魔物の国
マホとキータは、新たな土地、魔物の国へ着き、魔物王に会うが、出会い方が最悪なのに、仲良くなる。
今回も楽しんでください。
地図を頼りに、次の村に向かう。
次の村は、魔物の国の最端にある村キレンという。
そう、次は、魔物の国に行くことにした。
キータ「近いから。」
マホにそう言うと、
マホ「そんなんで、いいんですかね。」
キータ「いいんだよ。旅とは、成り行き任せなんだから。」
そう言うと、不満そうなマホだけど、納得してくれた、諦めたと言った方が良いのかも。
キータ「ということで、キレンにレッツゴー。」
僕は、浮かれていた。いい所なら、いいなとか、絶景が見れるかなと考えながら、旅を楽しんでいる。森の中をどんどん進む、途中でモンスターを討伐する時に、マホのスキルで、取得した魔法を使い、空を飛んだりして、キレンに着いた。
さすが、魔物の国、ゴブリン、動物が融合した魔物たちが、沢山いる。人間である僕がこんな所で歩いていいのか、躊躇していると、マホが、
マホ「何をしているんですか?行きますよ。」
と僕の手を握り、引っ張ってくる。
そして、魔物の国に足を踏み入れた。
最初は、緊張していたが、皆の優しさに触れ、魔物は、見た目によらず、優しいと思った。だけど、魔物の中でも、暴れ回る奴もいるようで、キレンに来て、半年経ったある日、いつものように、マホと町に出掛けていると、ある女性が、偉そうに腕組みをして、ギロッとした目つきで人間の親子を見下ろしている。
その様子にずっと見ていると、子どもに向かって、手を振り上げて、ビンタしようとする。見てられず、その女性の腕を掴み、
キータ「止めろ!子どもに向かってなにしようとしているんだよ。」
と少し、怒り混じりに言ってやったら、ギロッとした目でこちらを見てくる。体が震えて止まらないぜ。その女性が僕の手を振りほどき、こう言う。
女性「我は、魔物の長である魔王であるぞ。
この親子は、人間の分際で我を無視した。その罪を受けてもらう。」
そう言って、再び、親子の方へ向き、殴ろうとする。話は、訊いてくれないようだ。
といって、武力でも止められない。なら、僕は、護衛に呈する。
親子の前に立ち、両腕を広げる。僕に気がつく、が、魔王は、気にせず、殴り掛かるが、平然と攻撃を受けて、その間、親子に、事情を訊く。
どうやら、この親子は、三日間、ご飯を食べていないのだと、腹が空き、意識が朦朧として、今にも倒れそうになっていた時に運悪く魔王が現れたが、気付かず、今に至るとのこと。
キータ「じゃあ、このお金でご飯を食べればいい、もし、こんな状態になっても、魔王に気付き、挨拶ができて、魔王に絡まれることがなくなる。それがお互いにとって、最善だ、多分、米粒くらい。」
親子は、顔を見合っていたが、子が泣きながら、親の服を握ると、親は子に連れ、泣き、親は、深々とお辞儀し、
親「ありがとうございます。」
と何回も言ってくれた。
子も
「ありがとう」
笑顔になってくれた。
この事より、尊いものは、無いなと思い、心が暖かくなった。この感覚は久しぶりだ。
ふと、振り返ると魔王は息が切れ、床に倒れている。もう終わりかな。親子は、食堂に向かうが、僕が見えなくなるまで、会釈してくれた。その背後で魔王が呼び止めようとしたが、無視した。その後、マホといつもの帰路で、今回のことを話している。
マホ「このこと、魔王を敵に回したのでは、親子と別れた時に魔王が話し掛けたのに無視したんですよね。」
キータ「確かにそうかも。」
呆れたようにため息をつく。
マホ「最悪、人間と魔物に戦争になりますよ。」
熱と怒りが混じる。
キータ「それじゃあ、魔王に直談判して、土下座するか~。」
迎えた翌日、魔王城に向かっていた。魔王城の門の前に来た所、二人の番人にバカデカイ斧を交差させ、僕を止められた。
左のブタ顔が威圧するように見下し、
ブタ「ここが魔王城であることを知って、ここに来たのか、知らないが、魔王の命令だ、潔くよく死ね。」
番人二人は、同時に、斧を振り下ろす。しかし、斧が僕の体を貫くことはなかった。
数時間、経った頃、二人は、ぶっ倒れた。
門を潜るが、『石』の存在に気付く。
ON
魔王の所まで来た。どうやら、イライラしながら、食事しているようだ。
off
キータ「おい、お前え。」
魔王は、びっくりして、スープンを上へ投げてしまった。僕の方を見て、更に驚いていた。
マホ「なぜ、お主がここに。」
今までの経緯を話した後、
キータ「僕のせいで人間を嫌いならないで、嫌いになるのは、僕だけで十分だ。」
と土下座した。その状況を呆然を眺めている魔王を見て、
キータ「どうしたの?」
と言うと、魔王は、
魔王「いや、番人の二人は?」
キータ「体力が切れて倒れた。他の奴らに気付かれないように、お前に会いに来た。」
魔王に疑われるような目を向けられる。
魔王「我の部下は、ネズミ一匹も逃さないような奴らだ。そんなの不可能だ。」
と言われたが、
キータ「じゃあ、なぜ、僕は?」
と言ったら、
「お主、幽霊でしょ!?そうじゃないと我の攻撃が効かないことに説明がつかん!!」
そう言われたので
キータ「じゃあ、これでどうだ!」
と言って、頬を突っつくと、その指は、当たり前だが、魔王の頬に触れる。
頬を何十回も突っつくと、魔王は殴ったが、僕に傷ができることはなかった。その事で更にイラついている。
魔王「なんで、効かんのだ~!?」
その声は、魔王城一体に響く程に。
少し落ち着いた後、
キータ「そういえば、無視してしまった時、何を言っていたんだ?」
と僕が訊いたら、魔王が赤面して、顔を俯かせながら、
魔王「‥‥‥‥」
キータ「え、なんて?」
僕は、開き直す。
魔王「この後、食事でもどうかって聞いたのだ!!」
と大きな声で言われた。僕は、
「なんでだよ?」
頭の上に謎マークを浮かべる。
魔王「我より強い人に会ったことがなく、興味が沸いたのだ。」
魔王が何を考えるか分からん、女の心が分からん。
「何か、すみません。」
とりあえず、謝った。
魔王「本当にそうだ。あの後、お主のことをずっと考えてしまっているのだ。」
キータ「どうしてだろう?僕は、ただ、魔王、お前の攻撃を受け止めただけなのに。」
二人で、魔王がそうなった原因を考えたが、分からない。
ので、翌日、マホを連れて、魔王城に来ていた。昨日の反省を生かし、石を使っての、登場、そして、門を潜る。
門を誰にも気付かれないように、そっと閉じる。城へ入り、魔王の部屋へ行く途中で、魔物たちが、何やら話している。
どうやら、魔王のことのようだ。
魔物1「最近、やけに、魔王様が、人間に優しくないか。普段なら、無視するものなら、殺していたのに、今では、無視するものに気遣っている。何か変な物でも、食べたのか?」
魔物2「そんなことしたら、ご飯を作った奴が殺されている。噂では、ある人間が魔王様を余裕で倒したらしいぞ。」
魔物1「まさか。人間全てを滅ぼしそうになり、神の奴ら、総出で止めて、やっと魔王を止めることができたって言う伝説が残ってる魔王様ですよ。」
魔物2「それも神の奴らがあまりにも必死だったから、魔王様がしらけて、神の奴らを半分まで殺した後、止めたっていうのもあるな。」
魔物1「そう考えると魔王様を余裕で倒す奴なんて。」
魔物1、2「いないか。」
その二人は城を出た。
どうやら、魔王は、めちゃくちゃ強いらしい。
いいことを知れたことだし、魔王の所に行くか、昨日のように、魔王のいる部屋へ入る。
off
魔王はの顔は、満足感と幸せに満ちた顔で笑顔だった。
魔王「よぁ、来たか。お主がの言っていた。」
マホ「はい。マホといいます。」
マホがお辞儀する。
こうして、三人が話し合ったが、マホが
マホ「それは、二人が一緒に過ごすことで分かると思います。」
と茶化し、二人とも頭を傾げる。
キータと魔王「こいつと!?」
二人がお互いを指で指す。
キータ「こいつとは、何だ!?」
魔王「お主こそ、我にこいつとは何だ!?お主では、我にふさわしくない。」
キータ「こっちの台詞だ。」
とお互いに睨み合う。その様子をため息混じりにマホがずっと見てくる。
しかし、構わず、言い合う僕と魔王に向かって、
マホ「仲がいいですね。」
と言ってきた。
キータ、魔王「いや、どこが~!?」
マホ「そういうところですよ。」
再び、いがみ合う。そんなことを繰り返して、城をでたら、夜になっていた。
案外?楽しかったのかもしれない。少し複雑だ。嫌っていた奴といるのが、楽しいとは、何か変な感じ。モヤモヤするものが心の底にある。このモヤモヤの原因を考えていたが、分からず、夜が明けた、その後もずっとこのモヤモヤを考えていた。マホの中で腕組みをして、唸っていると、
マホ「どうしたんですか?朝からずっと唸っていますが。」
心配してくれるのが声で分かる。
モヤモヤのことを話すと
マホ「付き合っちゃえばいいのに?」
と茶化してくる。
キータ「誰があいつと付き合うか。このモヤモヤは、きっと劣等感のようなものだ。きっと、そうだ。」
強がっていたが、少し、あいつといる僕を想像してしまった。
あんな奴と付き合うもんか!!
一方、魔王は、というと、
あいつのことが嫌いだ。嫌いだ、嫌いなの‥‥か?
いや、嫌いなのだ。あいつのいじわるな所が嫌いだ。余裕な所が嫌いだ。
でも、あいつといると楽しい。
なんやかんやで魔王ではなく、一人の女性として、みてくれる。なんだ、あいつの顔を思い出したら、胸の鼓動が速くなる!?
だぶん、何かの病気だ。眠れば、治る。きっと‥‥。
そんなことを考えた二人は、眠れず、夜が明けた。
そんな二人を見て、
マホ「付き合えばいいのに。」
キータ、魔王「だから、なんでこいつと!?」
マホ「本当に仲良いですね。」
もう疲れた肩で息を吸う。
キータ「そうなんじゃないって。」
魔王も少し疲れているようだ。戦いでは、負けなしなのに、マホに負けている二人、何とも滑稽で温かい日常だ。しかし、僕は、気付いた、魔物の国に、居すぎていることに、ということで、来週には、魔物を去り、神の国に行くことにした。そのことを魔王に言うと
魔王「‥‥行く。」
キータ「え!?」
魔王「我も行く、魔王の仕事には、呆れた、お前といるとな、なんだ、楽しいというか、居心地がいいというか、だ、だから。」
キータ「えっ嫌だよ。」
魔王「なんでじゃ!?」
キータ「だって、うるさいし、一緒にいると疲れる。」
魔王「お願いだから、連れてってくれよ~!」
結局、魔王が押し勝った。
あの後、僕の脚にしがみつき、2日、離さなかった。シラを切らし、
キータ「分かった。」
と言ってしまった。
こうして、魔王、マホこと家、転生者の僕の三人パーティーで神の国に行くことになった。
どうだったでしょうか、この作品のタイトルがやっと、現実になったので、やっとかぁーと思っています。
次回は、神の国でありますが、少し、暗い話になるかもしれません、そこは、ご了承下さい、でも、それでも、キータの地味に最強な事が窺えるシーンがあるので、お楽しみに。