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太陽の申し子〜竜に選ばれた少年の旅物語〜  作者: 日孁
第1章~純白の支配者~
28/86

22,高位の魔女疲れる

「……ねぇ。あなたの言う通りに鍛錬を積めば、そうやって名前とか、さっき言ってた相手の強さとかも、本当に分かるようになるの?」


(えぇ。動物だけではなく、今のように武器などの固形物でさえ、詳細を知ることが出来ます。)


「そう……じゃあお願いするわ」


(突然ですね。)


「別にあなた達じゃないわ。私はあの方のためにやるのよ」


(正直ですね。)


「隠そうにも、どうせ心の中を除くのでしょう? それなら正直に言った方が身のためだと思ったのよ」


(そうですか。まぁそういうことでも良しとしましょう。)


 なんか僕をおいて話が進んでいる。

 なんか悲しいな。


 チラッ


 あ、もっと空気の人がいた。

 村長ごめんじゃん。


(さて、時間はあまり残っていません。さっさとやっていきましょう。)


「よし、じゃあ村長頼む!」

「……あ、おう!」


 絶対自分の世界入ってたな。

 まぁ話に入れなかったし仕方ないか。

 うんうん。


(では、貴方はこちらへ。)


「えぇ」





───────────────────────────




「村長のそれはなんて名前なんだ?」

「これか? これは『運命の灰燼(ルイファ・バブレア)』ってんだ。」

「え、その名前って……」


 運命(ルイフ)の。


「あぁ、ルイフ様からきてるな。ルイフ様は転生する際に一度灰に変わるんだ。これはその灰を固めて作られたものらしい。」


 なるほど、確かにそれなら究極級でも納得がいく。

 しかし灰を固めて作った剣か。

 脆そうなんだけどな!


「さてと、まずは構えてみろ。じゃあ最初は……」


 くくく、さぁ一体どんなことを教えてくれるんだ!?




───────────────────────────




 ルイフとアンナは崖上から魔物の群れを見下ろしていた。

 ハーカバやガスティグ村付近にそんな所はない。

 つまりルイフが彼女を運んできたのである。


「な、によ。この魔物達は……?」


(さぁ? なんでしょうね。)


「1、2、3、4、5……100体ぐらいいるんじゃないの? ていうかどこよここー!」


(さぁ? どこでしょうね。)


「いや、本当に教えてください」


(私からは情報を与えません。全て貴方の鑑定眼で確かめてください。)


「鬼畜」


(でも内容は簡単ですよ? ノルマ20体倒すだけ、です。中には貴方でも適わないような強い個体もいます。気をつけてくださいね。)


「やめとけば良かった……」


(では、私は帰ります。時間になったら戻りますので。)


「え? ちょっと!!」



───────────────────────────



「疲れ……た」

「私も……」


 今日の修行が終わり、2人で帰宅。


 村長やべぇ。

 ルイフの修行もまぁそれなりだったけど、村長もやべぇ。

 まずは……とか言ってたくせに教え方下手か!?

 口じゃなくて体に叩き込ませるってちょっとどうなの?

 叩き込むってあれよ。

 物理的に叩き込んでくる。

 つまり、滅多打ち。

 それでなにが身につくんですかと。僕は言いたい。

 実践あるのみ!キラキラ じゃあない!

 もうほんと疲れた。

 明日からもとか辛くね、、、?

 あー、上達出来るといいなー。


「アンナは何したんだ?」

「……え? いや100体ぐらいの魔物を鑑定して自分が勝てそうなのを間引きして20体狩るってやつ。死ぬかと思ったわ……」

「……大変だったな」

「……ありがと」


 聞いたらわかる。

 ヤバいやつ!

 僕だけが辛い辛い言ってちゃダメだな。

 こんな少女が頑張ってるんだ。

 僕も頑張ら……そう言えばアンナって何歳だ?

 魔人族ってことは寿命も成長速度も僕達人族と違うはずだし。

 まぁそんなこと本人に直接聞けないけどね。

 リアみたいにサバサバしてる子だったら聞けるんだけど。


「二人ともお疲れ様だな」


 タマ……!

 サボり魔のタマ!


「変な2つ名をつけるな」


 タマが睨んでくる。

 でも怖くないんだよな〜。

 可愛いだけだぞ?

 その猫の状態で睨まれても。


「あーあ、せっかく頑張って疲れたであろう二人のために、俺が誠心誠意作った手料理を用意しておいたのになー。そっかー、そんなこと言うんだったら要らないんだよなー。あーあ、勿体ないけど捨てるかー」

「え! ちょいまっ……!」

「ん? どうした? 要らないんだろぉ?」


 ずるい……!

 これはずるい!

 疲れた体に、あのタマが誠心誠意作った料理を前にして謝れないわけがないだろ!

 でも、でも……!


「じゃあ捨てるなー」

「ちょっとあなた! 早く謝りなさいよ!」

「しかし!」

「あなたのプライドなんて二の次よ! さぁ早く! 早くしなさい!」


 くっそぉぉおおお!!!


「……すみませんでした!」

「何が、かな?」

「……タマのことをサボり魔など言ってすみませんでした!」

「タマ?」

「……」

「捨てるか」

「タマ様! どうか、どうか慈悲をください!」

「ふむ、よかろう。では、存分に味わうがいい!!」

「ははぁ! 有難き幸せ!」

「……いつもこんなのやってるのかしら」


 アンナがなんか言ってるけど独り言だな。

 まさか太陽の申し子(サージェビクシュ)に選ばれてもまだこんな屈辱を味わうなんて、やはりタマは只者ではないな!


 さてさて、今日の料理はなにかなー?


 パカッ


 おぉぉおお!

 これはまさか、タフゴープナの肉……!?

 こんな贅沢なものを!


「探すのに苦労したぜ」

「……」


 タマ……ありがとう。

 俺、俺頑張るよ。

 明日からも地獄みたいな修行、汗水垂らして頑張るさ。


「だから、明日からも頼んだ」

「いや毎日は……」

「頼んだ!」

「はい」

「だからなんの茶番よこれ……」

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