村と家に旅
今回は、前回の2倍以上の長さになっています。
村編になると、どうしても長くなってしまいます。
でも、それだけ、大切なこと、大きな変化や転機があるので、最後まで読んでみてください。
村に着いたのは、その日の夕暮れで、くたくたなので、寝れる宿を探していたのだが、お金を持っていないことに気がついてしまった、そして、野宿してその日は、一夜を明かした。
次の日の朝は、昨日から何も食べてないというのに、腹が空かず、不思議だったが、そんなことに構ってられる程、今は余裕がないので、住むところを見つけたら、調べることにしよう。
こうして、日が昇り、人が出始めた頃、村のクエスト依頼所で、自分でもできるクエストがあるか、一つずつ見ている。にしても、たくさんのクエストがあるんだなぁ~。モンスター討伐や荷物の運搬、お店の手伝いなんてものもある。
そんなクエストの中で護衛のクエストにすることにした。
守るんならできそうだし、人とあまり関わらない方が、やりやすい。
こうして、やるクエストを決め、依頼書をクエスト依頼板から外し、受付の人に渡した。
その人は、オーナーのようで、酒を飲んである人に、オーナー、オーナーと呼ばれていた。
そのオーナーは、体ががっしりして、目付きが悪い強面のおじさんで178cmはある。
絡んできた人を酒場に追い払い、
オーナー「ちょっと待ってろ。」
と店の奥に行った。
このクエスト依頼所もそうだけど、この村は木造の家が多い、そして、ここは、酒場と併合していて、朝っぱらから、剣などを背負っている男たちが、酒の入ったコップを片手に、顔を真っ赤にして、騒いでいる。
その様子をボーと見ているとオーナーが戻ってきた。
オーナー「待たせたな、依頼者は、もう少し待てば、店の前に現れる、トレイさんと言って、黄色いバックパックを背負った金髪の女性だそうだ、そいつから、目的地に着いた時にお金をもらえ。
あと、服をやる、そんなボロボロなままじゃ何もできないだろう。」
そう言われてみると、所々、穴が空いていて、泥やら、葉っぱがついている。
それに、お金がないから、正直、ありがたい。
オーナーのお言葉に甘えて、着替え室で着替える。
長めの灰色のマントに、下には、余裕のある黒色のズボンで、マントのなかには、白のTシャツを着る。
着替え室から出ると
オーナー「中々、似合っているじゃねえか。」
まじまじとこちらを見てくる。
恥ずかしくなり、店の前に依頼者が来ていないか、確認しに行った。
店の前を見渡すが、そんな女性はいないので、店に戻った。すると、ボロボロの僕の服を広げ
オーナー「この服は、どうする?売るか?と言ってもこれじゃ売れないと思うが。」
とりあえず、今は、お金がほしいので売ることにした。
オーナーと質屋へ行き、結局、売れなかった。
そこで、家のことを訊いてみた。
キータ「家って、どのくらいで買えるんでしょうか?」
すると、二人は、見つめ合い、話し合っている。
その後、
オーナー「森の奥にボロボロの家がある、そこなら、銀貨1千枚で買える。」
さらに訊く。
キータ「ちなみに、護衛クエストを何年やれば、いいですかね?」
すると、オーナーは、言いにくそうに
オーナー「500年だ」
そうはっきりと言われた。
死んでも買えないとは、でも、他のクエストは、やりたくないし、やれるだけ、やるか。と内心諦めた形で、始まった。
そうして、500年間に渡る、護衛クエストの日々、野宿生活、オーナーと温泉に入る生活を経て、家を買いました。
まず、生きれたことと、年を取らないことに驚いたけど
自分の家が目の前にあると思うと、泣けてくる。
それと同時にボロボロすぎて不安になる。
すぐに壊れてしまうのでは、と。
ふと、スキルのことを思い出す。きっと、あれ、なら家も頑丈になるはずだぜ。
スキル『限界突破(強化)』の使い方の説明には、使いたい対象に触れ、バーストと言えばいいらしい。
なんだ、意外と簡単だぁ。
さて、早速、
バースト
あれっ、何も起きないだと!?
何回もやってみたが、家は、反応無し。
なんか、馬鹿馬鹿しくなり、その日は、久しぶりのベットで、爆睡した。
その数日後の夕方、家の扉を開けようとすると、
??「お帰りなさいませ」
扉が開く。
キータ「あぁーただいま」
家に入る…、家がしゃ、喋った!?
待て待て、村の子供たちのイタズラか、いや、相当、夜が更けているから、それは、ない。
家の周りをぐるっと回ったが、人、まして動物すら、辺りには、いない。
家の前に戻る。
キータ「一体、誰が話し掛けているんだ」
すると、家は光り、その瞬間、女性が現れた。
女性は、エルフで金髪で白いワンピースを着ている。
キータ「君は、一体。」
僕は、恐る恐る、訊くと
エルフの女性「私は、あなたの家です。」
と真剣な眼差しで言ってくるものだから、つい笑ってしまった。
エルフの女性「何で笑うんですか?」
不思議そうに頭を傾げる。
キータ「家が女性になるわけないじゃん。ねぇ、自分が家と言うなら、証拠の1つや2つあるんでしょ、出してみてよ。」
少しいじわるだな、と思うが、仕事終わりにイタズラしたお返しだ。
エルフの女性「いいですよ。見せましょう。」
少し、驚いたが、ここで引き下がる訳にはいかない。
キータ「あぁ、見せてみろ。」
そう言うと、再び、光るが、誰もいない。そして、彼女は、家の姿になった。
家「これで、分かっていただけましたか?」
これは、信じるしかないな。
頬をつねる、痛い。
まだ、何が起きたのか、分からず、彼女の中に入った。
家「少しは、落ち着きましたか?」
彼女の中でも、会話ができるのか、彼女は話し掛けるのと一緒に紅茶を差し出していた。
どうやら、家の中の物は、操れるらしい。
久しぶりに飲んだ紅茶は味がしない。
一つずつ、訊いていく。
キータ「なぜ、家は、話せて、姿を変えられるの?」
家「あなたのスキルのお陰ですよ。」
『限界突破(強化)』のことだろうげど、失敗したはずなんだけど、
キータ「それじゃあ、ここのところ、何もなかったのは?」
家「私がこの状況について、理解するのに、1日掛かったからです。」
その後、色々、質問したところ、エルフの姿は、どうやら、昔、住んでいた人なのだとか。スキル『鑑定·取得(チェック·キャッチ)』を使って、魔法、スキルを鑑定し、そっくりそのまま、使うことができるので、僕のスキル『スペシャルスーパースター』、『石』を取得していたようだ。
家に言わせれば、
家「私は、魔力量、魔法とスキルのストック量は、無限。」
だそうだ。
今日は、夜が遅いということで、寝た。
翌日、オーナーとその事を話し、一緒に家に行き、僕と同じことをしたのちに、オーナーは、家のことを信じた。どうやら、オーナーは、不老不死であるが、こんな経験は、初めてだったようだ、それに魔力探知をしても、他の誰もいなかったようだ。
それから、少し経ち、
オーナー「名前をつけよう」
と突然言ってきた、最初は、別にいいよと断ったのだが、家の方も乗り気だったので、押し切られる形で、名前を決めることになり、主人である僕が決めることになった。そうして、決まった名前がマホだ。
この時、ずいぶん夜が遅いので、ここで解散となり、僕は、お風呂に入り、歯を洗い、寝た。
その夜、夢を見た。その夢は、全てが白い世界で、一人の女性がいて、
女性「旅に出なさい!」
何百回と繰り返し言うものだから、
キータ「分かった、分かった。」
返事してしまった。すると、女性は、
女性「約束だよ。」
と微笑むが、顔は、もやが掛かって、よく見えない。
近づこうと一歩、前に出た瞬間、女性は、どんどん遠くに去っていき、辺りが輝く。
そこで目が覚めた。変な夢だ、今でもあの女性の声が耳に残る。
女性「約束だよ。」
その言葉には、重みがあり、揺るぎない力を感じた。
それから、2週間後、旅にでることにした。
元々、世界を見てみたいと思っていたから、ちょうどよかった。
最初は、マホを村に置いていこうとしたが、マホが、珍しく、駄々をこねたので、渋々、了承した。
旅に出る日、オーナーは、あくびをして、気だるそうだ。オーナーが背伸びした後、
オーナー「必要以上に、怪我させたり、いじめたりするなよ!」
と強く言われた。
その後、三人で、いつものように、冗談を言い合った後、お互いに手を振り合いながら、別れを告げ、僕たちは、森の中へ入っていった。
ここては、省略しているところがあります。
詳しく上げると
本当なら、オーナーとマホの対面の場面で、子供のすることは、と言ってオーナーが、周りを調べることになる。三人で冗談を言い合った内容に関しては、キータが、マホに猿呼ばわりされたりしますが、あまり詳しくても、つまらないと思い、ここでは、省略させていただきました。
ここまで、読んで頂きありがとうございました。
次回は、魔物の国です、お楽しみに。