ただの双子
〜ただの双子〜
「誰?この人」レイはオリビアに縄で結ばれているウィルが誰なのかを聞いた。「最近うちのメイドが沢山居なくなっているでしょう?その犯人よ。」レイは驚いた表情をして、「捕まえたのか!?あんな罠で?笑 どれだけおバカさんな人殺しなんだ?笑」と、笑っていた。ウィルは少しイラついたようで、「あんなもの食うに決まってるだろ」それを聞いたレイはもっと笑った。「あはは!最高だね、キミ。レベルは相当低いんじゃないの?笑」レイは悪気はないのだが人を煽ってしまう癖があるらしい。その癖が今も出てしまった。だが、ウィルの方がレイよりレベルが低いのがオリビアと家族だからわかっていたため、ただウィルをイラつかせただけで済んだ。「7だ。7、レベルは7だ。」とウィルが言った。するとレイは驚いた表情で「え!?7もあるの!?凄いね!!逆になんでアレで引っかかったのかが分からないや!!笑」またレイの「あはは、あはは」と声が響く。そこでオリビアが「食べ物で引っかかってしまうような人殺しさんだけれど、レイ、どうする、この人。捕まえたは良いもののどうしたらいいか分からないわ。」とレイに尋ねる。するとウィルが「だから!!これ解いて、私を解放すればいいの!!」とまた叫び出す。それを聞いたオリビアはまた「それはムリと何度も言ったでしょ。ねぇ、レイもなんとか言ってやってよ。」とレイに頼む。レイは「そうだなぁ。でも別に支障は特にないし、別に解放してやってもいいんじゃない?殺されたやつ全員、ろくなメイドじゃなかったし、」と。それを聞いたウィルは少し嬉しそうに「ほら!!だからいいだろ!!なぁ!!」とオリビアにせがむ。しかし、オリビアは「私にとっては大切なメイド達だったわ。だから、それだけはムリよ。」とウィルを否定した。そしてレイは「オリビアが大切だったんなら解放出来ないね。それに、メイドの給料は月初めに渡すから、その分も働いて貰えてないしね。」と解放しないという意見に変えた。つまりウィルは解放されないということだ。「そんなぁ…」ウィルの声が小さく漏れた。「じゃあ、どうする?レイ。殺す?」とオリビア。「そうするか」とレイは賛成。その時ウィルはレイに聞こえるような声で「レイくんとってもカッコよくて優しそうで、そんな事しないと思ってたんだけどなぁぁ」と少し高い声で独り言を言った。「えっ」と、レイ。「お金持ちでそのカッコよさ!なかなかないと思うんだけどなぁぁ」とまた独り言を言った。「えっ///そうかなっ…」レイは照れたように言った。「えーん!死にたくないよぉー」ウィルは泣いたような、ぶりっ子のような動きをしてレイをチラチラと見て言った。「っ///」レイは照れた顔をして、殺すか殺さまいは迷っていた。「もう!イケメンすぎて無理ぃ!!せっかくこんなカッコいい人を見つけたのにここで終わってしまうの…? そんなのイヤ!!」ウィルは顔を手で隠して言った。ついにレイは「わっ分かった!!殺さない!!だから死んだのメイドの代わりに、1ヶ月メイドをやってくれ!!!」と言ってしまった。「ちょっ レイ!」オリビアは慌てた表情で彼女の割には大きな声を出して言った。「え?ほんとに?」急にウィルの声が元に戻ってレイに言った。レイは「うん。ほんと」っと、ウィルから顔を背けて言った。「よし!」ウィルの心の声が小さく溢れた。ウィルは一か八かレイに媚を売ってみたようだ。それがウィルはレイのタイプの顔をしていたため、簡単で助かったのだ。レイはそれで良かったかのような顔をしているが、オリビアは不満そうな顔をしていた。だけどレイの決めたことだからイヤでも受け止め、この館に残っているメイドに、契約書を持って来させ、ウィルをくくっている縄をほどかせた。「ウィル。この契約書にサインしてちょうだい。やるからには1ヶ月間きっちり働いて貰うからね。」ウィルに契約書を渡した。ウィルは名前を書いた。しかし、彼女は苗字を書かなかった。しかし、さっきオリビアはウィルの名前を地位確認した時に見ている。そこには苗字が表示されていなかったため、元からないものだろうと思い、不思議だが 何も言わずにサインの書いた契約書を貰った。「キミ、ウィルというんだね。苗字は?ないの?」レイが突っ込んだ。「………」ウィルは黙ったままだった。何か聞いてはいけないようなことを聞いてしまったのかと思ったレイは「あっ…ごめんね?別に書かなくてもいいよ!一応ね?聞いただけ……」と少し慌てたように言った。「これであなたはシレネ家のメイドね。1ヶ月間だけどよろしく。メイドになったからにはきっちり働いて貰うからね。」とオリビアはウィルに言った。ウィルは少しめんどくさそうに「はーい」と言ったが、命は取られなくて済んだのでまぁ、一件落着だと一安心した。