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特訓

 アリアさんどうかしたのかな?めっちゃ、深刻な顔してる。まだ汚かった?!


「じゃあ、レゼル。お話をしよう」

「は、はい」


 怖い。怒られる?眉間にシワがよっている。せっかくの美人な顔が台無しだ。


「どうしたの?人の顔をじっと見つめて」

「いえ、なんでもありません」


 言えるわけない。言ったら確実に殺されそう。


「真剣な話だからよく聞いてね。…君の体、いや、魂、命と呼ばれるものに強力な封印がかかってた。私の力でも封印を解くには長い時間がかかる」

「封印?」

「さっき、君を鑑定した時に見つけて、少しだけ封印は解除出来た。だけど、それ以上は無理だった。君の奥底から力が暴発してきたから。でもその力は、君のものでもあったけど、他のものも後から襲ってきた。言ってることわかる?」


 あの時、暗闇からの視線のことが、俺の力ではないものなのだろう。


「まあ、このまま封印を解除してたら、君の体は木っ端微塵になってたところだし、ちょうど良かったんじゃない?」


 体が、木っ端微塵….。


「だってまだ君、レベル1でしょ?じゃあ無理に決まってるじゃない。体がもたないもの」

「ん?」


「…言ってること…分からない?」

「….は、い」

「何も聞かされてないのね。レベルって言うのはね。ステータスが上がることだけじゃないのよ。肉体も強靭になっていくの。あと、力の受け皿にもなってる。だから、高レベルの人たちはそれはもう化け物よ。魔物(モンスター)以上の化け物。で、今の君のレベルは1。あの量の力が一気に解き離れたら…」

「容量が小さいから、押されきれなくて木っ端微塵」

「そういうこと。普通はありえないんだけどね。最初からあんな量の力を、持ってることなんて、ほとんどありえないからね」


 封印が施されているから力が奥底で押さえつけられているけど、解除されたら、力が暴発して、体も爆発。

 なんでそんなものが俺の体にあるんだろう。ましてや封印なんてされた覚えがない。しかも、俺に封印したところでなんのメリットがあるんだ?


「なんで封印があるのかはわからないけど、さっきも言った通り、少しだけ開けることに成功した。だから、ステータスに変化がある筈だよ?」

「ステータスオープン!」


 レゼル・アルバーン

 Lv:1

 HP:120/120

 MP:200/200

 STR:50

 VIT:40

 INT:60

 MND:40

 DEX:35

 AGI:55

 SP:0

<魔法>

 火炎属性Lv.1 風属性Lv.1 雷属性Lv.1


<スキル>

 言語理解Lv.MAX 片手剣Lv.2 魔導Lv.1 鑑定Lv.1


<称号>

 巻き込まれし者 風の大賢者の弟子


 ステータス、上がりすぎじゃない?魔法の欄にも新しいの増えてるし、スキルも意味不明なのが…。


「どうだった?」

「色々増えすぎてて…。よく分かんないです」

「ステータスの詳しい情報見ればいいんじゃない?」

「ステータスの詳しい情報?」

「えっ?ほんとなにも教えれてないのね。そのステータスは注視したり触ったりして操作できるんだよ」


 ステータスのこの半透明の薄い板って触れたんだ。

 なんか、半透明のもの触るって変な感じがする。


「ゲームみたい…」

「そうね。あなた達の世界で考えたらゲームみたいなものね」

「ゲームって言ってわかるんですか?」

「ええ。昔、あなた達の世界から来た人が、言ってたのよ」

「僕達の他にもいたんですね」

「結構前だけどね。そんなことは置いといて、さっそく詳細を確認してみて」


 ステータス値は勇者たちとほぼ同等の値になった。

 ステータス画面を触ってみる。


「おっ!すご!」


 画面が変り、詳しい情報が書かれている文が出てきた。


 ・火炎属性-火属性魔法の上位版。


 ・魔導-<固有技能(ユニークスキル)

  常時発動

  魔力量+100%

  魔力制御、魔力操作に補正

  魔法構築速度に補正

  魔法詠唱補助

  魔法効果+100%


 ・鑑定-注視することによって、対象の詳細を見ることが出来る。対象に近づけば近づくほど詳しい情報を見ることが出来る。


 ・巻き込まれし者-せ●▽の〇※◇*¥ま}?□>◆


 ≪巻き込まれし者≫は文字化けしていて読み取ることができなかった。勇者達のステータスには無かったスキル。


「見ることできた?」

「はい」

「じゃあ、もうこんな時間だし、この紙にステータスとその詳しい情報を書いといて。詳しい話は明日にしましょう」


 アリアに寝室に案内され、窓から外を見る。この世界に来て、必ず見ている夜空に浮かぶ2つの惑星。

 異世界に来てから、俺の身体に何が起きているのだろう。ただ、強くなっている。日本にいた時とは、比べ物にもならないほどに。


  ***


 清々しい朝。小鳥のさえずりが聞こえ、いい匂いがする。リビングに行くと、アリアが朝ごはんを作っていた。


「おはようございます」

「あぁ。おはよう。もう少しでできるからちょっとまっててね」


 少し待って、食卓に並んだのは、焼き魚、パン、スープだ。焼き魚は日本で食べるものに似ていた。


「どう?美味しいでしょ?」

「はい。とても懐かしい味です」

「昔に君と同じ世界から来た人に教わった料理なの」

「その人は料理がうまかったんですね」


 明日は、俺がアリアにご飯を作ってあげよう。



「ご飯も食べ終わったし、昨日頼んどいたもので来てる?」

「はい」


 ステータスのことが書かれている紙を差し出した。

 アリアは、紙をじっくりと見てから言った。


「君には魔法の才能があると思う。火炎属性は火属性を極めた者がたどり着くことの出来る上位属性。そして、固有技能(ユニークスキル)の<大魔導>。このスキルは、魔法を使う上でとても有利になると思う。だけど、ステータスでがいいとしても、その使い手がしっかりと制御出来なきゃ、宝の持ち腐れになる。これから、ビシバシと指導していけからよろしくね」

「はい!」

「じゃあ、これ、練習メニューだから」


 そう言って、朝から夜中まで予定がびっしりと詰まっている紙を差し出された。


 朝起きたらランニング。そのあとご飯食べてからの、座学。お昼食べたあとに、魔法の訓練。夕飯のあとに、魔力制御訓練。


「週一で休みあげるから、安心してね」


 まったく安心できない。アリアは優しく微笑んでいるのだろうが、鬼にしか見えなくなってきた。


「じゃあ、座学から、はじめよっか!!」


 アリアが大量の本を持ってきて、説明をしてくれるらしい。



 この世界には五つの大陸がある。それぞれ、神王大陸、魔大陸、幻夢大陸、神獣大陸、海皇大陸と呼ばれている。


 神王大陸北西部にはバルクスト王国、北東部にマスルール王国、南部にデルート皇国がある。


 魔大陸には、魔王を頂点とする、エリザード魔王国。


 幻夢大陸にはエルフ、ドワーフ、精霊、霊獣幻獣などの集落が多くある。


 神獣大陸も、狼族、猫族など各種族ごとに集落を作っている。


 海皇大陸はヴェルエーニ国という、民主主義の国によって成り立っている。


 この世界には異世界の定番、迷宮(ダンジョン)が存在する。その中で有名なのが世界樹の塔、海底神殿、神獣大陸の巨大森林、幻夢の摩天楼、古代魔王創造迷宮、砂漠の三角迷宮の六大迷宮である。

 その他にも多くの迷宮(ダンジョン)が存在するが、六大迷宮は攻略難易度がとても高く、攻略している人物は10人にも満たないと言われている。


 この世界の魔法を極めた者には、大賢者という称号が与えられる。それぞれ、火、水、木、風、雷、土、光、闇の大賢者が存在し、それらを八大賢者と呼ぶ。

 大賢者の力は絶大であり、その力は小国ならば容易く破壊することが出来る。時には、一国の王と対等の権力を持つこともある。


 魔物。モンスターとも呼ばれる。

 野生動物の突然変異や、大地から湧き出る魔力の素、魔素を体内に過剰に蓄積し、魔物(モンスター)になる。

 魔物(モンスター)になった個体が繁殖をすることによって、その種類の魔物(モンスター)が増えていく。

 魔物にはランクがつけられていて、E,D,C,B,A,S,SS,SSSの順で強さが増していく。


 異世界の謎、ステータス。文献によると、約1000年以上前に突如として、人々の生活に現れた。

 レベルは魔物(モンスター)や人間などを倒した時に経験値が達していると、増加する。だが、経験値を見ることは出来ないため、いつレベルが上がるかは分からない。

 また、レベルアップ時にステータス値は上がるが、魔法、スキルはレベルアップとは無関係に熟練度を満たした時に上がる。称号も、レベルアップとは無関係である。

 

[変更]

ステータスのMPを、160/160から200/200に変更しました。

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