6,スー達の修行
おはようございます。
日孁です。
今日は寒いですね!
体調を崩さないよう気をつけましょう!
リアを連れて、再びハーカバを登る。
とはいっても、ほとんど登りきっているからそんな時間はかからない。
お、また戦闘音だ。
一体誰が?
音のするほうを見ると2頭の亜龍が縄張り争いをしていた。
僕はなにも聞いていないし、見ていない。
だから、危険度5の亜龍がなんでこんな所にいるかとか、あれが飛龍に陸龍かなんて、思ってない。
2人も同意見らしく、何も言わずに歩みが早くなる。
さらに数十分ほど歩いたところで、スーが口を開いた。
「ここら辺でい〜よね〜」
「いいんじゃないかしら? 聞いた感じまだ危険度5は無理そうだし」
この辺りなら、せいぜい危険度3~4ぐらいの魔物しか出ないだろうしちょうどいいね。
マスコルみたいに下りてくるやつもいるかもしれないけど、その場合は縄張り争いに負けたやつで、この3人なら逃げることくらい大丈夫だと思う。
ふむ、するとマスコルは負けてきたのかな?
もしそうなら僕達が倒せれたことも納得ができる。
いや、タフゴープナを一撃で沈めてたわ。
弱いとは思えない。
やっぱり謎だな……
「お、いいヤツいるじゃん!」
周りを見渡すと、少し先に大きな土色のカエルを見つけた。体長は約7mほど。
「スー、あいつが見えるか?」
「あれは〜?」
「あれはガロゲロ、大きい蛙型魔物だ。体は体液でぬめってるから剣みたいな物理的な攻撃が効きづらい。あと、長い舌を器用に使って攻撃してくる」
「物理攻撃効きづらいの〜?」
「全部って訳じゃないがな。とはいえ、危険度4の他の魔物より攻撃も速度も無いし変わった特性も持っていない。おそらく、お前達にとって一番ちょうどいいんじゃないかな」
「りょ〜かい。マスコル〜! 行くよ〜!」
一通りの説明を聞き、スーとマスコルがガロゲロへと向かっていく。
音で気づいたのか、向こうもスーに舌を伸ばしてきた。
なにあれ……舌を使うのは知っていたけど
あんなに伸びるの?
その代わり、最大まで伸ばすほど速度は緩くなるな
数十メートルは離れているにも関わらず、舌はスー達の場所まで届いた。だがスーとマスコルは余裕をもって横に避けている。
あんな遅かったら余裕だよね〜。
ガロゲロは当たらないと判断したようで、今度は舌を地面に突き出し反動を活かして前方に飛んだ。
うん。
舌って便利だね!
蛙だし普通に跳んでも高いんだろうけど、これは多分さらに高い。本当に飛んでるみたいだ。
お、ハイジャンプからのメテオアタ───ック!!!
決まった!
……決まっちゃダメだな。
だけどスー達に慌てた様子は無いし、ダメージはそんなに入らなかったみたい。
良かった。
良くないか?
いや良かった。
ガロゲロとの距離が一瞬で縮まったことで、スーは少し怯んだみたいだけど、すぐさまガロゲロへと剣を構える。
さらに距離を詰め、何故か微動だにしないガロゲロの体に剣を突き刺すが、
ヌルッ
体液で刺さらないどころか切り傷すら与えられない。
まぁね。そういう魔物だし。
スーも予習済みだったので、そんなに驚きはない。
少し驚いてるように見えるのは……うん、仕方ない。
さて、あのヌルヌルにどうやって立ち向かう?
あっとぉあ。
マスコルがガロゲロに突進!
大きな蛙に熊が向かっていくって、なんかシュールだな。
これはあれか?
ツノぶっ刺しか?
あっ……違った。
普通に引っぱたいた。
でも、それで正解。
ガロゲロがマスコルの一撃に苦しそうに唸り声をあげた。
斬撃系の物理攻撃はあんまり効果がないけど打撃系統のものならばダメージが蓄積されていく。魔法に比べると効果は薄いけど、剣よりもだいぶマシだ。
まさか、マスコルの方が気づくとはねー。
あ、違うなあれ。
めっちゃ驚いてるわ。
たまたまかよ!
とはいえ、これでスーも戦い方が分かって……
「はぁぁぁあ!!!」
ないな。
剣で斬りつけてるわ。
「おい、スー。今の見てなかったのか?」
「え? 何が?」
舌の薙ぎ払いを避けながら返事をくれた。
見てなかったか。
スーなら余裕はあると思うんだけどね。
……とりあえず教えてあげた方がいいよな。
「そいつは物理が通りにくいとはいえ、打撃ならダメージは入る。そして連携。これで理解したか?」
「わかった〜! やるよ!」
気持ちいい返事をしたスーがマスコルに目配せする。
マスコルも意図を汲み取ったように頷いた。
ついにマスコルとスーが連携を!
と思ったが、ガロゲロに対して何かをやろうとしているものの、お互いタイミングがズレてしまっている。
ん〜、まぁ初日だし仕方ないのかもな〜。
逆に初日であれだけ出来るのはすごいのかもしれない!
いや、知らないけど。
けれど着々とダメージは与えられている。
特にスーの一撃がヤバい。
なんで1発ごとにガロゲロ、気失いかけてんの?
あっ、終わった。
大きな蛙が泡を吹いて倒れてる。
「マスコル〜! やったよ〜!」
スーがマスコルを抱きしめて言う。
うん。やったね。
連携はしてなかったけどね。
「ちょっと、あれでいいの?」
静観していたリアが小声で聞いてきた。
こっちが聞きたいくらいだ。
なんだあれ!
ゴリ押しじゃねぇか!
でも、そんなこと言える立場じゃないんだよな。
「さぁ、魔物使いの修行なんて詳しくは知らないからな……今はあれでいいんじゃないか?」
「……そう」
「じゃあリア、僕は見回りに行くから、その間スー達は任せた」
「ええ、分かったわ」
別にスーが強すぎて自信失いそうだから、他の子達を見て安心したいとか、そんな気持ちはない。
ほんとにない。
断じて違う。
ただ、長老達に任されたからやるだけだ!
来た道を歩く。
ギャオォオン!!
グォォォォォオン!!
早歩きで歩く。
お、いたいた。
ふむふむ、あれは……スライムかな?
見つけたのは2人組だ。
スライムは中型サイズで1匹のみ。
核を狙って2人は連携をとるが、上手いこと躱されている。
やっぱあれぐらいが普通なんだよな。
あれでも危険度2だ。
普通は手こずってもまぁ仕方ない。
やっぱり僕も強い方だよな。
うん、スライム相手には手こずらんぞ?
はぁ。
周りにヤバいのがいるだけで、ほんと強さの基準がおかしくなってくる。
のんびり考えながら観戦していると、1人の槍が核を突き刺した。核を破壊されたスライムが形を保てずに崩れる。
倒したみたいだし、次行くか。