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太陽の申し子〜竜に選ばれた少年の旅物語〜  作者: 日孁
第1章~純白の支配者~
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転生者 TKH②

 ここは先進国コントラシス。


 転生してからこの世界に慣れるまで、そこまで時間はかからなかった。

 今の年齢は10歳。もう普通に暮らしている。

 確かに最初は不安だった。不安すぎてクズヤのいる真横で大声で泣くという、消し去りたい過去ができたぐらいだ。

 あぁそうそう。

 クズヤとハルトもどうやら転生していたようだ。

 俺とクズヤは王家の双子……王子様だ。しかも1つ上の兄は勇者という。

 ここの勇者は魔王を倒すのではなくて、新たな時代の幕開けを行う人物のことを指すらしい。正直、抽象的でよく分からない。

 その勇者であるマスコル兄様は神からのお告げがあったらしい。教会からそう言われていた。

 勇者は他にも何人かいるらしく、現在は兄様も含め4名の勇者がいる。

 そしてハルトはうん、まぁ。公爵家生まれ。

 2人が一緒ということもあって俺は安心した。

 だから、次はこの世界について調べてみることにした。

 王家や公爵家出身ってこともあって、王立図書館を使うことが出来た。漁った中で色々なものがあったが何より興味を惹かれたのは、やはり魔法だった。

 魔法、ゲームやアニメとかだけの話だと思っていたけど、どうやらこの世界にはあるらしい。

 この世界には、唯一無二のエネルギー物質である【マター】というものが満ち溢れている。

 なぜあるのか、どうやって作られているのかは明らかにされていない。

 その【マター】をどれだけ体内に溜め込むことが出来るかでその人の魔力量は決まる。

 俺達は全員、ため込める量、つまり魔力量が多かった。

 今の歳で既に宮廷魔術師レベル。

 それを使って魔法を発動させる。

 聖気と呼ばれものはもっと多く、数百年に1度現れるかどうかの逸材とのこと。

 聖気は全ての生物が持つ魂の力のことで、こっちの方がいまいちよく分からない。

 まぁ魂の力が強いってことは恐らく、転生に関係があるんだと思う。

 なんとなくだけどきっとそうじゃないかな?

 この二つの鑑定は鑑定眼っていう魔眼?を持つ人に見てもらった。

 その時すごくクズヤが興奮してたのはご愛嬌。

 まぁそんなわけで、俺達は魔法の勉強をしていた。

 貴族育ちでしかも、魔力量などについて世間に知れ渡っていたから、だいぶいい環境だ。


 いい学校。

 いい先生。

 いい杖。

 いい教科書。


 何もかもが最高ランクだ。

 王家や公爵家という立場は本当に有難い。


 俺「炎球(フレイムボール)!」

 クズヤ「氷園(アイスガーデン)!」

 ハルト「葉刃(リーフカット)!」


 魔法訓練場で各々が得意な属性を使って練習をする。

 魔力量が常人とは桁違いなため、魔法の威力が凄まじい。

 俺の炎球(フレイムボール)なんかは大の大人を5人ほど飲み込めそうなぐらいだ。


「す、すごい」

「流石は殿下……」

「おかしいだろあれ……」


 他の生徒達が驚いている。が、まぁ当然だろう。

 クズヤは転生の特典だ!とか言ってたけど、あながち間違ってはなさそうだ。

 これなら伝承で聞く【王種】とやらも倒せるんじゃないだろうか?

 魔王は別に悪いやつってわけじゃなくて、国同士で同盟も結んだりしているから基本戦うことはない。

 天王とは睨み合ってるって話だけど。

 本当は冒険者にでもなって大暴れしてみたいけど、身分のせいでそうもいかない。

 わがままかもしれないけど、ここは融通効かして欲しかったな。


「流石ですね。では今度、魔物狩りにでも行きますか。御三方共ならば大丈夫でしょう」


 先生が俺たちの魔法を見て尋ねてきた。

 ついに魔物狩りか、おもしろくなってきた。


「はい。是非行かせてください」「ぼくも」「お……私も」

「分かりました。それでは後ほど使いのものを連絡に行かせます」


 さて、手ごたえがあったらいいな。



 そしてその日、俺達はいつもより早く床に就いた。

 そして、街中から一切の音が消えた頃……

 なにかが部屋へ侵入した気配を感じて、俺とクズヤは目を覚ました。

 飛び起きて視線を巡らせる。目に入ったのは虹色の……


「炎?」


 それは虹色に輝く炎だった。


(変わった魂があると思って見に来たら……転生者ですか。これは面白い。)


 声!?

 いや、これは知っている。

 確か念話と呼ばれる技法だ。

 この炎に知恵が?


(申し遅れました。私、王種の1柱であるルイフと申します。以後お見知りおきを。)


 ル、ルイフ?

 あの虹炎鳥?


 もう一度炎を見る。

 すると、それが鳥の形を作っているのが分かった。

 なるほど、それならば念話が使えても不思議じゃない。

 だが、本当に王種であるという保証は無いがな。


(こんな方々がいたのに、私はなぜ気づかなかったのでしょう。我ながら恥ずかしいですね。)

「一体何の用だ?」


 こいつからは強い気配を感じない。

 何があっても対処できるだろうと判断し、強い口調を使い出方を伺う。


(なんの話です?)


 軽く受け流された。

 目的なし、か。

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