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太陽の申し子〜竜に選ばれた少年の旅物語〜  作者: 日孁
第1章~純白の支配者~
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46.吸血鬼の男

「あ、ちなみに隣のあの方がS+(ランク)なんですよ。見えないですよね」

「へえ、隣……」


 隣って……受付の人が一瞬目をやったところは、やはり吸血鬼(ヴァンパイア)の彼だった。

 あ、目が合ったわ。


「……」


 なにあの人怖い!

 なんも言わずにこっち睨んできた!


「さあ、行きましょうか」

「は、はひ」

「???」


 先導されて連れてこられたのは周りが鉄の壁に囲まれたところだった。地面には魔法陣が描かれている。


「では、アレン様はこちらで。タマ様は外でお待ちください」

「うす。ま、アレンほどほどにな」

「え? あー、うん」


 なにが?


「それではE級昇格試験を開始します。内容は至ってシンプル。制限時間内にこの場で魔物を狩って頂くか、試験監督による模擬戦でございます。安全のため、模擬戦の場合、武器はこちらで用意されたものを使用してください。では、どちらになさいますか?」


 魔物か人か、か。

 どっちでもいいけど、模擬戦は武器の持ち込み不可なのが残念だな。魔物にするか。


「魔物の方で」

「かしこまりました。では危険度2のブルフーフの討伐です。制限時間は1時間。開始してください」


 おや? あの人は離れないのかな?

 というかブルフーフどこよ。


 ガコンッ


 目の前の鉄の壁が動いてそこからブルフーフが出てきた。

 わお、さっきの透けてるやつといいこれといい……本当にどういう仕組みだ?

 魔力の気配はしなかったぞ?


「あ、すみません。魔法って使ってもいいんですか?」


 剣術が得意だからって話したけど、別に魔法が使えないとは言ってないしね。


「はい。もちろん大丈夫ですよ」

「ありがとうございます。あの、外に居なくても平気なんですか?」


 余計なお世話だろうけどなんとなく気になった。

 何かあってからじゃ遅いし。


「ご心配ありがとうございます。我々職員は一定の水準を上回っておりますので。もし何かあればこちらで対応させてもらいます」

「なるほど」


 つまりは強いんだ。

 確かに、さっきみたいな頭は良くないけど腕っ節はあるみたい人達を大勢相手にするんだったら、相応の力は求められてるのかな。


「では、遠慮なさらず」

「あ、それじゃあ」


 (カミューナ)を構える。

 いくら危険度2だからって舐めちゃいけない。

 どれだけど強いひとだって油断すれば命は危うくなる。例え相手が自分よりも格段に下だとしてもだ。


 ブルフーフは猪型の魔物。

 普段は群れないけど、ブルフルーフとかいう上位個体が統率する力を持っているから、そいつが出た時は危ないかな。

 ま、今はこいつ一体だけ。大きさは2mぐらいだから平均だ。生息域によって色んな特色を持つけど、こいつは……ロックブルフーフかな?

 岩肌の見える地域にいるブルフーフで身体も岩みたいに固くなる。とはいえ固くなるって言ってもほんの少しだけ。危険度5なんかと比べたらなんでもないぐらいの変化率だ。

 ちなみに他にもフレアとかアイスとか、色々いる。


 さて、そんなブルフーフだがこいつの攻撃は至って単調、だったはず。だって突進しか出来ないんだもん。

 本で読んだだけで実際に戦うのは初めてだけどね。


 予想通りロックブルフーフは突進してくる気だ。

 前足で地面を掻き、こちらをじっとみている。

 束の間、助走をつけて向かってきた。


「さあ来い!」


 今夜の飯だな。

 ……貰ってっていいんだよな?


「剣技─五月雨斬り─」


 マスコル相手に初めて使ったこれ。

 今じゃもう、完璧に仕上がっている。


 バタッ


 僕の剣を受けその場でロックブルフーフが崩れ落ちる。というか、身体がバラバラになって形が維持出来てないけど。魔法を使うまでもなかったね、一瞬だ。


「お見事です。一糸乱れぬ剣さばき、惚れ惚れしました」


 やっぱこういうのに慣れてるんだな。

 僕みたいにどっかの村で暮らしてたとか?

 にしても、この人……自分で言ってたけど恐らく本当に強いわ。完全に僕の剣の軌道を捉えてた。


「今の動きですと……すでにC+級はありそうです」


 Cね。まぁ魔法も使ってないしそんなもんか。

 マスコルと同じくら……いや、C+だからスーぐらいかな?

 あのスーと同じぐらいの身体能力……改めて、太陽の申し子(サージェビクシュ)だな。もちろん外骨格とかの問題があるから素では負けると思うけど……ん? てことはリアってどれぐらいなんだ?


「ただ、失礼ながらまだアレン様の人柄などがはっきりしておりませんので、申し訳ございません」

「いや、いいですよ。元々そういうことだったんですし」

「……別にいいんじゃない?」

「!!?」

「ルドルフ様、驚かさないでください。それに、無断で試験広場に立ち入ることはいくらあなたでも許されていませんよ」

「……」


 突然現れて突然黙った。

 やっぱ睨んでくる! 怖い!


「……ルドルフ・クレーパーだ」


 イケメン吸血鬼が手を差し出して握手を求めてきた!

 アレンはどうする?


 ▷1.無視する

  2.戦う

  3.逃げる

  4.惚れる

  5.握手する

あれ?

そういえばリアやスーの外見って細かく説明したシーンってありましたっけ……


《訂正》

魔物の危険度の説明をだいぶ変更しました。

(例)一般人○人分→町を潰せる程度の


よろしくお願いしますm(*_ _)m

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