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太陽の申し子〜竜に選ばれた少年の旅物語〜  作者: 日孁
第1章~純白の支配者~
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12,修行① 古代語を覚える

(それでは、今からアレン様には古代語の暗記を、魔法猫の貴方は人化による練習、ルビアス様には狩りを、それぞれ行ってもらいます。)


 ぐへぇ、始まったぁ……


「ア、アレン君? なんでルイフ様がここに?!」

「あれ? 言ってなかった?」

「言ってねーよ! 突然竜を連れてきて、修行だからついて来いとしか言ってねーよ!!」

「あぁ、ごめん。まぁそういう事だから!」

「ふざけんなぁ!」

(お二方、よろしいですか?)

「はい」「はい!」

(では、アレン様と貴方はこちらに。ルビアス様はそこらの動物か魔物を狩ってきてください。)


 ─分かった─


 ルビアスが走っていく。

 まだ飛べないのかな。


 ─飛べない─


 そっか

 頑張れよ


 ─うん。アレンも─


 おう!


(さて、まずは魔法猫の貴方は人化してください。)

「うす」


 おぉぉぉぉぉお!!!!!!

 タマがみるみる大きくなって……

 おい君! なに猫のくせして僕よりも高身長なんだ!

 しかも妙にイケメンだし!


 ったく!


(では始めますね。)


 さぁ、一体どんな恐ろしい修行が……!



 ───────────────────────────



(そうですそうです。では、あの山に向かって発動してみてください。)


 あれから2時間ぐらい経ったけど、全く辛くない。本当に楽だった。

 本のようなものを渡されて、そこにある古代語を覚えるだけ、正直楽勝だ。

 今まで数多くの本を読んできた僕にとってこんなことは児戯にも等しい。


 ……そう思っていた時期が僕にもありました。

 だって、読めないんだもん!

 なんだよこの言語!

 発音も意味も分かったもんじゃない!

 なのにタマはスラスラと出来ていくし……はぁ、辛。


 ボンッ!


 山の斜面が吹き飛ぶ。


 あははー、タマの魔法が炸裂したぁ。

 あそこに人がいたらどうなってたんだろ? 消し炭かな?

 ちょうど昨日で儀式が終わってよかったぁ。

 まだやってたら死者が何人でたことやら。


(ふむ、まぁ合格点でしょう。今日はここまでにしましょう。)

「おぉ!やっとこの苦痛から逃れる!」


 でも明日もあるのか……逃げようかな。


(あぁ、アレン様はまだですよ? まだひとつも覚えていないじゃないですか。)

「……う"ぅ"。誰かぁぁぁあ!」


 ー更に2時間後ー


(では、やってみてください。)


氷の礫よ、(エルラ・リラ・)敵に降り注げ(テルス・ハルフィア)


 空中の空気が氷始め、徐々におおきな礫になっていく。そして、その数が200に近くになると、一斉に降ってきた。物凄い勢いで。


 あははー、これ僕がやったの?

 あー恐ろしい。


(上出来です。流石、太陽の申し子のアレン様です。)

「20個が俺の限界だったのに……その10倍かよ」


 言うな。自分のことなのに、より恐ろしい。

 なんで同じ言葉使ってるのにこんな違うのかねぇ?


(それでは次です。)

「え、まだやるの?これだけを覚えるのに4時間もかかってるんだよ?」

(まだまだ時間はありますよ。)


 あぁ、はい。


 ─更に更に2時間後─


炎の矢よ、敵を射抜けグノス・ソー・フィテル・ハルフィア


 中に、青い炎の矢が浮かぶ。40本ぐらい。それがルイフに向かっていく。


「あっ、やべ」


 勢いは止まらずそのままルイフに衝突し、物凄い音と煙に森の中が包まれた。


 アウチ!

 ……えと、ニゲテイイッスカ?


(……何をしているんです?)

「あっ……あっ……あっ……」

(私を敵と判断したのですか。確かに火属性は山に向かって使えませんもんね。まぁ必要だったということにしておきましょう。)

「セ、セーッフ!」

「いや、アウトだろ」


 ー更に更に更に1時間後ー


光よ、敵を射抜けプゥー・フィテル・ハルフィア


闇よ、敵を喰らえクイアト・ダーテス・ハルフィア


(ええ、いいですね。今日はここまでです。明日からも頑張りましょうね。)


「……はい」

「はい」


 終わった……

 似た言い回しだからやるにつれて、習得は最初よりかは早くなった。

 でもダメだって!

 よく集中力もったなぁ。

 え? 覚えるのぐらい簡単だろって?

 冗談じゃない! こいつ覚えるまでご飯抜きとかにしてきた!

 死ぬ気で覚えたわ!

 全く知識のない言語をこの短時間で!

 てか昼ごはん抜きになったし!

 え? 軽い方? マジで?

 これ以上のスパルタおるん?

 ……あ、そうなの。

 とにかく、育ち盛りの僕にはキツかったです!

 異論は認めません!


(ルビアス様は今どういった感じなのでしょう?)

「ん? あぁ」


 ルビアス?


 ─なに?─


 今何してる?


 ─戦闘中─


 おお

 ちなみになにと?


 ─よく分からないけど、恐らく亜龍?─


 え?


 ─私の劣化種の、更に劣化種っぽい見た目してるから─


 あ、あぁ確かにそう?だな


 ─すぐ終わらせる─


 ……頼んだ


(どうでした?)

「なんか亜龍と戦ってるって」

(そうですか。)

「まだ仔竜なのに……やっぱ凄いな竜って」

「……ほんとじゃん」

「おいおい、そんなんで驚いてちゃやばいんじゃねーのかい?」

「元凡人が驚かずにいられるか!」

「確かにな!」


 ─終わった─


 え、もう?


 ─うん。そっち向かってる─


 了解。


「終わってもう向かってるって」

「はえーなおい!」

(分かりました。では、ルビアス様が帰還次第解散です。)


 ……あれ?

 ルビアスって今日一日中狩してたよな。

 なにを狩ってたんだろ……?

 いや、考えないでおこう。そうしよう。

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