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太陽の申し子〜竜に選ばれた少年の旅物語〜  作者: 日孁
第1章~純白の支配者~
60/86

51,要件

「……では次は俺の要件だ」

「あー、オレ達出てった方がいいか?」

「…………構わない……お前たちにも頼もうと思ってた」

「そうか」


 僕とタマだけだと思ったらどうやら彼らにも関わることらしい。なんという偶然!

 ん? いや、まさか。


「……強いからな」

「???」


 はい、やっぱそういうことですか!

 全員と闘いたいのか! この戦闘狂!


「……お前たちには俺と一緒に洞窟に潜って欲しい」

「洞窟って言うと、ヘビィ大洞窟か?」

「……そうだ」


 ほーら、やっぱr……?

 洞窟? しかもヘビィ大洞窟?

 ちょうど僕達の目的地だ。


「それはまたどうして」


 タマがルドルフに問いを投げかける。

 僕も気になってた。

 別に洞窟に潜るのは魔物を狩るだったり鉱石を取る為に、冒険者なら有り得ることだろう。

 けど、ルドルフはS+(ランク)。かつ不老不死の吸血鬼(ヴァンパイア)

 別にこんな大勢、しかも実力者ばっかで挑む必要なんてあるのか?という疑問だ。


 自分で言うのはなんだけど、僕もそれなりに強いと思う。ルドルフと闘えば恐らく、勝てないだろうけどいいところまでは行けると思うし、負けることはないと思う。なにせ、僕にはルビアスがいるからね。

 ルビアスがやられてしまってはどうしようもないけれど……そんなことはないだろうし、させない。

 ついでタマ。タマは、まあ強いのはわかっているからいいや。アンナも、弱くはない。8人の男の冒険者相手に戦えてたし、押してたらしいし。最後は負けてるけど☆

 そのアンナを負かしたのがこの青年……そういえば名前まだ聞いてないや……は(ドラゴン)を使役、じゃないね契りを交わしている龍契者だし。

 アンナに負けたとはいえ連携が完璧だったっていう7人とそのリーダーのジクシオ。弱かったらアンナも焦って変な事しなかったし。つまりはそこそこ強いはずだ。

 このメンバーで行かなければいけない理由。誰かに断られる可能性があるからってのもあるだろうけど。


「……洞窟の主に会うためだ」

「主ってお前、【王種】か!」

「おい、そもそもいるのか?」


 ジクシオと青年が驚いの声を上げる。といっても落ち着いてるな。

 僕ら?

 僕達は……ねぇ?

 もともとそのつもりだったし、別に今更驚くことじゃない。


「……いるはずだ」

「会って、どうするんだ? 少年」


 タマが核心を突いた質問をする。

 僕達でさえ会えるのか分からない相手。会って何をするつもりなんだ。闘うのかな?


「…………闘ってみたい」


 闘うんだ。


「流石にそれは……無理だろ」


 ジクシオの冷静な判断。

 無理に決まっている。ルイフという【王種】を間近で見てきたから分かる。勝てるわけが無い。


「でも、まぁこんだけ強いやつがいれば何とかなるかもしれないけどな」


 青年の発言。

 舐めすぎている。

 伝承でしか語られないような【王種】は実際の強さなんて分からない。計り知れない。

 ただ人知の及ばない相手だからこその【王種】であり、危険度10と言われている。

 あ、でも前ルイフに「天王ならお前に勝てるのか?」って聞いたら「どうでしょう」なんて濁されたな! もしや!


「いや、やめておけ」

「…………」


 タマが制止する。

 この中で1番【王種】を理解していて、かつ冷静なのはタマだ。

 アンナ? 僕やローブの人達と一緒にボケーッとしてますが?


「なぜお前が【王種】と闘いたいのか分からないが、お前が闘っているつもりでも【王種】にとっちゃ遊びでしかない。命が無駄になる。悪いことは言わない、やめておけ」

「……だが」

「どうしても行くってんなら、闘おうとするのだけは無しだな。別に闘うだけが目的じゃないんだろ?」

「……お前は」


 違うの? 戦闘狂だから世界最強と呼ばれる【王種】と闘って最期を終えたい、みたいなのかと。


「……目的はない……生きる目的を探すために旅している」

「生きる目的を探す、か」


 訳ありがとう。

 生きる目的を探す……分からなくもないな。

 それがなきゃ生きている実感が湧かないし、活きている意味がない。

 それを探す旅、なんだか少し面白そうだね。


「結論のところあれだ。その生きる目的ってのを知りたくて【王種】に会いにいくと。そんで闘えばなにかヒントが得られるんじゃないか。死んでもそれはそれで本望だと」

「…………そうだ」


 タマがスラスラと、訳しているように見えて実際は心の中読んでいるんだろうなー。

 ルドルフが「俺のことをこんなに理解してくれる奴なんてこいつが初めてだ」みたいなちょっとキラキラしてるし。


「なんていうか、戦闘狂。あ、いやバトル馬鹿?」

「奇遇だな。オレも同じこと思ったぞ」

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