モブです!壁のシミになってもいいですか?
祝、初出勤!いえ~い?
アカン、緊張してくるねん。
王宮内とはいえ、きらびやかな、豪華絢爛のとこと違くて、
地味で質素……でなく~~、げふんげふん、ちゃうちゃう、落ち着いた雰囲気の、ワビサビな第三書庫が俺の職場なんやけど…。
「ペロン男爵の息子さん?僕、ラッセル男爵の三男、オリバーっていうんだ♪オリバーって呼んでね?
ここって若い人いないじゃん、年も近いし、仲良くやっていこうね♪」
いきなり、自己紹介してきたのは、オレより、5才も上には見えない、オリバー・ラッセル先輩。
この、オリバー先輩は、亜麻色の髪に、ハシバミ色の瞳を持つ、男にすんのも、もったいないくらいの、リスみたいに可愛らしい人ねんけど…。
小首傾げるとこも、可愛らしいねんっ?
いやいや、男だっちゅうねん!誰かツッコンでやっ!
午前中、オリバー先輩に、仕事を教えてもらいつつ、過ごしていると、ドアを蹴破る勢いで上司の、(髪がツンドラ地方というか、風邪引きそうな、案件の)タイラー書記が入ってきて、
「ぺ、ペロン君、ミカエル殿下が、お呼びだそうだけど、き、君、一体、何をしたんだねっ!」
うわっ~~!
マジですかっ?
王太子殿下がお呼びですかっ?
俺、ここにおりません………ここにいるのは、壁のシミです!
では、ダメでしょうか?
胃がキリキリしてくるんは、気のせいでしょうか?
迷子になりそうなくらい、(言っておくが、俺は、地図が読める子だっ、その俺が迷いそうなくらいに立派なんや~~)
広いとこを、近衛騎士殿の案内で、奥深くまで進み、やっと来ました王族専用の宮。
やっべえ、マジ、すげえ!って、頭悪そうな、語彙しか出てきいへん。
王太子の部屋のドアの前に到着したが、このドアひとつ、幾らすんやろ……?
一般市民としては、ナンボすんやろ?って、考えてみないですか?
そこの奥さん、どないでっか?
現実逃避してる間に、ドアが開き、部屋の中央には、麗しの王太子殿下が!
部屋に案内され、ひたすら、頭が高い~~!!は、はあ~~~。状態の俺だったが………。
ミカエル殿下が、人払いをし、頭をあげるように言われたが……。
な、なんでや~~!!!
殿下の目が怖い、怖すぎる。
俺、モブですっ!壁のシミってことで、お願いします。ガクブル。
あっ、こんな立派な部屋に、シミってないですねっ!
ごめんなさい、胃が痛いから、帰っていいでしょうか?
怖いので、心の中で、ひとまず言ってみました。
「………ペロン書記補佐だったよな?なんで呼ばれたか、わかっているかな?」
殿下の背後には、ブリザードが見えるのは、気のせいではないような……。
こ、ここは、北極圏でしょうか?メチャクチャ寒い……。
気を失えたら……。アカン、寝たら死ぬぞ~!遭難するぞ~~!
そういえば、北極より、南極のほうが、最低気温が低かったよな……。
現実逃避、してもいいやろか?
チキンハートな、オレやねん。
気にいっていただけたら、泣いて喜んでしまいます。
書いたのが、消えて、書き直ししたのですが…。
よろしくお願いいたします。