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太陽の申し子〜竜に選ばれた少年の旅物語〜  作者: 日孁
第1章~純白の支配者~
18/86

16,修行⑤

 ブックマーク登録くださった方ありがとうございます!

 ものすごく嬉しいです(≧∇≦*)

(では今説明したようにやってみてください。)

「了解」


 まず、自分の中に流れるエネルギーを感じる。

 ……このボワーっとしたやつだよな。

 初めてルビアスから流れてきた時のことを思い出す。

 とても温かくて、なんていうか母親に抱かれているような感じだった。まぁ、実際のことは僕には分からないけど。

 この温かさは、竜の力だからだろうな。

 これが質が高いってことだと思う。

 さて、次はこのエネルギーを操作する。んじゃない。

 流れは自然に任せて、その流れに合わせて魔法や聖術を使う。

 波が高い時に発動すれば威力は高くなるし、逆に穏やかな時に威力は弱まる。

 そして、この流れを掴んでいればいつでも、即座に使用することが可能になる。……らしい。

 エネルギーの流れから、更にまた流れの波長を感じる。

 んー。

 むむむ……!


「たぁッ! はぁ……はぁ……はぁ。」


 思っていた以上に集中力を使う。


(だいぶ良かったですよ。あと少し、ですね。)

「出来て、るの?」

(はい。あと数回でもやれば、ものにできるようになりますよ。)

「そうか。よし!」


 もう一度、流れを感じる。

 ここまではなんとか出来る。

 ここからが大事、波の大きさを感じる。波の法則を見つける。

 いつ大波が来て、いつ緩やかになるのか、それを深く感じる。


 ___/\___/\___/\___/\__

 _/\___/\___/\___/\___


 1、2、3、4

 1、2、3、4

 1、2、3、4


 うん、いい感じ。

 よし、じゃあ今度はこの流れに合わせてなにか魔法を発動させ……


「っと、むり!」


 流れを感じながら魔法を発動させるとか、結構重労働だぞ!?

 もっと簡単にできるものだと思っていた。


(先ほどよりも良くなっていますよ? あとすこし、頑張りましょう。)

「……そうだね。」


 あとすこし!

 良くはなってる。頑張ろう。

 集中する。

 流れ、分かる。

 波、なんとか分かる。

 魔法……魔法……


火球(ファイアボール)!」


 手のひらをかざし、声を張り上げる。

 すると、手から火球が飛び出した。

 なんとか発動には成功。

 でも、


 なんとか成功したと思った火球の大きさは家ひとつを飲み込むほど巨大だった。

 更にスピードはどんどん加速していき、大木へ突撃し……なかった。


(波を感じた状態での発動は成功です。ですが、まだタイミングなどは不十分ですね。そこを重視して次やってみましょう。)


 ルイフが火球(ファイアボール)を受け止めて、助言をくれた。

 でも、僕が思ったのはただ一つ。


 …………竜怖い。


 なにあの火球。

 使った魔力量に対してあれは絶対おかしいでしょ!


(アレン様、何固まっているのです? さぁ、やりましょう。)

「え、あぁうん。」


 ルイフに促されて、もう一度試みる。


 流れ、波、魔法…タイミング……


 1、2、3、4

 1、2、3、4

 1、2、3、4

 ここ!


火球(ファイアボール)!」


 魔法が発動する。

 今回はさっきのものより、とても小さい。

 小さな火の玉が、また大木へ向かうが、途中で消失する。

 だいぶ威力が弱まったからだろう。


(ええ、上出来です。この短時間でものすごく成長されましたね。)

「え? まじで? やった。」


 ふふふ、これで僕もマスターしたかな。


(ですが、完璧とは程遠いです。より素早く、より丁寧に、そして常時行えるようになるまではやり続けますよ。)

「……ふぁ?」


 おっと、おかしな言葉が出てしまった。


「今、なんと? 常時? これを日常的に!?」

(当たり前です。いついかなる時でさえ戦えるようでないと意味がありませんから。)


 いやそりゃあそうだけど……

 お風呂入ってる時とかも?

 リラックス出来ないよね……


(寝ている時まで出来るようになれば、もう怖いものはありません。)

「嘘だと、言ってくれ!」

(真実です。)


 うわぁあああ!!!

 これがぁ、お前のぉ、やりかt((殴

 はい、すみません。


(さて、続けますよ。)


 はぁ、今頃タマとかスーとかリアとかドロフィンさんとかは一体何をしているんだろう。

 何故僕だけこんな怖い目に合わなければいけないんだ!


 ─選ばれたから─


 選ばれたっても、いい意味が良かったな。


 ─いい意味なのかもしれない。それは、アレン次第─


 そうかねぇ。


(おや、彼らが来たようですね。)

「へ?」


 突然なんだ?

 彼らって……誰?


(でもこちらまで来るにはもう少し時間がかかりそうですね。それなら続けましょうか。)


 誰かは知らんが早く来てくれぇぇ!

 なんか目が怖い!


 ─2時間後─


「あいたたた。全くルイフのやつ、何が僕の方が偉い、だ! あれが目上の人に対してやることか!」


  ボロボロになった体を引きずりながら下山中。

 あー、酷い目にあった。

 やったのは流れを常時感じれるようにする練習。

   何が酷いってアイツ、(不意打ちするので即座に対応してみてください。)ってアホみたいなこと抜かすんだぜ!?

 しかも、睡眠の魔法かけて眠った時に攻撃するとか!


「ぬぁぁにが修行だ! いじめたいだけじゃねーか!」


 え? それの成果?

 ふふふ、聞いて驚け!

 成果は、ZERODA!

 うん、つまりただ殴られてただけだね。

 パワハラだ! 訴えてやる!

 いや、誰にって言われても……

 そんな愚痴を吐きながらハーカバを降りていくと、どこかから声が聞こえてきた。


「スー?」


 声のした方へ行ってみると、そこにはスーとマスコルが魔物と戦っていた。そして、リアがそれを観戦している。


「あの魔物は……クレーか。」


 クレー二体を相手に、スーとマスコルは善戦しているように見える。巣から離れた偵察隊の個体だろう。


「マスコル、頭突き!」


 ほう頭突きか、相手飛んでるけど届くのか?


「はっ!」


 あぅ、スーがジャンプしてクレーを叩き落とした……

 落下予測地点にマスコルが走っていき、地面に落ち切る手前で頭突きが炸裂。

 マスコルのツノがクレーにぶっ刺さる!

 これで一体目がダウン。


「マスコルそのまま!」


 スーがマスコルを踏み台にしてまた大きく跳ねた。

 さっきよりも高く、クレーの上空をとった。

 そこからクレーへとかかと落とし。

 見事、クレーの脳天にヒット!

 2匹目ダウ〜ン!

 勝者、スー&マスコ〜ル!

 うへぇ。

 ものすごく連携出来てるね。

 初めの頃とは動きが別人だ。

 凄いな。

 修行の成果、かな。


 ……ふぅ、僕もまだまだ頑張るか。

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