17,グローリア
「アイスガーデン!」
か〜らの!
『氷の茨よ、砕け散れ』
氷でできた木々が次々と霧散していく。まるで儚き命が散っていくように……
うん、成功した。
今やっていたのは現代魔法と古代魔法の融合の実験。
現代魔法によって作ったものが古代魔法で変化させられるかを確かめてみた。
今ので干渉が可能なことは分かった。じゃあ次は威力計算だ。
古代魔法で干渉後、威力はどちらに依存するのか。
「フレイムスピア!」
『敵を射抜け』
今日は、ルイフは何故かお休みだからそこにいたクレーさんに餌食になってもらった。
え? なんでいないのかって?
さあ、なんでだろ?
そんなことより休みでもしっかりと鍛錬を積んでいる僕を褒めてくれ!
え? ふつう?
うっせー!
クレーに炎の矢が突き刺さる。
燃える。
消し炭になる。
……うん。
どうやら古代魔法の方に依存するらしい。
サラバだクレー。
君のことは忘れるまで忘れない……✧
とはいえ、いいことが知れた。
これでまた戦術の幅は広がる。
次は逆だな。
えーと、魔物魔物……
あ、いた。
『光よ』
「ショット!」
プゥーショットってなんか笑えるな……笑うな!
プゥーショットがガロゲロにヒット!
むむ、貫けなかった。
でも目に当たった。
ふむふむ、制御はこっちの方がいいと。
そのかわり威力は弱まるか。
威力も制御も後に干渉した方へ寄るんだな。
お、ガロゲロが向かってきた。
さてさてパパっと殺るか、
『氷の礫よ、』
「はぁぁぁあ!」
「え?」
どこからともなく現れた騎士?っぽい人に先を越された。
あのぉー、それ僕の獲物……
「大丈夫か君!」
いや、身体は無事です。
でも今ので精神が……!
「おーい、トニー。どうしたんだー?」
……この声聞き覚えがあるぞ?
声のした方から強面の男が走ってきた。
「ドロフィンさん!」
「ん? アレンじゃねーか! 何してんだお前」
「いやそれこっちのセリフ」
いつもより来るの早くない?
てか誰よこの騎士達はさ。
「いやぁちょっと野暮用でな!」
「こら、王から直々に頼まれた案件を野暮用呼ばわりしない」
「そうですよ」
「「うんうん」」
こんなドロフィンさん見たくなかったな……知ってたけど。
にしても野暮用?じゃないや、王様から頼まれたことってなんだ?
答えてくれそうにはないか。
「それで? アレンは何してんだ?」
「修行中」
「修行ってお前、儀式ダメだったのか!?」
「違うよ! 初日で合格したよ!」
「初日ィ?」
あ、これ信じてないなー。
ったく、失礼な。
「おっと、紹介が遅れた。お前ら、こいつが話してたアレンだ」
「「「「はじめまして」」」」
「あ、はじめましてアレンと言います」
「そして、アレン。こいつらが俺の部下達フィルにトニーにサイモンにジーナだ」
「フィルです!」
「トニーです」
「サイモンだ」
「誰がお前の部下だよ。ジーナだ、よろしく」
「あ、よろしくお願いします」
ドロフィンさんが紹介してくれた。
部下、うん。
ルイフに教えてもらってなかったら混乱してたな。
1人は違うみたいだけど。
「アレン君? 修行ってこのガロゲロを相手にかい?」
これはー、正直に言った方が良さげかなー。
でもこの人、自分が邪魔しちゃったとか思っちゃうかなー。
ルビアスのこともあるし黙っておくか。
「いえ、魔法の練習をしていたら軌道がずれて……」
「そうか、それなら間に合ってよかったよ」
違うけどな。
んー、なんかこの人達ドロフィンさんの部下とはいえまだ信用はできないな。
杞憂かもしれないけどね!
とりあえず今は、ルビアスについて隠しておこう。
ルビアス
─分かった。隠れてる─
あぁ。気をつけろよ
─私は竜だよ。大丈夫─
確かにな
「それで、何をしに?」
聞いても無駄だろうけど、聞いておこう。
別にただ気になるからとかじゃない!
ルビアスのためだ。
うん、ルビアスのためなんだ!
「数ヶ月前にこのハーカバから異様な気配を感じたんだとよ。それを確かめに行けって。危険なようなら、その場で殺せとも言われたな」
あ、教えてくれた。
しかも……ルビアスのためになったな。
王種の可能性もあるけど。
どうだろう?
まぁ、警戒しておいても損は無いかな。
「ソウナンダ。ボクハワカラナカッタケドネ」
「ガハハ、当たり前だ。俺達が仕えている王は最古の天王のエルファー様だぜ? あの人が分かっても、お前が分かるとは言いきれないからな」
「へぇー、すごぉいなぁ」
「だろ? あの人はまじで凄いぜ」
べた褒めだな。
黄金騎士のドロフィンさんがこんだけ言うってことは滅茶苦茶に強いんだろうなー。
ルイフより強いのかな?
強いんだろうなー!
かっけー!
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※王種は危険度10の討伐不可能レベルであるため、魔王や天王ごときが太刀打ちできるものでは無い。
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「なるほどね。で? 今のところそれらしき反応は?」
「いやぁ全く。結構前のことだったし、もう移動したんじゃないかなって思ってるんだがなぁ」
「へー」
居ます。
普通に狩りしながら暮らしてます。
てか、今のドロフィンさんすごいピカピカだな。
他の人もピカピカだ。
1人はドロフィンさんと同じ金色の鎧だけど、他の人は白銀だ。
黄金騎士と、白銀騎士……
騎士階級1位と2位をこんなに送り込むとか、王様ガチだな。
「こんなとこでもなんだし、村に行こっか。村長達もいた方がいいでしょ。」
「おう! サンキューな」
─1時間後─
「ほう、そんなことが」
「爺さん、なんか心当たりねーか?」
村長宅には長老もいたので一緒になって聞いてた。
「心当たりのぉ……」
チラッと、可愛らしく長老がこっちを見てきた。
気持ち悪いです。やめてください。
ルイフに言いつけますよ?
心の中で思ってたら長老の顔色がだんだん青くなっていく。
うん。まぁ嘘ではないけど。
ルビアスについて知りたいのかな。
でも、ルイフいないしなぁ。
てことは僕の判断によって決まるよな。
とすると、
ルビアスについてはやっぱ言わないでおいてほしい。
バレても、殺さないし殺せないとは思うけど、絶対とは言いきれない。
もし争うことになるなら、こんなすごい人達は相手にしたくない。
すると長老は、ドロフィンさん達が気づかない程度に頷き、
「すまぬ。これと言ったことが思い浮かばぬ」
と誤魔化した。
「そうか。それならまぁ良かった。もしもの時のことを考えてこいつらを連れてきたけど、杞憂だったようだな」
あ、この人達がいるのは王様がガチだからじゃないのか。
単にドロフィンさんがみんなを心配してだったんだな。有難い。
「ドロフィンさんの、部下なの?」
「あぁそうだぞ。俺達はグローリアってんだ。ここじゃ聞いたことないか? 少数精鋭の割と強い騎士団でな。俺はそのリーダーだよ」
「おい! 私は部下じゃないって言ってるだろ!」
聞いたこと、うんある。
グローリア……
グローリアって確かウルノメリア大陸最強の騎士団じゃ……?
え? リーダー!?
ほんと何してんのこの人!?
そんな人が興味本位でこんな所に……
やっぱおかしいわ〜
また明日から忙しくなりそうです……




