神の国 後編 中
あはよう、こんちくわ、こんばんわ、今回は、前編で疲れた読者と作者の休憩回です。休憩回といっても、なんでそうなる?といった展開になります。そして、作中で今のところ、過去にも未来にも無い場面が描かれているので、探してみてください。
イトの寝顔を見ていたら、僕たちも眠くなって、ぐっすりと寝た。そして、目が覚めたら、白い服の女性が、マホの扉を叩いて、僕が寝起きで対応した。何を話したか、全然、思い出せない。必死に思い出そうとする。
あ~長の話がつまらないからか、考え事をしているからか、長の話が頭に入ってこない。
頭を掻きむしっていると、マホが僕の様子に気付き、
マホ「どうしたんですか?神様の前だからって、おねしょしたんですか?気付かなくてすみません。今すぐ、新しい物を用意しますね。」
マホは、無表情で言うものだから、本気か、冗談か、見分けがつかない。
キータ「違う!違う!違う!神様と同じくらいキャラが濃い人たちに会ってきて、驚いたり、怖じ気づいたりしないわ!」
マホ「神様を何だと思っているのですか?」
魔王が僕たちに近づき、
魔王「お主らは、何の話をしているんじゃ?我も混ぜろ!」
マホと僕に飛び抱き締めようとしたので、阿吽の呼吸で魔王を避けた。魔王は、顔から床にダイブして、痛そうだぜ。
魔王「なぜ!?避けるんじゃ~!」
僕の方に殴り掛かってくる。
神の長「そこ!?うるさい!!」
マホ、魔王、キータ「はい、すみません。」
神の前で怒られた。とても恥ずかしい。しかし、マホと魔王は、ガンを飛ばして、長はビクビクしながら、怒っていたので、長も少しやりきれなさそうだ。
神様たちは、元々、諦めているのか、呆れているのか、ため息が所々から聞こえてくる。
神の長「さて、お前らに紹介する。この三人は、私を倒し、新たな長になる者だ。」
長が僕たちを指差す。
キータ「へ?」
有り得ない、頭が混乱した。この時になって、今朝のことを思い出す。
白い服の女性「あなた方が、新たな長ですか、朝からすみません。元長からの命令でお迎えに上がりました。」
キータ「そうですか。ふぁ~。今は起きたばかりなので、もう少し待っていてください。皆を起こして、行きますんで。」
なんで、今になって、思い出すんだよ!僕は童顔だから、年齢より若く見えるから、きっと、こんな若造が、長は、何を言っているんだ?神の国も終わりだな、なんて神様たちは、思っているはずだ。
マホが不安そうに顔を窺っていく。はぁ~、どうしたものか。
神の長「それでは、自己紹介をお願いします。」
僕は、めんどくさそうに頭を掻きむしり、
キータ「ご紹介に伺いました。キータだです。異世界転生者で経験は薄いから、何卒、お手柔らかに宜しく~。」
マホの元に戻ると、
マホ「敬語を使っているのか、私語を使っているのか、分からないですね。」
なんて呟いてくる。
キータ「これで精一杯なんだ!いいだろう。」
こうして、長になるための儀式を終え、無事に神の長になることになった。
翌日、僕に秘書を就けていいということで、マホと魔王にその話をすると、
魔王「やる!」
マホ「やります!」
二人は、すごい気迫で言ってきたので、マホと魔王を、秘書を頼むことにした。
二人の教育係は、元長の秘書で、僕と同じ背丈の黒髪の眼鏡っ娘だが、めちゃんこ厳しい、怖い。
二人が迫力で泣きそうになるほどだった。でも、褒める所はちゃんと褒め、間違ったことは、ちゃんと指摘して、アドバイスをする。いい先輩だ。
僕は、僕で机に山積みになっている書類を鬼の速さで処理した。そんな日々に慣れてきた半世紀後、イトと神の国の様子を見て、約束の肉を食べ、マホの所に帰ろうとしていた。しかし、森に入るところで、鎧を着た女の人が僕を呼び止めた。
鎧女「そこのマント、その子はお前の子か?」
僕が抱っこしているイトのことを指差す。イトは、余程、楽しかったのか、はしゃぎ疲れて寝てしまった。
キータ「いえ、家族にひどい仕打ちをされていて、引き取って、仲間と可愛がって育てています。」
鎧女「そうか、野暮なことを訊いてすまない。」
鎧の女性は、街へと消えていったのを見届けて、僕は、森に入る。葉の隙間から見える星空はあの頃と変わらず、きれいだ。イトを起こさないようにマントを脱いで、イトに被せる。イトは、居心地がいいのか、僕の腕にイトの頬をすりすりしてくる。それもまた、たまらなく愛おしく思った。
翌日、マホに朝から魔法を使わせてほしいと頼み込み、なんとか、マホから一時的に借りる形で、魔法を使わせてもらい、マホを的にして練習した。攻撃が効いてないだけで、心にくるものがあった。
さらに次の日、教育係にこっぴどく、説教された挙げ句、主犯である僕が、半年もかけて、永遠に溜まった書類をやらされた。理由は、許可も得ず、勝手に外に出たから、あと、マホと魔王が怒られている時に、笑ってしまったから。半年もかかったのは、サボったり、抜け出そうとしたから。
あの二人が楽しそうに仕事をするのを見せびらかしてきた時は、本当に悔しくて、その悔しさをバネに書類地獄を突破した時、マホと魔王は、
マホ、魔王「私のお陰。」
自分を褒めていたので、
キータ「ありがとう。」
皮肉を込めて、お礼をする。
魔王「可愛い所もあるんだな。」
魔王が頭を撫でてくる。
キータ「頭を撫でるな~!」
余計、頭を撫でてくる。心の中では、嫌がっているのに、体がもっと欲しっている。それから、マホも頭を撫でて、二時間は離してくれなかった。
次からは、ぜっっったい、許可と申請をしようとマホと魔王が解放してくれた時に誓ったのであった。
過去にも未来にもない場面、わかってしょうか?
実は、キータがマホ以外に説教される場面です。この後の話も書いているのですが、原稿用紙370枚くらい、マホは、結構、説教していますが、他の人に説教される場面はないです。あと、少ししか書いてませんが、キータが魔法を使う場面もないです。次回のネタバレをすると、宮殿をキータが散歩する回です。これから、色んな所に行き、ぐちゃぐちゃしていきますが、分かりやすいように書いていくのでこれからもこの世界に遊びにきてください。