を話す事とした。


デメテルと呼ばれた女性が少し考え込むように

「ユキ・・さんの場合は。。」


私は自身を呼び捨てで構わないと伝える。


「ユキの場合は目的がしっかりとしている。『何かをなせ』とかではなく

 何者かがユキの魂を向こうの世界から救う事。ユキがこの世界で

 何をしようが既に目的が達成されている。しかし私達は。」


ふむ。確かに。


「だから私達は私達の存在理由の為に旅をしているんだ。」

アテナは大盾を手入れしながらポツリと言った。


「こう思えるのではなくて?」

私は頭にひらめいた事をそのまま伝える。


「あなた方は自由にやればいいのよ。自分の思うがままに。

 あなた方の行動の全てが探している目的につながるのでは

 ないのかな。」


「そうでしょうか・・・。」


「私はこの世界を見てきて、色々と思う所がありますね。

 失礼ながら私達は人間達しかいない世界から着ました。この世界は

 物の怪、とも言える存在も一緒に暮らしている。最初は動揺しましたが。

 しかし、敵意もなく私達に優しく接してくれる。」

アルテミスは弓を手入れしながら話す。


「そうですね、まぁ人間にも肌の色が違っているモノも居ましたから。

 その程度と考えれば特に・・・。もう慣れましたし。」

ニーケーのその一言に私は意を決して言う。


「私は今、アマテラスと言う人を追っている。その人はこの世界に

 一石を投じようとしている。みなが手を取り幸せに暮らす世界。

 それを目指すために自身の親とも対決しようとしている。」


「なるほど、あなたほどの方が肩入れしようとする人物ですか。

 ニュクスとは違いますね、ふふふ。」

デメテルは笑いながら言う。


「なぁ、ユキ。私達を雇わないか?」

アテナが大盾の手入れを終えてお茶を飲みながら言ってきた。


「お?もしかして!という事は街に入れるのか?ユキについて行けば!」

ニーケーは喜びながら・・・。


「アテナったら騒ぎを起こすかもと言ってずっと街とかに入らなかったの。

 まぁこういった格好は悪目立ちするかもしれないしね」


「まぁちょっとした冒険者と言えば大丈夫だったかもよ?でも私も

 悪目立ちしているからどうなるかわからないわよ?」

私は少しお茶らけた感じで言った。しかし、彼女達が目立つのは確かだろう。

もう雰囲気だけで強いのだから。


「はい、金貨50枚」

私は袋に入ったお金を机に置いた。


「これってどれくらいなんです?」

デメテルが少しニヤニヤしながら言うので


「さっき食べた弁当が8000個かえるわ」

と言ってあげた。


「そりゃあ太るな」アテナは笑いながら受け取った。


「じゃあ、皇国へ行きましょう」

私のその一言に全員がぎょっとする。

「敵の所に行っちゃったんですか?」


「仕方ないじゃない。アマテラスってそう言う所があるのよ。

 まぁ護衛も付いているから大丈夫・・・じゃないけど大丈夫。

 さ、行きましょう」


私の一言に

「面白くなりそうだ。ユキの先ほどの言葉、目的は『私達の行動』ってのが

 凄く気に入った。よし皆行くぞ」

アテナは立ち上がり私と握手をした。


★★★★リリスの塔★★★★


「魔王様、先ほどから何を?」


マカーブルがなにやら興味深そうにのぞき込んでくる。

俺はというとヴェヌスが使える魔法を一通り目を通していた。

だって!キョークの時が長かったので確認をしておかないと。

そういいながらコントローラーでスクロールさせていた。


「ほうほう、この魔法も、なんと!こんな魔法まで!いやはや

 魔王様は凄いですね!」

なんかマカーブルが感動している。お前もこれくらい使えるんじゃないの?

と聞いたら

「今見た中の6割程度ですねぇ。他の者たちを合わせればなんとか

 魔王様に匹敵するくらいでしょうか。」

と、ステータスのリストを見ながらウンウンと頷いている。


「ちょ、ちょっとまってください!この魔法を使えるのですか!?」

マカーブルが慌てて指を差し込んできた。


「あぁ、これね。多分覚えられたのは片手で足りるんじゃないかな。

 結構条件が厳しかったし。」


「これは伝承の中の魔法。全てを無に帰す魔法。興奮しますぞ!」


え?そうなの?この世界には伝承のみなんだ。

これ発動までに時間はかかるけどそれまでがカッコいいんだよ。

他の魔法と違って詠唱があり、その詠唱もかっこいい!


「是非見てみたいものですな!」

マカーブルが興奮しながら言ってくるので


「どうだろう、そう言った場面あるかな。よっぽどのHPが無いと

 ひどい事になるよ。何度か使った事あるけどダメージは均等割りだ。

 HPがよほど高くないと消滅しちゃうだろうなぁ。特にヴェヌスのMP

 盛ってる状態でしちゃうと大変なことになっちゃう。全部のMPと引き換えに

 発動しちゃうので・・・。」


ゲームで発動した時に画面に映っている魔獣全てが消滅した。その時は

多分500匹くらいいただろうか。MPが今の3分の1の時だ。

レベル130程度の魔獣がだ・・・。

それに今はジヴァニアの効果で威力もMPもが2倍となっている。


「まぁそういった事が起こらないように願いましょう。」

マカーブルはいいモノを見たと言いながら笑っている。


そして時間が訪れる。深夜3時だ。俺はゆっくりと眠る様に目を閉じる。

そしてすぐに目を開ける。

俺の足元には雪丸が居る。今回も無事にキョークの体へと意識が戻った。

俺は雪丸をワシャワシャする。


「キョーク様、魔王様はベッドに寝かせておきましたわ」

リリスが軽食をもってやって来た。


「ニュクス達の動向はどうだろう?」

俺はサンドイッチを食べながら心配になっている事を聞く。


「まだクドラクからの報告は有りませんわ。相手も何かうまく行ってない

 のでしょう。よいことです。」


俺は少し寝てから亜人の国へ行くことを告げた。

道中にクドラクの所にもよる事とした。

個人的なちょっとした用事があるのです!


少し睡眠をとった後に移動する、が。

なんかジヴァニアが神妙な感じで聞いてきた。

「ねぇ、もしもよ?キョークとヴェヌスの体、どっちか一つにしろって

 なったら、やっぱりヴェヌスとるの?」


どうしたんだろう突然に、と思ったが。

「そうだなぁ、最初はさ、ヴェヌスの体を取りに行ってたけどさ、

 この頃なんだかさ、このキョークの体も好きなんだよ。

 この世界でいろんな人とであったり会話したりしたのって

 キョークの体じゃん。魂は同じだけど、なんかさ、って思っちゃう。」


ジヴァニアは何故か心配そうで心細そうな顔をしている。


「多分、こっち来た時はヴェヌスってすぐに答えたけど、今は

 わかんないや。最後の最後まで迷うと思う。

 多分、その場の勢いかな。」


可能ならば両方と答えたい。ヴェヌスも10年もの間使っていたキャラだ。


「ま、そうよね、ID一緒なんだからどっちでもいいかな」

ジヴァニアはわざとらしく明るく振舞う。


そうだな、ジヴァニア。いい感じでうまく行けばいいよな。


突然のジヴァニアの一言に少し沈黙が続いたがクドラクの幕僚につく。


「おお、キョーク様。ニュクスは未だに動きがありません。

 このまま何もないんじゃないか?ってほどですよ。」


それならば良し。


「ところでクドラク。折り入ってお願いがあるんだよ。」

俺は目を輝かせて言ってみる。


「以前言っていたコントローラーは出来ておりますよ」

それも大事だが今回は違うんだ。


「ちょっと見て欲しい、この!設計図を!」

俺は一枚の紙きれ・・・いや違う!設計図を見せる!


「こ、これは!なんとも!」


そうだろうそうだろう!かっこいいだろう!と思っていたら。


「なんか、華奢ですね。これ折れちゃうんじゃないですか?」

と斜め上を見ながら言われた。おい!これはな!超有名な

ロボットモノをモチーフとした、設計図なんだよ!


「なんか、足と言うか膝の所が弱そうね。細いし。

 ってかさ、この額の所のVの字の奴って何?」

ジヴァニア!てめえ!いいんだよ!黄色いVの字が強い証拠なんだよ!


「なるほど。コレを造れと?まぁ作るのは簡単ですが多分、弱いですよ?」

クドラクが設計図を見ながら「うーん」って顔で見ている。


・・・くっそ。というか実際はこっち。


「丸い・・・これは何でしょうか」

良い質問だクドラク。


「コレにさリリスの塔の転送装置あるじゃん。MP吸い取られる奴。

 アレと同じ効果のモノ、こんなかんじでできないかなぁって。

 そしたらどこでもヴェヌスになれるんじゃないかなって。この丸い形は

 防御にもなっていてキョークの体を守っちゃったりしたりして。

 できないかな?」


クドラクは神妙な顔をしている。


「そっか、まぁ無理を言っちゃったね。クドラクでも作れないものあるしね。

 あ、ごめんごめん。無理言っちゃった。作れないものあるもんね、

 クドラクにも」

俺はわざと残念そうな言い方をしてみた。


「キョーク様、いや魔王様。なめてもらったら困ります。

 作りましょう。できないわけがありません!このクドラクに!」


その一言を待ってました。

次回は5月11日更新予定

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