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太陽の申し子〜竜に選ばれた少年の旅物語〜  作者: 日孁
第1章~純白の支配者~
3/86

2,成人の儀式①(スーとヤマコスタル)

 あれから数ヶ月の月日が流れた。

 あの日以外、特に変わったことは起きていない。そして、ハーカバにも近づいてない。

 ドロフィンさん達の見送り?

 そんなこともあったな。

 それで、あの日以外は本当に何も起きていないわけだけど、今日は違う。

 今日は待ちに待った成人の儀式が行われる、この村にとって特別な日だ。

 僕は広場で、同じく儀式を受ける子達二百数人と、いまかいまかと始まるを待っていた。意外と子供いるだろ?

 ソワソワとした雰囲気が立ち込めている。


 にしても。

 いやぁ、ついに……ついにこの時が来た……!

 この儀式、試練を無事合格すれば、僕も立派な大人の仲間入りになる。そうすればこの村の外に出ることも出来る。

 この村は他と隔離されてるようなもんだから、一度は出てみたかったんだよね ♪


 ふっふっふ、誰も僕を止められない。

 さあ、どんな困難も突破してやろう。

 かかってこい!


 語り部のじいさんこと長老が前に立ち、ゴホンと一つ咳払いをすると、ザワつきが静まり、皆が一様に長老を見る。

 長老からの言葉を期待してまた少しザワつきはじめた時、ようやく長老が口を開いた。


「えー、お主たちにはこのハーカバに住まう魔物達を()()()()()()()()。それがこの儀式の試練じゃ」


 ん?

 長老さん?

 聞き間違いかね?

 今、魔物をどうこうって……?

 えぇ!

 マジかよ!

 そんな簡単(・・)でいいの?

 よっしゃ。

 もう勝ち確っすわ!


「ただし、各魔物によりポイントの大小がある。当然じゃろう? コサコとかニューアとか相手にしたところでなんの試練にもならん。ちなみにそやつら危険度1は2ポイント。危険度2は10ポイント。危険度3は150ポイント。危険度4は600ポイント。危険度5は……いや、危険度5以上の場合は逃げなさい。まぁそういう事じゃ。合計1000ポイント達成したものが合格。期間は1週間。武具はここにあるものでも、各々準備しておいたものでもよい。倒したら証拠となる部位を適当に取ってくること。ああそれと、分かっているとは思うが、山の中間地点辺りから先には絶対に行くでないぞ。まあ、念の為に大人が各所に待機しておるし、もしもの事態にはならないとは思うがの。さあ、分かったなら行けぇい!」


 ん?

 長老さん?

 聞き間違いかね?

 今、1000ポイントって……?

 マジかよ! なんでこういう時だけ現代チックなんだよ!

 昔からそんなポイント制だったのか?

 危険度1を倒してはい終わりじゃダメって、これは誰かの陰謀だ。間違いない。


 他の子達からも非難の声が出ているが、長老はどこ吹く風だ。


 まぁ仕方ない、コツコツやっていけばなんとかなる。

 危険度4を倒したらすぐ?

 いや、無理。危険度4ってのは確か、町ひとつ潰せれる程度だったはず。それを1人で?

 何その無理ゲー。


 だから僕はポイントが低かろうが、危険度の低い奴らをボコしてこようと思う。別にダメってわけじゃないしね。ただ時間はかかるけど、1週間もあれば十分じゃないかな?

 よし、なら善は急げだ。他の奴にとられる前に先にとる!


「アレンにリア〜、ど〜する〜?」


 今にも飛び出そうとした時、後ろから声がかかった。

 スピリアだ。スピリアは蟲人(インセクター)族の男の子で、幼なじみ。僕を含め、みんなからスーの愛称で呼ばれている。


「なにが?」


 返事したのがリアで、こちらも僕の幼なじみ。だいぶ気が強くて男の子みたいだが、ちゃんとした女の子だ。

 まぁそのせいで、顔は悪くないのにモテない。

 ドンマイ、リア。

 いつか君のとこにもいい人が現れるさ。


「いや〜、思ったよりハードだからさ〜。2人はどうやって動くのかな〜って思ってさ〜」


 あぁ、そういうことか。

 まぁねぇ。何となく予想はしてたけど、それでも突然魔物倒せ!とか言われたら困るよね。

 ふふふ、私の完璧な戦略をお伝えしよう……


「さあね、そんなことも自分で判断できないようじゃまだまだでしょ?」

「え、え〜! ひど〜い! リアひど〜い! な〜、アレンは〜? 教えてくれよ〜」


 リアは呆れたと言うように大袈裟な仕草を取りながら答える。


 ふむ、リアは考えることもひとつの試練として捉えたのかな?

 でも、僕は助け合いも大事だと思う。

 断じて、スーが可愛いから助けたいとかの理由ではない。


「僕はコツコツと危険度が低いのを狩っていくよ。1週間もあるんだから、焦らずにね」

「あら? アレンにしてはちゃんとしてるじゃない」


 失礼な。

 なにがアレンにしては、だ。


「失礼な。これでもこの儀式のために今まで頑張ってきたんだぞ!」

「はいはい、まぁ頑張って」


 ったく、なんだよ!

 まぁリアのことはほっといて、スーの方は、と……???

なんでこの子こんなに目がキラキラさせてるの?


「アレンすげ〜! 俺もそ〜してい〜か?」


 なんかすごい尊敬されたようだ。

 お前の方がツノとかあってカッケーけどな……羨ましい。


「別にいいぞ。なんなら一緒にやるか?」

「いいのか〜! ありがとな〜! これで安心だ〜!」


 うん。やっぱスー、お前いい子だなぁ。

 となりの怖い人とは大違いだ。

 ……睨まれた。


 ともかく、これで僕らは何とかなりそう。

 いや、リアの発言からしてなにかやる気だな?

 大丈夫か?

 僕より強いと思うし、無茶でもなんとかしそうだな。

 よぉーし、何も問題なし。では行こう。

 レッツ・ゴー・トゥー・ハーカバァ!



 ───────────────────────────



「アレェェーン……まぁっ……てぇぇええ〜」


 ここらも狩り尽くしたし、次だ。

 今のとこ戦果は、


 危険度1

 ・コサコ 43匹

 ・ニューア 23匹

 ・ゴープナ 3頭

 危険度2

 ・スライム 2体


 ってところだな。


 コサコは小魚の魔物で、湖にいる。

 そこで釣りして……殺った。

 湖にいたほとんどを釣り終えたからか、学習したからか分からないが、最初の方は沢山釣れていたのに最後あたりは全くヒットしなかった。

 それでも86ポイント。まぁ良しとしよう!


 ニューアは、一言で言えばでかい芋虫。

 いやほんとに……

 気持ち悪いとか言わない。気持ち悪いけど。

 そいつらの巣かなんかを叩いたらいっぱい出てきた。死ぬかと思った。精神的に……


 そして、ゴープナは中型犬サイズの山羊。群れからはぐれたのかちょうどよくいたから殺っちゃった☆

 昼ごはんに美味しく頂きました。

 でも、だいぶ手こずったのにコサコ達と同様の2ポイント。

 誰だ危険度を設定したやつ!

 出てこい!


 スライムは不定形の液体状の体! 綺麗な水色! それ以外特に説明はなし! 危険度2だけどね。

 強いてあげるなら物理が効きにくいとか。

 ともかく、スライムを2体、狩りました。


 ポイントはこれで158。

 そんなに時間は経ってないけど、いい感じじゃないか?

 やっぱり危険度低めのを優先する方が効率は良さそうだね。高いやつは、見つけるのも狩るのも大変だし。


 僕の目に狂いはなかった。頭か。

 え? 狂ってる?

 やかましい。


「ねぇ……ゼェ……アレェン……ゼェ……まだ……ゼェ……やるの〜? ……ゼェ……」


 スーが追いついた。

 だいぶ息を切らしている。


「そのつもりだけど、どした?」

「もぅ……ゼェ……オレ無理……」


 バタッ


「ス──────ッ!!!!!!!」



 ───────────────────────────



「んん〜、ここは〜?」

「あぁスー、目覚めたか?」

「う〜ん。アレンが運んできてくれたんだね〜。ありがと〜」

「そーだぞ? 感謝しろよ? お前結構重たかったんだから……」

「ははは〜、ごめんね〜」


 可愛らしく笑う。

 スーが倒れた少し先に、大人が数人入れるほどの洞穴を見つけたから運んできた。

 蟲人族だから僕よりも体力があると思ってたんだけどなぁ。

 硬い外骨格に覆われてるから普通の人より重たいし、結構大変だった。

 よくがんばったな、僕。

 誇らしげに思っているとスーの顔が引きつり始める。

 なんだろ。


「ね、ね〜?アレン〜?」

「ん?」

「ここ〜、洞穴なのは分かったけど〜、もしかしてあの魔物の住処……なの〜?」


 ん?


 スーが指さした方、洞窟の入口を見る。

 そこにはなんと、熊さんが立っていた!

 正確にはヤマコスタルって魔物だったかな?

 そうか、ここは君の巣穴だったのか……

 ちゃんと確認してから運べばよかった。


 ヤマコスタルは危険度4の魔物だ。

 5mという魔物にしては中型の体で、素早く動き、相手を翻弄し、死角から鋭利な爪の引っ掻きや、額にある角を使った頭突きをくらわしてくる魔物。

 OK、攻撃方法は覚えている。


 けど、うん。勝てないだろ。

 だって危険度4じゃん!

 わざわざ避けてたのに、自分の方から来るなよ!

 あー、もう。入口塞がれてるから避けられそうもないし、やっぱやらなきゃダメかぁ?

 長老たち、こういう危険なことをわざとさせてるのは分かるけどさー

 もしも〇んじゃったらどうするんだ!

 絶対に〇なないなんて限らないのにね!


 改めてヤマコスタルを見る。


 あれ? 待てよ……?


 もう一度マジマジと見る。


 あぁ、やっぱり。

 なんか耐性?ついてるわー。

 結構前とはいえ、金虎見たあとだと……ねぇ?

 失礼だけど、全然怖くない。

 え? もしやこれ実は楽勝じゃね?

 無理ゲーじゃないんじゃね?

 おっしゃぁ! 先手必勝!


 剣を下段に構え、駆ける。

 同時にヤマコスタルも突進してくるが、横に飛んで躱し、首元へと剣を振り降ろす。と、流石は危険度4の魔物。難なく避けられた。

 体制を立て直す前にもう一度首筋を狙い、今度は突く。

 よし、今度は当たった。だけど深くはない。

 一度、バックステップで距離をとる。


 ふむ。

 大体の力量は、今のでよーく分かった!


 ふぅ……無理ですね。

 楽勝とか言ってすいません!

 いや、別に絶対じゃないよ?

 でも五分五分で負けるかなって感じだね。


 ただーし!

 それは僕一人の時の話。今、僕の後ろには物凄く心強い味方、蟲人族(インセクターズ)のスー君がいます。

 蟲人族の身体能力は僕達人族の比じゃない!

 この気弱でいかにも弱そうなスー君も、身体能力だけなら僕なんかよりも何倍も上なのであります。

 さあ、スー君やっておしまい。


「へ?」


 再び来た突進を剣で受け流しつつ目線で合図を送るが、「え? なに?」って顔をされた。分からないかー。


 おっと、危ない。角が刺さるとこだった。


「スー、僕1人じゃ無理そうだ。スーも手伝ってくれ!」


 すると、ようやく理解したというように頷き、


 刹那……ヤマコスタルの背後をとり、自前の爪で四肢を斬りつけた。


 えーと、うん。言葉にするって大事だね。

 それにしても蟲人族の体ってどうなってるんだ?

 なんでそんなスピード出るんだ?

 てかお前さっきまで満身創痍だっただろ!

 なんで、アクロバティックな動きできてるんだ。


 おや?

 まだヤマコスタルは動けるみたい。でも、足をやられてさっきのように素早く動けない。

 では、引導を渡してやろう。

 もう一度剣を構え、あまり速くない突進を目でしっかりと捉える。


 ……ここだ。


 (剣技ー五月雨斬りー)


 ドロフィンさん直伝の技。

 剣を振り下ろし、下ろしきる前に今度は逆側に振り上げる。そして上げきる前に振り下ろす。

 これを素早く繰り返すという単純な技。

 でも、これが結構難しかったりする。

 前提として、子供からすると剣が重くてそんなに大きく振り回せないからだ。さらに振り下ろしてすぐに戻そうとするため、慣性がはたらいて振りきってしまったり、振り上げが弱くなったりと。

 僕も、習得するのにだいぶ時間がかかった。


 実戦で使ったのは初めてだけど、効果は抜群だったようだ。

 ヤマコスタルから血飛沫が上がり、そのまま地面に倒れる。


 勝った……?

 勝ったー。

 勝ったぞぉぉおおお。


 まぁ、そこまで実感わかないけどね。

 だってほとんどスーの手柄だ。

 僕一人だったら、だいぶキツかったし、倒せてももっと時間がかかった。あの一撃で動きが鈍くなったおかげで、僕の技が入った。

 いや、ほんとスーの強さってよく分からないな。

 これなら最初から危険度4を狙っても良かったかもしれない。

 あっ、けどさっきの感じだと無理なのか……?

 他の蟲人族の子達はどうなんだろ?

 やっぱ強いのかな?

 強いんだろうなぁ。


 ヤマコスタルを見る。


 さて、息はまだあるけど……トドメを刺すべきか迷う。

 ん? 引導を渡す? なにそれおいしいの?

 はいすみません。調子乗りました。

 でも、殺すつもりでやったんだよ?

 耐えられたけど……


 ここで見逃しても、魔物の生命力なら生き永らえれるとは思う。でも、ポイント的には危険度4の魔物ってのはありがたい。冷静に考えれば殺るべきなんだろうけど、なんか引っかかる。

 むー。

 いや、今回の場合は、


「なあ、スー」

「ん〜? な〜に〜?」

「こいつ、どうする?」

「???」


 うん。

 今回のはスーの手柄だ。

 こいつを生かすも殺すも、スーの判断だ。

 こいつには悪いけどな。


「ど〜して俺にきくの〜?」

「スーの補助のおかげで倒せた。だから、スーがこいつをどうしたいかを決めればいい」

「……そっか〜。なら俺、殺さな〜い」


 即答だった。


「いいのか?」


 もう一度確認のために聞く。

 だが、スーは首を縦に振る。


「なんか〜、よくわからないけど、この子には生きていてほしいんだ〜。ポイントは欲しいよ〜? じゃないと大人になれないし〜。でも〜、なんか別にいいかなって気持ちもあるんだ〜。矛盾してるけどね〜。自分のためにポイントを集める〜。けどこの子達にも生きる権利があるでしょ〜? だから〜、自分たちの理由で殺したくもないんだよね〜。まぁみんながやるなら止めるつもりもないけど〜」


 スーはそう言って微笑んだ。


 うん。

 ほんどにいいごだぁーぁあ!!!!

 お兄ちゃん嬉しい……!

 うんうん、無闇に殺すのは良くないもんね。

 長老達は何考えてんだ。

 こんな考えの子にも殺れと言って。


 ……ん?

 待てよ?

 長老って別に殺せとは言ってなくね?

 相手にしろって言ったんだよな。

 あれ?

 なら無力化できた今もOKじゃね?

 え? 違う?

 まぁそこは長老達が言葉足らずだったってことで。


 でも、あながち間違ってなさそう。

 普通ならちゃんと殺せ!って言うしね。

 相手にしろって絶対狙ってるだろ。

 やっば、これに気づいた僕天才じゃね?

 え? 普通にわかる?

 うっせー!!!


「スー、もしかしたらさ」

「ん〜?」

「殺さなくてもポイント入るんじゃないか?」

「そうなの!?」


 ほら、スーは分かってなかったようだぞ。

 やっぱ天才なんだって。


「でも〜、ど〜やって〜?」

「あっ」

「ん?」

「どうするんだ???」

「え?」


 やっべ、どうすればいいんだ? 長老のとこ持ってけばいいのか? でも、多分暴れるよな。逆に長老を連れてくる? いや、その前に回復して逃げられたりするだろう。

 八方塞がり。

 やっぱ殺すしかダメなのか? でも、それなら長老達もはっきり言うはずだし……おっ?


 伏していたヤマコスタルがふいに目を開けた。

 マズ……い?

 ヤマコスタルはゆっくりとスーの方へ進んでいき、


 頭を垂れた。


 ……ん?

 んん?

 んんんー?

 なんか見たことあるなこのポーズ……なんだったっけ?


「アレン、こ、このポーズってまさか?」

「うん。なんか見たことある、なんだったっけ……?」

「いや〜、どう考えても従魔契約のポーズでしょ」


 な、なんだってぇぇえええ?

 あっ、その「なんで知らないの?」みたいな目やめて。

 お前にやられるとだいぶショックだから……うん。

 でも、確かに。

 そうだ。従魔契約のポーズだ。

 ふふふ、この儀式のために様々な本を読み漁ってきた僕が知らないわけがない。

 魔物が恩義を感じた時にするもので、主側が自分の血を数滴飲ませれば契約完了。だったはず。


 うむうむ、我ながら博識だな。

 今回はこのヤマコスタルがスーに命を助けて貰ったとでも思っているのかな。いや、でも僕だって悩んだんだぞ?

 まぁ殺すメインで考えてたけど。

 ……なんで悩んだんだろう。

 それで、スーも知ってるんだから威張るなって?

 いやまて、僕は他の子に比べてめちゃくちゃ勉強したんだ。逆になんでスーが知っているんだ!?

 こいつ、そんなに勉強してた覚えないぞ?

 魔物の種類とか危険度とかも知らないはずだし。

 ほんと、なんで?


「俺、アレンとリアには黙ってたんだけど〜。魔物使いになるのが夢だったんだー」


 不思議そうな顔をしてた僕に気づいて説明をしてくれた。

 そんなことを思っていたなんて……

 お兄ちゃんは知らなかった。


「うん。それで〜、魔物使いとかが関連する本は読んでたんだよね〜。それでもアレンには及ばないけど〜」

「そうだったのか」


 いや、そうだったのか。だから知ってたんだな。まぁ確かに僕には及ばないけど。僕も魔物使い系は読んでたし。タマには魔法も教えて貰えてたし。

 残念ながら全く使えなかったけど……


「それで、どうするんだ?」


 従魔にするか。どうするのか。


「う〜ん。ど〜しよ〜」

「何に悩んでるんだ?」


 即答するかと思ったけど、何か不満があるのかな?

 最初の一体はもっと強いやつがいい!とか?


「ここで契約しちゃうと〜、この子の自由が奪われるんじゃないのかな〜って」


 うん、だよね。違うよね。

 まぁそりゃそうだな。


「それがこいつの望みなら、叶えてやるのもこいつのためになるんだぞ?」

「でも〜」


 あっ、またヤマコスタルが目を開けた。

 そのままスーの手をがぶり。

 うわっ、痛そー。

 あっ……血が…


「……契約、成立しちゃったね」

「うそぉお!」


 これでも成立って、契約ってなんだろねー。


 ともかく、これにて新たな仲間が加わりました!

 その名前は……名前は、なんだ?


「スー、そいつの名前を決めよう。いつまでもヤマコスタルだと長くて不便だろ」

「あ〜、そうだね〜。名前か〜。ん〜」



 ───────────────────────────



「ん〜」

「長くね!?」

「え!?」


 スーよ、長い。

 待たされる側は大変だぞ。

 ほら、ヤマコスタルくんは寝てるし。

 てか、自分のことなのにこいつ!

 あぁ、でもさっき戦闘で体ボロボロだし、傷を回復させるには仕方ないか。


「決めた!」

「おぉ!」

「こいつの名は……」

「うん!」


「アレンが決めて!」

「は?」


 おっと、いけない。

 素の は? が出てしまった。

 仕方ない。考えてやるか。



 ───────────────────────────



「まだ〜?」

「いや、もうちょっとでいい名前が出てきそうな気が……!」


 まずいな。スーに言った割にこれだ!って名前が一向に思い浮かばない。だいぶ暗くなってきたし……


「一旦終わり! もう遅いから帰ってから考えよう!」

「えーーーーー!」


 スー? 君も共犯だからな?

 早く進めようとすると内容が薄くなっていく…

 難しいですね。

 出来れば、温かい目と長い目で読んでくださるとありがたいです。

 頑張ります。

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