34,急展開
旅を始めて6日目、ルビアスの言っていたであろう村がようやく見えてきた。
山の中って景色が変わんなくてつまらなかったけど、だからこそ、こういった変化は嬉しいよね!
迷わなくなるし!
うん、ルビアスの計算だと5日程度だったのがちょっと伸びてるのは道に迷ったからであります!
そのおかげで、アンナに先頭を歩かせては行けないということが判明した。
あいつ……方向音痴だ。
ん? 女性を先頭に立たせるなって?
チッチッチッ
レディファーストってこういうことでしょ?
僕はとても紳士的な振る舞いをしたのさ!
はっはっはっ
まぁ、あの村の図書館にある本に書いてあるようなことだから、他のとこでも意味があってるのか、そもそもあるのか分からないけどね☆
とか言ってるけど、別に迷ったからってそんな困ることじゃない。
ルビアスは空を飛んでるからすぐ?に教えてくれるし、ただ「歩く量が増えたね! やったね!」ってだけ。
それぐらいならなんでもない。
迷った原因のアンナ自身が滅入っただけで。
「よーし。もう暗くなってきたしあの村まで走るか、また一日野宿するか、どうする?」
タマが聞いてきた。
もちろんここは、
「走r…」
「野宿ね」
え?
「この時間に訪ねても泊めてもらいやしないでしょ」
「ふむ、まぁそうだな。アレンもそれでいいか?」
「……はい」
くそぅ! やっと雨風凌げれると思ったのによぅ!
だが、アンナの言うことも尤もだ。
言い返せない……
ぼ、ぼくに! ぼくに力があれば!!!
─アレン、うるさい。雨風なら私が防いであげているでしょう?─
……すみません
─よろしい─
寝る時、ルビアスはその大きな翼で僕を覆ってくれている。
つまりアンナの達よりかは断然快適なのだ!
え? 一緒に入れて上げろって?
それはまぁ、僕も賛成なんだけど……
ルビアスが拒否するんだもん。
僕の身を案じてやってくれているから、怒るに怒れないし……
「またなんか食いもん見つけてくるわ」
「それなら私は火の準備を」
やべ、仕事ねぇ!
「じゃ、じゃあ僕は枯木を!」
─「「要らない」」─
なんだよなんだよ。
みんな揃ってさ。
ルビアスまでそっちの見方ですか。
あーそうですか!
もう知らない!
─アレン……─
なんだい!
あっちで楽しくしとけよ!
─めんどくさい─
はい
ドゴォォォオン!!!!!
あと少しで寝れそうだって時に、物凄い爆発音?が辺りに響き渡った。
「……なに?」
「うーむ、方角的には向かっていた村からだな」
「流石タマさん、冷静ね」
「まぁな。でどうする、向かうか?」
「とりあえず、何が起こったのかだけは確認しに行きましょう」
「「了解」」
夜目がきくタマを先頭に、アンナ、僕という順で走っていく。
木々をかき分けつつだから非常に走りづらい。
山に慣れていないアンナが良くついていけてるな。
─先に行く─
分かった
明るい赤い光が見えてきた。
……まさか。
「おいおいおい」
「……あら」
どうやら、予感は的中してしまったようだ。
村に着いた僕達の目にした光景は、炎に包まれた燃え盛る村に、困惑する村の住人達。
そして、ルビアスに咥えられた3人の黒いローブを羽織った者の姿だった。
「ごめん。……どういう状況?」
急展開過ぎない!?
えー? あれー?
予感的中した気がしたんだけどなー?
それがもう終わってるってなんだよ!
─私にも分からない。こいつらに聞いて─
ルビアスが咥えた3人組をこちらに放る。
いやまあ、何となく察しはついたけど。
「……えーっと? 何から聞けばいいんだ?」
「さあな。それよりも一度落ち着きたいな。村長さんいるか?」
グッドタマ!
流石、出来る魔法猫は違うねぇ!
他の魔法猫見たことないけど。
「お、わゎ、私です」
ポケーっと突っ立っていた人集りの中から1人あゆみ出た。
んー? なんか村の人達の中に若者が居ない気が……
なんでだ? 過疎化か?
「突然来て済まないが、どこか無事な家がないか? こいつらを置いときたいんだ」
タマが3人組を指さす。
「え、えぇ。地下が恐らく無事かと」
「地下があるのか」
「はい。鉱物を発掘するのが我々の仕事でして」
「なるほど。んー、いや、そこはあんたらが使う方がいいな。この人数だと他にいい所ないだろ」
「はい」
なんかタマ、来て早々図々しいというかなんていうか。
「じゃあ今すぐ尋問するか。悪いのはこいつらなんだろ?」
「えぇ」
「アンナ、まずお前の鑑定眼でこいつらを見てくれ」
「分かりました。でも、あの鳥みたいにはいかないわよ?」
「構わん」
「じゃあ」
アンナが1人ずつ見定めていく。
……あ、なんか一人だけ顔赤くなった。
魔法かなんかの予兆か!?
─違うから、安心して─
そうか。
「えーっと、魔力量は一般人に比べたら高めね。聖気はそんなにないわ。名前は……分からない」
「……お前とこいつらで殺り合ったらどっちが勝つ?」
「2人までならなんとか勝てるだろうけど、3人は厳しいわね」
厳しいって、負けるわけではないのか。
「よし、分かった。それなら尋問を始めるか」
「あんまり煩くしないでくださいね」
「大丈夫。物理的に痛いことじゃないから」
その時のタマの笑顔と言ったら……




