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自分が乙女ゲームの世界に転生したと知ってから、いろいろ考えた。
考えた末、特に何もしないことにした。
元々、私が知っているラブアラは「篠崎愛佳視点」での物語であって、間宮優希としては初見なのだ。私に出来ることなんて、せいぜい愛佳ちゃんの恋の行方を見守ることぐらいだし。
このゲームにおいて間宮優希はサポートキャラである。篠崎愛佳の恋を応援し、相談にのり、アドバイスをする役。
例えば、あの日愛佳ちゃんが「占って欲しい」と電話してきたのは男の子とデートに行くことになったからだ。
私の趣味は占いで、何故かよくあたる。
ゲームのシステム上、占いがあたることになんの疑問も持たなかったけど、実際に目の当たりにすると結構凄いと思う。
しかもゲームをしている時は知らなかったけど、この占い、完全に独学。
え、天才じゃない?
その日の運勢と称して占った結果は、ゲーム的には選択肢のヒントになっている。
私の出番なんてそんなものだ。あとは学校行事のイベントに出たり出なかったり。
とにかく、ここがラブアラの世界だと意識せずに私は今まで通り普通に過ごそう。そう決めた。