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太陽の申し子〜竜に選ばれた少年の旅物語〜  作者: 日孁
第1章~純白の支配者~
17/86

15,修行④ 現代魔法のお勉強

 今回は会話ばっかりです。

 恐らく次回はちゃんと修行していることでしょう。

 ✧✧ハーカバ(第四層目)✧✧


 太陽が、白銀の雪におおわれた地面をギラギラと照らしている。

 そこを歩くものが複数名、旅の一行だろうか。

 否、紋章を胸に象った甲冑に身を包んだ姿から彼らがどこかの国の騎士団である事が分かる。

 銀の鎧を着た騎士が三人と、黄金の鎧を着た騎士が二人。


「ドロフィンさーん。まだっすかー?」


 その中の1人が、黄金の騎士に声をかけた。どうやら黄金の鎧を着た騎士の方が序列は上のようだ。


「ん? そうだなぁ。多分もうすぐだぞ」


 気さくに返事をする彼だったが、僅かに顔を曇らせた。


「でも、こいつを倒してからだな」


 彼がそう言うと、突如、彼らに大きな影がかかった。

 彼らはそちらに顔を向け、見上げる。

 その影の正体は、


「ブ、ブラドュルフル!?」

「な、なんでこんなとこに!」

「で、でっけー! 通常のブラドュルフルより更に大きくないか?」

「……だる」

「だから言ったじゃねーか。ここは危険度5以上の魔物が、頻繁に出るってなぁ」


 ブラドュルフル。危険度5の狼型魔物であり、ウルフルの大群を統率する頭である。体長は20m強で、成人男性を丸呑みにしてしまう程の巨体だ。


「ま、勝てない相手じゃないんだ。とっととやるぞ」

「「「う、うーす」」」

「はいはい」


 彼らが武器を構えると、周りから1000近い数のウルフルが顔を出した。


「アゥォォォォォォオン!!!」

「「「「「アゥォォォン!!」」」」」


 遠吠えを上げ、一斉に五人の騎士達に飛びかかる。だが


「ふんっ!」

「あらよっと!」

「はっ!」

「……」

「はぁぁぁあ!」


 彼らが剣を薙ぎ払うだけで、次から次にウルフルが倒れていく。そして……


「お前が最後だな?」

「ク、クゥゥゥン……」


 ズサッ


 戦闘開始からおよそ30分。騎士達は誰一人無傷のまま、討伐を完了させた。



 ───────────────────



 青空の下、今日も先生と修行だ。

 この前の実践からまた時間が空いて、今日は新しいことをやるらしい。

 そして先生は今日もキラキラと輝いてる。……物理的に。


(それでは今日は現代魔法をやっていきましょう。)

「はい先生!」

(何故先生と呼ばれているのかわかりませんが、アレン様なんでしょう。)

「何故現代魔法なのでしょう? 古代語が使えれば良くないですか?」

(確かに勝利を第一に置いた場合はそれで正解です。)

「では何故?」

(以前アレン様にお伝えしましたように、古代語は迂闊に扱うにはあまりに危険です。ですから、もしアレン様が一般の方と戦うことが起きた場合に、古代語を広めてしまうことにならないよう可能な限り使って欲しくないのです。)

「なるほど、その場合に対応できるように覚えるのですね!」

(その通りです。最も、やむを得ない場合は使用は許可しますが。)

「分かりました。では、どういった練習なのでしょうか?」

(今日はやけに熱心ですね。今までと特に変化はありません。ただ、魔法猫の彼に殆どを教えられていると思うので、殆どが実践形式になるでしょうね。)

「……あう」


 聞かない方が良かったかも……

 逃げていいかね?

 タマもいないし。

 いいよね?

 じゃ! またな!


(行かせると思いますか?)

「いや冗談だって! だから威圧するなって! ルビアスも今狩りの最中でいないから普通に怖いんだって」

(実践は明日からとして、今日のところは座学をしましょう。)

「ほぅ」

(まず、アレン様のもつ魔力(マター)聖気(オリジンソウル)はルビアス様から借用したものが9割以上を占めています。というより、むしろ残り少しはどこから来たのかというお話になってしまいますが。)


 だからその話やめてくれ。

 傷つくんだって……


(竜の魔力や聖気は他生物とは、量も質も段違いです。そのため、アレン様は初歩の魔法や聖術を使ったとしても、恐ろしい威力になる事が予想されます。)

「ん? それはいい事なのか?」


 いい事の方が良いなー。

 当たり前だけど。


(いい事でもあり悪いことでもあります。)

「というと?」

(発動も簡単で消費も少ないもので大抵のことが片付けられるため効率がよく、力は節約できます。これが良いことです。)

「悪いのは?」

(単純に目立ちます。)

「悪い、のか?」


 目立つ、もっと危ないことだと思った。


(ええ、悪いです。輩に目をつけられたら面倒臭いですし、ルビアス様の正体がバレます。)


 確かに面倒くさそう。

 でも、


「ルビアスってバレたらいけないのか?」

(いけない、わけでもありませんが色々と厄介事が増えると思いますよ?)

「なるほど。確かにな。」


 ─なんか私の悪い噂してない?─



 え?

 いや?

 してないしてない。


 ─ほんと?─


 うん、ほんとだって。


 ─そう、ならいいけど─


 ……ふぅ。


(どうしました?)

「いや、なんでもない」


 悪い噂……ではないよな?

 うん、違う。

 なら問題無し!


(そうですか。まぁそういうことなので、アレン様にこれからやっていく修行は、)


 はい。


(魔力操作、聖気操作を高めるものです。)


 ほう。

 いいじゃないか。


(魔力操作が高まれば、魔法の威力などを調整出来ますし、発動が素早くなります。聖気操作も同様です。)


 ふむふむ。


(そして方法なのですが、これがいたってシンプル。)

「おぉ!」

(魔法や聖術を、連発してください。)

「おぉ?」


 連発するの? いいのかな?


(問題はありません。そんな魔法や聖術の何百回で、壊れるほどこの山は弱くありません。)


 いや、まぁそりゃな。

 ……生態系壊れない?


(そちらはもうとっくに、ルビアス様によって崩れているので手遅れです。)

「……」


 おい、ルビアス?


 ─なに?─


 こっちの台詞だぞ?

 何やってるの君!?


 ─別に、ただの修行─


 いや違う!

 君がやっているのは単なるいじめだ!


 ─はぁ、分かった。少し頻度減らす─


 うむ、それでよろしい。


(……ルビアス様になにか?)

「いや、生態系を守るように言い聞かせただけ」

(別にいいですのに。)

「良くないだろ」

(どうせ滅びるのなら変わりありませんし…)

「ん? なんて?」

(いえ、なにも。始めましょうか。)

「そうだな。時間は有限だし」

(生死の意味で言うならば、アレン様は無限ですけどね?)

「わからんぞー? もしかしたらも有り得る。」

(……そうですね。まぁ早くやるのに越したことはありません。)

「おう。それで、何すればいいんだっけ?」

(はぁ。)

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