第103話 会議っぽいナニカ。
食事はなんか、クッソ長いテーブルにコース料理と思っていたら
居酒屋っぽい感じでした・・・。これはコレでよし!
食事はバイキングのような感じだった。いいじゃないか!
やっぱ、リャナさんとリルさんは繋がってたんだなと言う料理。
餃子もあればパスタもある。しかし!衝撃の一品!
カレーっぽい何かがあった!グリーンカレーっぽいヤツ!
しかし、味はカレーではなく、スパイシーな何かだった。でも旨し。
やっぱこの餃子は旨いね。とリルさんに一言。
「実は試作品がですね」
マカーブルがそう言いかけた所で蹴り飛ばされていた。
「枕サイズでしたね。」
バルバトスが変わりに言っちゃった。
それはそれで食べてみたいが・・・・。
食事が終わり、会議じゃないけど話し合いが行われた。
「しかし、良い戦いでした。やはりユキは強いな。
我が初めて見た感じは当たっていたか。」
マカーブルはその他にもユキさんの特徴とかを言っていた。
すっごい諜報能力!
「でもここまで追い詰められるとは思っていなかったわ。
少し、というか相当ショックよ。」
ユキさんは頬杖をついてため息も付いている。
「さて今後の対応何だけど」
このままだと永遠に雑談で終わりそうだったので俺が
話を持っていった。「まずはニュクスへの対応。」とも。
「気になるのは、ニュクスの配下なのか仲間なのかわかりませんが
数名が行方不明となっております。調査はしておりますが
全くもって消息がつかめません。」
マカーブルのその一言に俺はいつ頃かと聞いたら
「ニュクス達がこの世界に来て少したってからです。実際、
それからいままで全く我々に関与しておりません。」
いままでのニュクスとの会話を思い出しながら考える。
あぁ、多分「アテナ」だ。その他は知らないが。
超絶有名な女性戦士と皆に教えてあげた。
性格的には・・・まぁ伝承だけど一本気、兎に角戦士。
「そりゃニュクスと合わないかもしれませんね。仲たがいの可能性が
高いかもしれませんね」
俺もリャナさんのその言葉にうなずく。
まぁでもそれを置いといて・・・。
「このまま一直線にここに来るでしょうか。そのカオスと言うモノの
まぁ初代魔王なのでしょうが・・・。どうも来ない気がするのです。
そして黄龍が本当に何もできずに・・・。とも思えるんです。」
マカーブルの疑問は広がる。
「もしかしたらここではなくて人族の・・・皇国へと向かう気がするのです。
それはキョーク様が言った『向こうの世界の神々』は引っかかるのです。
えてして神々は、そう皇国のイザナギでしたか?それらも人族の長たる
存在。ならば、おなじ神々であるニュクス達も人族を。人族の為に。」
マカーブルが何を言わんかわかる気がする。
イザナギやアマテラスは日本の神々で人を作りしモノ。
ニュクスやカオスは世界の始祖で人々の長たるモノ。
ならば人族に自身の力を見せる必要がある・・・という見解が
マカーブル。
「ならばなおさらココへと来るんじゃないの?」
リルさんがそう問いかけると。
「皇国のモノ達は既に人族の上に立っております。皇王として。
しかしニュクス達は魔族として認識されています。
それを覆さなければなりません。ならば、マッチポンプでも
なんでもして人族に「我らの神」と信じさせなければなりません。
もしもこのままここに来るならばただ単に魔族の仲間割れとしか
認識されないでしょう。」
「ならば?」とグルル。
「人族を何かから守る必要があります。」
「何かってどう見ても俺達魔族だな」
バルバトスはお茶をすすりながら言う。
「いや、魔獣で十分だろう。だからマッチポンプって言ったのだ。
そして場所は旧王国」
「いやいや、相当離れているだろう!場所的に!」
ヴァスキは少し驚いたように聞き返す。
「あいつら飛べるんだぜ?」
マカーブルの一言に全員が「そりゃそうだった」と納得。
「しかし道中には亜人の国があるんだぜ?あ、そっか
飛んで行くから問題ないのか。今気づいたが、人族に
有翼族の存在ってあまり知られてないよな?」
グルルはマカーブルに聞く。
「ほぼ、全くと言っていいほど知られておりません。」
リャナさんがお茶をすすりながら答える。
「向こうの世界では」と前置きをしてユキさんが言う。
有翼族。向こうの世界では天使と言われているの。
そう、天使は神の使い。もしも個々の人族がその姿を見たら
恐怖よりも尊さを覚えるかもね。
だって・・・。私がサンテミリオンと話して導いた答えは
この世界の人々のほぼ全ては向うの世界の人の魂。
ならば本能的に有翼族を神の使いと認識してしまうかもしれない。
「確かに。実際にそうなんだよユキさん。うちのジヴァニアも
高負荷が起こったと言っている。多分、相当数の魂が
この世界に流れ込んだと思う。」
ユキさんの見解に俺も納得した。
「まぁでも防御を固めていた方がいいな。どれだけ集められるんだ?」
ヴバルバトスはマカーブルに聞く。
「そうだなクドラクが戻ってくれば正確な数字は出るが・・・。
ここの守りは7万くらいかな。吸血族も使えば10万くらいか」
え?そ、そんなに魔王領には兵士が居るの?と俺が聞くと。
「あ、そうでした。言うの忘れていました。魔王領のモノ達は
戦になると全てが戦士となります。人族のように専属的なものは
約5000ほどです」
「でもさ、それって各街の守りが手薄になるんじゃないの?」と聞いたら
「問題ないです。抵抗できるほどには街に残ります。」
な、なんか魔王領すげえな。
「皇国と手を結ぶ可能性は?」
リルさんの問いにマカーブルは一言。
「ない」
「神なんて。神族とでも言うのでしょうか。自身が一番、一番偉いと
思っている者どもです。皇国の親王とカオスが手を結ぶなんて
考えられません。」
「同盟とかは?」バルバトスの一言に。
「ない」
「あくまでも伝承から読み解いた知識であるが『俺すげえから
俺の言う通りにしとけばいい』みたいな考えなのが神族だ。」
おいおいマカーブル、言い方酷いぞ・・・神に対して。
「そんな奴らが手を組むはずがありません。対立はしますよ、必ず。
戦いはせず静観状態になるかもしれませんが。絶対に同盟は
ありえません」
言い切りやがった・・・コイツ。
「そういえばステラ達はどうなるんだ?皇国と反目している。」
「話を聞くに我々と同じような思想のモノですね。
幾度か監視しておりましたが彼女は神族として、私の思う神族とは
全く違う存在ですね。彼女とは話をしてみたいと思いますよ。」
へぇマカーブルにしてアマテラスを認めているようだ。
アマテラス、多分日本で一番崇拝されている神だ。
色々納得できる。
「実際俺はアマテラス、いやステラを支援したいとは思っている。
多分ユキさんもだ。」
「そうね、もしも私が付くとすればアマテラスね」
ユキさんはお茶をすすりながら平然と言う。俺じゃねえのかよ!
「あんたは私が居なくても十分強いじゃない」
いやいや、俺さっきアンタに負けたんだけども?
「そういうことだから私はステラを追いかけるわ。
ミツルさんとリホさんが居るけど相手の実際の力は
わからないわ。まぁスサノオみれば多少はわかるけど。本当のスサノオ
じゃないみたいだしね。ガチンコのスサノオではないってこと」
そうだね、俺もそう思う。スサノオはいつも戦いでお茶らけている。
ニュクスの街からの撤退戦では余裕で殿を務めていた。
そして明らかに居るモノ達。
イザナミ、ツクヨミ、タケミカズチ。他にも色々いるだろうな。
もうゾッとする。というか・・・
「もうワクワクよね?ヴェヌス」
ユキさんがお茶らけたように言う。
あぁそうだよ、ワクワクする!だって俺はゲーマーだ!
そしてユキさんもゲーマーだ!
人族を導きたいモノの三すくみの戦い。しかし、ちょっと嫌だな。
神だからと言って少しうぬぼれてるんじゃないか?
「もしもそうなったら魔王様は何処に与するのです?」
リルさんが聞いてきたので・・・。
「ユキさんには悪いけどステラにも組できない。
俺達魔族、魔王領のモノ達は静観だ」
「じゃ悪いけど私は行くわ。楽しかったわ。今度は
暁装備で勝負してね」
そう言い残すとユキさんは部屋を出る。
しかし数秒後、戻ってくる。
「ちょっと、外に出るにはどうすればいいのよ!」との事。
ユキさんが部屋を出た後にマカーブルが笑いながら言う。
「本当に魔王様はステラの事気に入ってらっしゃるのですね」
「どうして?与しないって言ったじゃない」
リャナさんがそう言うと
「今、魔王様がステラに与してみろ。ステラは魔王の手先と
言われるぞ。」
「あぁ、なるほどね。」納得のリャナさん。
じゃあマカーブル。皇国と王国へ行こうか。
このヴェヌスが魔王と皆に解って貰わないとね。
「そうですね。先にそのお姿が魔王と認識されればカオスが魔王様を乗っ取りしても無意味になるでしょうから。」