青い薔薇の少女
勝ち組宣言
この世の中には勝ち組と負け組が存在する。
金、親、容姿、価値観、 それだけで全てが変わることも。そして人は、勝ち組になるためなら___
〜青い薔薇の少女〜
「だからっ!!早くこれ解けっての!!」
縄で結ばれた少女の声が大きな館に響く。
青い薔薇の高そうなドレスを着た右目に眼帯をした茶髪の少女だ。
「ムリよ。あなたは私のメイドを殺したんだもの。」と、この館の持ち主。金髪の長い髪で、とても美しい顔立ちをしているが、死んだように目に光が入っていない。
この館でかれこれ30分、金髪の子の感情のないような声と、眼帯の少女の少し怒鳴ったような大きな声が響いていた。
眼帯の少女は1人ぐらい殺しても構わないだろうといつまでも、大きな声で金髪の少女と話していた。その時、眼帯の少女の表情が変わった。「ていうかっ、あんた どうなってもしんないよ?だってあたし、あんたのメイド殺したやつだよ、殺そうと思えばあんたなんかすぐ殺せるさ」眼帯の少女はニヤリと笑って言った。「しかも、見た感じあんた 子供でしょ?よくこんな事したね。私を縄で縛るとか」少し、金髪の少女が黙ってから言った。「…………まあ、そうね 確かに子供だわ。13歳だもの」そう言われた眼帯の少女はもう少し年齢が上だと思っていた為、少しびっくりした表情をした。金髪の少女は自分よりも身長が高いからだ。「…だけど、」金髪の少女は話を続けた。「地位が違う。私の方がレベルが2つ上だわ。私のレベルは9だもの。」と。眼帯の少女は目を丸くして少し固まった。………「はぁ!?」眼帯の少女が叫ぶ。「なんで、私のレベル知ってんだよ!!」「あなたが眠っている間に見たのよ。そのぐらい少し考えたらわかるでしょう。それにあなたの名前も見させてもらったわ。あなたウィルというのね。」眼帯の少女はウィルというらしい。そんなことを言っていると、ウィルは少し考えた表情で金髪の少女に「てか、地位はあんたの方が上でも、殺せる、殺せないは関係なくねーか?だって、」ウィルはこの世の中のルールを説明し始めた。この世界の6歳以上は皆、腕時計のようなものを付けている。それは真ん中に数値が書いてあり、それが地位のレベルだ。そのレベルは20まであり、持っている金の量でレベルが変わって来る。金が多いほどレベルは高い。そして、人を殺したら、その人の金も自分のものになる。ただそれだけなので、ウィルはレベルは殺せる、殺せないは関係ないと言った。「そうね、でも自分より高いレベルの人間を殺したら通報されるわよ。」と金髪の少女が言った。「だけど…」ウィルは「あたしは人を殺して、レベルが7まである。普通に金持ちどころじゃないレベルだ。なのに通報されたって別に警察も殺しゃーいいってなるだろ」そう金髪の少女に説明した。「………まあ、そうね。あなたは人を殺してレベルを上げるタイプなのよね。でも殺される心配はないわ。だってあなた………… 広間に置いておいた毒の入った羊羹を食べて眠って、捕まってるんだもの。」そんなことを言われたウィルの表情はつまらなそうな顔をしていた。恥ずかしくはないらしい。「なんであんなもん置いてんだよ」「そんなの……最近うちのメイドが毎晩居なくなるからよ。だからとりあえず、餌を置いた…みたいな感じよ。1人ぐらい殺しても良いって、1人じゃないじゃない。まぁ、やっと捕まえられたわ。」そして金髪の少女は「羊羹、美味しかった?」と尋ねた。「美味しかった」彼女はそう答えた。_____________________
そんな話をしていたら男の子のような声が奥から聞こえてきた。「朝から何騒いでんのー?オリビアー」大きな大理石の階段から降りてきたのは金髪の少女とそっくりな顔をした男の子だ。でも彼女とは違って生き生きした目をしていて、短髪だ。そして、金髪の少女はオリビアというらしい。「おはよう。レイ。」と、オリビア。少年が来てから少しだけ、暗い瞳は輝いた。オリビアの瞳を輝かせた少年はレイというのだ。見た目が似ているため、ウィルは双子だと解釈した。