どすこいあっぱーやっそーれ
「どすこーい」
「どすこいこーい」
「いえーい」
謎の集団が、深夜の住宅街を徘徊していた。
肥った男たちがファンシーな柄の廻しのようなものを着用して、どすこいどすこいと言いながらうろうろしているのである。住宅街に住む住民たちは、窓からその様子を見ていた。
その集団の中に、一人の少女がいた。小学生くらいだろうか。楽しそうにその集団の後ろをついてまわっている。先ほど、男たちの声に合わせて「いえーい」とか言っていたのも、その少女だ。
集団はその少女を気に留めることなく徘徊を続けるので、少女は自分の存在が認められたと思い込んでいた。
「どすこーい」
「どすこーい」
「いえーい!」
少女は楽しそうにしている。彼女の母親らしき女性が少し離れたところで心配そうに見守っているが、少女はそれに気づかずくるくる回ったりしていた。
親の心子知らず。まさにそれではないか。
すると、突然集団の言う言葉が変わり出した。
「どすこいあっぱーやっそーれ」
「はい!」
「どすこいあっぱーやっそーれ」
「はい!」
「どすこいあっぱーやっそーれ」
「はい!」
謎である。
少女は驚きながらも楽しそうにしていた。「はい!」と男たちの声に合わせて言っている。
母親はおろおろしながら、どんどん住宅街から離れていく集団を追いかけた。
「どすこいあっぱーやっそーれ」
「はい!」
「どすこいあっぱーやっそーれ」
「はい!」
「どすこいあっぱーやっそーれ」
「はい!」
「ずんどこずんどこ」
「ずんどこずんどこ」
「どすこいどすこい」
「どすこいどすこい」
「どすこいあっぱーやっそーれ」
「どすこいあっぱーやっそーれ」
途中から、母親には何を言っているのかだんだんわからなくなってきた。脳が麻痺しているような感じがして、彼女は座り込んだ。
しかし、少女はそんな母親のことも知らずに、男たちの声に合わせて叫んでいる。彼女には、意味が分かっているのだろうか。
「どすこいあっぱーやっそーれ」
「どすこいあっぱーやっそーれ」
その声は、座り込んだ母親の耳に届かなくなっていった。やがて夜が明けて、朝になった。
よろよろしながら家に戻ると、少女と廻しを装備した肥った男たちが、笑顔で彼女を迎えた。
――――母親は、絶叫した。
読んでくださってありがとうございます。
超アホらしい作品ですね……すみません。
ちょっと疲れたので、息抜きがしたかったのです。
1月3日 19:30
ジャンル別日間ランキング14位になってました。
ありがとうございます。




