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ver1.10-感染ウイルス

「決めた。オレは49800SP稼ぐ」


「え……?」


 ユヅキとアンナ、制服姿で二人して歩く中、ユヅキはなんの前振りもなく不意にそう言い放った。

 しかしユヅキにとっては決して不意ではなかった。オクシスとの戦闘を終えて日は既に変わっている。そして昨日の晩にゲームをする間を惜しんで考えた結果だ。……15分しか惜しんでいないけれど。


「何でそんな具体的な数字なの?」


「愚問だな。オレの年齢は今17歳だ。そして寿命は100歳とする。というか、100歳以上はめんどくさいから生きたくない。70歳ぐらいで良いくらいだ」


「いやいや……」


「残りの寿命に12ヶ月を掛ければ、49800だった」


「……嘗ての1位のSPいくつか教えてあげようか?」


「……要らん」


「大体50000」


「要らねぇって言ったろうがぁあああ!」


 周囲からの観察されるような視線に対して一切憚らず、ユヅキは叫んだ。

 でもそんなの関係ねえと何度も心の中で呟きながら、校門を潜った。二人はそのまま学年別に下駄箱へと向かう。上履きを履き、ユヅキは一目散に自分のクラスへと向かおうとする。アンナもそうすれば良いっていうのに……。


「じゃあね、ユヅキっ! また“放課後”!」


 バケツを零したのように視線が浴びせられる中、ユヅキはダッシュで教室へと向かって行った。憂鬱とした気分で教室へと向かうと、マスコミの様な生徒の波で出迎えられた。それを“喧しい!”の一言で蹴散らして、とっとと自分の席へと向かった。

 大体何で三年生までいる? 今一月だぞ。大事な時期じゃないのか。……そうか、アンナは三年だからか。

 溜息を漏らしながら席に着いた時にはもう、憂鬱としたの感情は半分以上失せていた。ユヅキの脳裏には昨日の光景が再生されているからだ。

 ――剣の様な鋭い爪を、ユヅキ目掛けて振り下ろす《デュエルサモナー=オクシス》。それに対し、ユヅキ――アスカロンは変貌した右腕でオクシスのマスクへと喰らいつかんとした。ただ当然、それが通る筈もなく、オクシスの両腕で防がれた。ただ防いだと言っても、右腕の黒いアギトはオクシスの腕に喰らいついている。顎を閉めていれば、オクシスはその牙が喰い込んでいる為決して動かせない。

 どうも、《スキルサモナー》によって呼び出されたものは、その使用者である《デュエルサモナー》のステータスに関係なく、力を発揮するらしい。そうでなければ、オクシスをその牙一つで防げる理由が分からない。

 結果、両腕を噛まれたオクシスは為す術もなかったのだろう。あとは逃がさないように何度も何度も腕を噛み砕くだけだった。徐々にオクシスの口から苦痛の息が漏れ、また噛みついた牙もオクシスの装甲にひびを入れていった。幾度かの噛砕で、遂にオクシスの装甲に限界が来た。バリィン――とガラスのような音を立て、刃の様だった腕の表面は崩れ落ちる。そしてそれと同時にお互い《デュエルサモナー》が解除され、生身の状態になっていた。

 その時にオクシスの素顔は曝されていたのだが、辺りの暗さと倒れた方向によって拝む事は出来なかった。駆け寄り呼びかけようとしたのだが……アンナに止められてしまった。曰く、敗北した腹いせに《不当デュエル》――つまりはオクシスのように《宣戦送信》を行うことはせずに戦うこと――を行う馬鹿野郎が結構いるらしい。

 《不当デュエル》では敵の《デュエルサモナー》に勝ってもSPの変動は一切なく、かつ、どちらかが戦闘不能に陥った場合の“強制終了”もないらしい。つまりはリアルファイトという訳だ。それはとてもおっかなかったので素直に退散したのだ。寒空のした気絶した一人の人間を放置しておくのは流石に気が引けたが。

 昨夜のオクシスとの《デュエル》に勝利したため、ユヅキの《デュエルサモナー》にはSPが実に420もの数が追加されていた。

 《宣戦送信》後の承諾による《デュエル》に勝利すれば、勝者は敗者のSP半分――端数切り捨て――を手に入れる。つまり、オクシスは840SPだったということ。一週間でそれだけ上がっているのだから、二、三回はデュエルをしたことがあるようだった。だから、ユヅキが初戦で勝てたのはかなり運が良かった。勝利の決め手は最後の《アギトストライク》のクリティカルヒットだった。――というのがアンナ先輩の意見だった。

 まあ他にも《デュエル》に関して、レベルが低い《サモナー》からの宣戦は断れないとか色々言われたが、正直ユヅキは覚えていなかった。説明書を読まずにゲームを始める派だから。

 思い出すだけで心臓が激しく波打つ。息を荒げ、汗を掻き、熱気に包まれた感覚。それに少なからず、ユヅキは興奮していた。自分の命が掛かっているとか、誰かに見られたのではないかとか、そういうのではなかった。

 強いて言えば――“情熱”。そう、確かにあの闘いの最中は、陸上競技での空気にとても似ていた。一つの発射音を今か今かと待ち続け、音と同時に弾かれたように飛び出し、汗をまき散らしながら、息をするのも忘れて、前だけを見て、両隣りの選手と駆ける脚の性能差を競い合う。それと、とても似ていた気がするのだ。――《デュエル》は。


「……いいや、そんなことはない」


 組んだ両手を額に当て、ユヅキは自分の机を見下ろす。

 ――違う。そんなんじゃない。あれは生き残るためだ。死への恐怖だ。だから胸が高鳴った。興奮した。あれは決して情熱ではない。ダメだ。一生懸命になっても、どうせ報われないんだ。お前は何度学んだ。何度裏切られた。ダメだ。火をつけるな。もう駆け抜けるな。抑えろ。消せ。殺せ。殺せ。

 ユヅキは一人自分にそう強く言い聞かせる。途中、ミナトが何か話し掛けてきた気がするが、よく分からなかった。

 昨日の戦闘で疲れていたのか、すこぶる快調さで睡眠学習に励み、ミナトとの気まずい昼食を終えたのち、アンナと共に帰宅した。

 コンビニで調達した出来合いのものであしらえた夕食を終え、今はまったりリビングで二人してソファーに座っていた。ソファーはテーブルを囲ってテレビがある側の辺を除いて三つ二人掛けのソファーがあり、その内のテレビ正面の位置にアンナは座っていた。時折テレビの芸人のツッコミに合わせて笑い声を上げていた。それをユヅキは別のソファに座りながら、横目で見ていた。

 色々なことがあり過ぎてあまり気にしていなかったが、アンナのことを全く知らなかった。確かに企業銀鏡の社長令嬢であることなどは知っている。けれどもっとそれより掘ったところや、ましてや《デュエルサモナー》に関する背景が全く見えない。

 どちらを聞こうかユヅキは迷ったが、アンナの《デュエルサモナー》について触れるのはあまり良い気分になれないので、少々プライベートな所を聞く事にした。


「なぁ……アンナはここで一人で住んでたのか? 父親とか……母親とかは?」


「ん? ……あぁ」


 笑い過ぎて流れたらしい涙を目尻で拭き取りながらユヅキを見た。


「お母さんは昔に死んじゃったよ。私が五歳の時かな?」


「あ……悪い」


「良いよ別に。昔過ぎてあんまり悲しくなかったし」


 そう言ったアンナの燃え上がる様な赤い瞳は、この時だけは氷の様に冷たく感じた。


「じゃあ……父親は?」


「知らない」


 即答だった。そして背けた顔と、ユヅキから外した瞳がその話題に触れるなと強く主張していた。


「そっか……じゃあ、一人だったんだな」


 そうだねぇ、なんてテレビを見ながら素っ気なく答えてくる。何となく、話題を逸らさなければとユヅキは思ってしまった。


「あ、でも……彼氏とか居たんじゃないのか?」


 そのぐらいは幾らでも居ておかしくない。何せ見た目は超絶美人なのだ。スラリと伸びた細くて綺麗な足に、細い腰付き、そして外人の血を半分継いだ端正な顔立ち。まるでモデルみたいだ。今はそれらを何やらフリフリしたパジャマで包み込んでいた。

 学校で《銀のお嬢》なんて言われてるくらいだ。幾らでも言い寄ってくる男がいただろうに。


「いやぁ……そういうのはいなかったなぁ。……昔から何処かの御曹司みたいなのが凄い来てさ、正直興味ないんだよねぇ〜……。むしろ女の子の方が――」


 ……んん? 何か不穏な発言を漏らした気がする。


「――あ! でもユヅキは別だよ! ユヅキはねぇー……うん、ユヅキは別」


 にこぉ、と大人びた顔で子供みたいに笑った。それがまた顔立ちとあどけなさのギャップでアンナの可愛さを際立てていた。

 知らず顔を赤くしてユヅキは目を逸らした。


「ああ、そう言えばあの子……あの、ユヅキ一緒にいた子。えーと……」


「ミナトか? 茶髪の長い髪の奴だろ?」


 そうそう、とアンナは首を縦に振る。


「ミナトがどうかしたのか?」


「いや、可愛いなぁと思って」


 アンナは舌舐めずりしながら言う。その表情が普段のアンナから見られないほど妖艶で、ユヅキの脳裏には未成年キープアウトな想像が一瞬だけ繰り広げられた。

 それを犬のようにぶんぶん頭を振ることで蹴散らした。


「いや、ミナトは自分のことボクボク言ってるけど、うん、普通だと思うぞ?」


「へぇ……ボクって自分のこと呼んでるんだ。……何で?」


「いや、それは……」


 ユヅキは返答に窮してしまう。それを答える為には、過去の傷とも言うべきものを掘り起こさなくてはならないからだ。


「ん? どうしたの?」


「いや……何でもない。……それより、《デュエルサモナー》のことで気になることがあるんだ」


 強引にユヅキは話を逸らした。内心、気分は落ちていた。しかしアンナはそれに気が付いていないようで、普段と変わらぬ表情で小首をかしげていた。


「《買い物ショップ》に行ったんだけどな、何か全ての商品が見られないんだけど」


 《買い物ショップ》――。それは《サモナーシティ!》の一角にある登録者が利用できるサービスの一つだ。文字通り買い物が出来るところで、SPを消費することで様々商品を買う事が出来る。その種類は主にアバター類、プログラム類の二つに分かれていた。

 アバター類とはその名の通りで、プロフィールでの自分の姿を装飾することが可能なのである。ユヅキの格好は初期状態で合った為、肌着のシャツ一枚にトランクスという何とも交番直行な恰好だったので、どうせだから上の一枚を脱いで上半身裸にしておいた。

 プログラム類とはどうも《スキルサモナー》を購入できるらしかった。しかし正直プログラム名を見てもいまいち分からなかったし、何より数個しか置かれていなかったため、買う事はなく、ウィンドウショッピングだけで済ませることになった。


「ああ、そうだね。ユヅキはまだレベルが足りないから」


「レベル……?」


 ああ、そういえばオクシスの奴が言っていたような気がする。


「そう。ゲームみたいにね、サモナーポイントが一定量越えるとファイルが出現するんだ。それが《レベルアップパッチ》。つまりは……《デュエルサモナー》の更新アップデートだね」


「オレはレベルアップしてないってことなのか?」


「そうだね。そう言う事になる。……ただ、そのパッチを当てるにはポイントが必要でね。《LEVEL2》になるには確か1000SPだった筈。つまり、1000SP手に入った時点で《レベルアップパッチ》が《デュエルサモナー》内に出現する。それを開くには1000SPが必要である。そういうこと」


「じゃあ……パッチを手に入れてもただすぐに当てれば良いってわけじゃないんだな。もし50以上の余裕がなかったらアンインストールされるかもしれないだろ?」


「そうだね。でもパッチを外せばSPは1000まで増えるんだ。だから緊急時はパッチを外してしまえば良い。まあ、そうなれば当然デュエルサモナーの性能もレベルが下がるけどね」


 なるほど。

 ユヅキのSPはオクシスを倒したおかげで9400SPとなっている。ということはあと60SPでファイルが手に入るということだ。


「じゃあ、レベルアップすれば《ショップ》が多く見れるようになるんだな?」


「そうだね。レベルに応じた階層まで見れるようになるよ」


「ん……? ちょっと待て。レベルパッチを外した状態で――ああっと、例えば《LEVEL4》までのパッチを持ってる奴がそのパッチを全て外して、オレにデュエルは仕掛けられるのか?」


「それは出来ない。《デュエルサモナー》のレベル区分としては所持しているパッチファイルに依存してるから」


 それを聞いて安心した。もし今言ったことが可能であるならば恐ろしい事になる。初心者狩りのオンパレードになってしまう。


「……ああ、あとレベルアップすればもらえる物がもう一つあった」


「何?」


「《ハートアプリケーション》っていうプログラム」


 ユヅキは首を傾げる。そう言われても分かる筈がなかった。


「通称|《奥義》。各《デュエルサモナー》が使用できる必殺技だね、いわゆる」


「またすっげー、ゲームなんだな」


「そうだね。……《ハートアプリケーション》にもレベルが在るんだ。《LEVEL2ハートアプリケーション》っていう風にね。んで……例えばLv2ハートを使用したい場合は、《デュエルサモナー》がレベル2以上じゃないと“ただ”では使えない」


「ただでは?」


「うん。一応それ以下のレベルでもポイントを消費すれば使用することが出来る。レベル1に解除してlv2ハートを使うとかね」


「それは……。なら、早く欲しいな」


 そう自然にユヅキは漏らした。

 その《奥義》があれば今後オルトロスを倒す場合にもかなり楽になるのだろう。


「あと60SP……か」


「そうだね」


 窓へと視界を送る。既に外は暗かった。日はもう沈んでいる。代わりに黄色の月が何だか不自然に浮いているように見えた。時刻は8時オルトロスが出現する条件は揃っている筈だが……今日はまだ来ていなかった。

 ソファに深く腰掛けながら、ユヅキはタスクバーをしばらく見つめていた。

〜 サモナー道場! 〜


ユヅキ「さあ、二回連続です」


ショウ「そうだな。まあ、本編でまた説明入ったからな」


ユヅキ「うん。だからここらで纏めとこうって魂胆よ。作者的にも」


ショウ「そっちだよな、むしろ」


ユヅキ「そうそう。――さ、ショウは出てってくれ。こっから部外者禁止なんだ」


ショウ「え、お、おい。水くせえな、ただでさえ出番ないんだからここでぐらいは――」


 ―――


ユヅキ「さあ、いなくなったところで再開いたしましょう。ショウの代わりに今いますのは、インストラクターのアンナさんです」


アンナ「ちゃおっす」


ユヅキ「まあ、ゆるく解説行っとこうか」


アンナ「だね。付き合ってくれると嬉しいな!」



 ―――



《デュエルサモナー》


人間が《メタフォリックメタファープログラム》に感染した際に変身する姿の名前。


一ヶ月毎に《メタファープログラム》を“更新”する必要がある。更新として、一定量のポイントを自動的に引き落とされる。感染直後のポイントは500Gであり、更新毎に50Gずつ減っていく。

そのポイントを貯める為にはオルトロス、及びデュエルサモナーを倒さなければならない。

撃破したオルトロス、或いはデュエルを行った対戦相手との《デュエルサモナー》のレベル差に応じて獲得ポイントは増える。SPに関しては以下に詳細。

基本的にポイントが如何に少なくなっても《デュエルサモナー》を失う事はないが、月毎の更新を怠ると強制的にアンインストールされる。《デュエルサモナー》同士の戦い《デュエル》に於いては命を落とすことはない。


また、《デュエルサモナー》のみが開く事の出来る回線があり、そこには自動登録されているコミュニティサイト《サモナーシティ!》がある。《サモナー》は皆そのサイトにアクセスすることが出来、各BBSや《デュエルサモナー》に関する新着ニュースを確認できる。

《ランキング》というものがあり、登録された上位の各サモナー所持ポイントが表示されている。《サモナーシティ!》にてプロフィールを参照したり、サモナー同士で相互間登録することが出来る。相互間登録をすると更新情報(主に獲得ポイント、プロフィール、ブログの更新などがある)。

また、《ショップエリア》にてポイントを消費して《スキルサモナー》、《ハートアプリケーション》をサイトからダウンロードすることが出来る。《スキルサモナー》、《ハートアプリケーション》については以下に詳細。


《デュエルサモナー》間での戦いに於いて勝敗の判断をするのは先に凍結フリーズした場合である。この場合にポイントを得るのは最後に攻撃を加えた者。また、これは最後に攻撃した者にはあしあとが着くからである。また、ポイントの変動、及び片側サイドの戦闘不能による強制終了が起こるのは《宣戦送信》を送った場合のみ。これ以外は《不当デュエル》となる。


レベルの上下に関して。

ポイントがそのレベルのポイントに達した場合に自動でファイルが入っている。それは次のレベルへの更新パッチである。その更新パッチを起動するにはその達成ポイントを消費しなくてはならない。また、その更新パッチを解除することで、そのパッチを入手するのに必要なSPまでポイントが加算される。これにより緊急時の更新も回避できる。


※もしかしたら、微調整する可能性も無きにしも非ず……。


 ―――



ユヅキ「はいはい、質問質問」


アンナ「何だね、ユヅキ」


ユヅキ「不当デュエルの場合って命は保証されてんの?」


アンナ「…………」


ユヅキ「お〜い?」


アンナ「……じゃあ次行ってみようかー」



 ―――



《スキルサモナー》


オルトロスを撃破時に確率で手に入るアプリケーション、或いは《サモナーシティ!》でのショップで買えるアプリケーションの事。一時的に起動する装備道具の様なもの。

付具するには『“インスタレーション、〜(拡張子を抜いたファイル名)”』と発音する。




《ハートアプリケーション》


通称《奥儀》。《デュエルサモナー》が使用できる必殺技。各々が個別に元々持っているものを《オリジナルハート》、《サモナーシティ!》での《買い物》ゾーンで手に入るものを《ジェネラルハート》という。

発動する際には『ブート、〜(拡張子を抜いたファイル名)』と発音する。




《オルトロス》


犬や鳥などの姿を模った黒い容姿を持った化け物。




《サモナーポイント(SP)》


《デュエルサモナー》のアプリケーションに加算されていくポイント。主な使用用途は《メタファー》の更新の為に消費されるが、《サモナーシティ!》内での《買い物》ゾーンで、通貨としても使用できる。

入手方法は二つ。一つは《オルトロス》を倒すこと。二つ目は《デュエルサモナー》同士の戦いに勝利すること。《オルトロス》を撃破することで得られるポイントはその《オルトロス》及び自身の《デュエルサモナー》のレベルによって変容する。また、《デュエルサモナー》間のデュエルにおける獲得ポイントも似ている。


《デュエルサモナー》間のバトルに於いての獲得ポイントの変動は以下の通り。

自身と同じレベルの敵と戦い勝利すれば、相手の半分のポイントが加算される。一つレベルの低い相手との戦闘では4/10、もう一つ低い場合は3/10と徐々に減っていく。逆に一つレベルの高い《デュエルサモナー》では6/10となり、段階的に増えていく。ただし上限は9/10であり、下限は1/10である。尚、端数は切り捨て。



 ―――



アンナ「大体システムとしてはこんな所かな」


ユヅキ「端的に言えばRPGだよね」


アンナ「だね」



 ―――



《デュエルサモナー名》


【サモナー】:使用者名

【第一タイプ】:第一カテゴリ

【第二タイプ】:第二カテゴリ

【パワー】:攻撃力、出力。高いほど与える物理ダメージが大きい。

【スピード】:物理的速度

【ディフェンス】:防御力、熱耐久力(要はパソコンで言う耐オーバーヒートですね)

【CPUヘルツ】:処理速度。大技の際の出の速さ、反応速度、耐熱、耐バグ、耐クラッシュ等に影響。

【ディスクドライブ】:《デュエルサモナー》の持ち得る最大容量。ここの数値により持てる《スキルサモナー》の量だったりが決まる。

【メモリ】:戦闘時に於ける最大スキルサモナー召喚容量。パソコンで言う一時メモリ。

【ハートアプリケーション】:所持奥義

【スキルサモナー】所持スキルサモナー


※1これらは同レベル層内に於ける相対的な基準。

※2本来なら《CPUヘルツ》以降は具体的な数値として定めたいのですが、まだ序盤の為決めかねるので大まかなランクのみです。悪しからず。

※3また、まだ明かしていない要素もある為暫定的です

※4そして後々変更する可能性――というか皆さん成長しますし絶対更新はあるのですが、まあ、とにかく変える可能性はありますので、やはり暫定的です。



 ―――



ユヅキ「まっためんどくさいものを……」


アンナ「結構細かいよね。一応各プログラムに数値配分とかする予定みたいだよ。今はちゃんと決まってないけど」


ユヅキ「めんどくせ〜」


アンナ「それは誰の言葉かな? ユヅキ自身の言葉?」


ユヅキ「作者な訳ないじゃないですか〜」


アンナ「…………」


ユヅキ「…………」


アンナ「…………まあ、要はステータスは普通のパラメータにパソコンが加わった感じだよね」


ユヅキ「だね。ん〜……あんまり馬鹿みたいに必殺技を使うと、自分で勝手にフリーズだかクラッシュして自滅しちゃう可能性もあるってことか」


アンナ「そゆこと」


ユヅキ「……あ、ちなみにCPUとありますがサモナー個人のヒューマンボードでの数値じゃありませんよ。ヒューマンボードでは国民全員差異はないので、《デュエルサモナー》に於いての数値ですね。だからCPUと呼ぶかは怪しいもんですが……そこは生暖かい目で見守っていてくれると幸いです」



 ―――



《デュエルサモナー=オクシス》


【サモナー】: ?

【第一タイプ】:スピード

【第二タイプ】:フィジカル―《クラッシャーパンチ》

【パワー】:D(拳のみA)

【スピード】:B(足捌きのみA)

【ディフェンス】:D(腕のみA)

【CPUヘルツ】:B

【ディスクドライブ】:C

【メモリ】:C

【ハートアプリケーション】: ―――

【スキルサモナー】《LEVEL1グリズリーハンド》


暗い黄色のスーツを纏った戦士の姿。サモナーの正体は不明。

長い体躯を強調するような軍の特殊部隊のようなスーツに、バイクのフルフェイスの様なマスクを被っている。

特徴は《デュエルサモナー=アスカロン》と同じく身軽さ。ただし、アスカロンと違いこちらはステップなど小刻みに動かす足捌きの速度が高められている。

専用武装はないものの、それに相当する存在である自身の両腕がある。身体のサイズよりも二周りほど大きい。拳は鎧がついているように鋭利な形状で、動かすたびにその刃の様な装甲がカシャカシャと音を鳴らす。

名前の由来は古代ギリシアボクシングのグローブの名前より。


 ―――



アンナ「主人公じゃないんだねぇ――クス」


ユヅキ「笑うな」


アンナ「いや、ごめんごめん。……で、実際どうだった? オクシスと闘って」


ユヅキ「いや……別に」


アンナ「ですよねー」



 ―――



ユヅキ「まぁ、こんな所でしょうか」


アンナ「ホントなら《スキルサモナー》のステータスもだよね」


ユヅキ「それはまた後々という事で……」


アンナ「多分皆別に見たいと思ってないだろうしね」


ユヅキ「…………」


アンナ「…………」

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