少女奪還作戦
今回はエリクシティでのストーリー、つまり事件の要点が含まれます。それだけで解くには話に進展はありませんし、後書きで要点をまとめておくのでいくらか飛ばし読みをしても大丈夫だと思います
「よし!!まずは現在地とあの金色のビルの位置を確認しよう!!」
机の上にヒナタから貰った地図をバンと広げて、黒髪の少女が叫ぶ。
「今がここです。エリクシティの町外れの民家の中でも更に端の方の家です」
杖を握りしめながら、地図の上を指差す金髪魔法使い。
「ルナぴょんが連れていかれたとされる、支配者ブルドックの金の建物がここ」
敵に変なあだ名をつけながら銀色に光る剣先を地図の一ヶ所に白髪剣士が向ける。
「ここから行くと少し距離があるかも。それまでに見つからずに行けるかな?」
「おまけに目的の金の建物は少し崩れてて、通りを見渡せる状況です。私達が逃げているとなると当然護衛もいますよね」
その様子を眺めながら、分析を始める金髪剣士と桃色の髪が特徴的な歌姫。
捕らわれたルナを除くパーティー全員が一丸となって、ヒナタの家、もといルナの家で彼女を救うための策を練っていたのだ。
「それらは雑魚だと認識して構わない。さっきは不意打ちだったからうまく対応できなかったけど、少し加減したくらいのスキルと魔法で一気に蹴散らせる。問題は別なんだ…」
「別ですか?」
一人深刻そうに語るアルトを不思議に思い、ミルス聞く。
「イグニスがいる…。それが一番の問題だ」
「っ!!あれがイグニスって言う人なんですか!?」
額に手を当てて目元を隠し悩ましげにアルトは答えた。その隣でミルスは目を広げて驚きを露にする。
「イグニスって、誰ですか?」
「ルナを連れ去っていった犯人だ」
「え?アルトきゅんとミルミルの知り合いなの?」
「知り合いって訳じゃない。僕とミルス以外のみんなは始まりの町に来て間もないから、知らないのも無理はない」
「……私も噂だけでしか聞いたことはありません。最強最悪のレベル100の冒険者……だそうです」
同じレベル100の冒険者であるミルスも重々しく、それが誰なのかわからない仲間に向けて言う。
「ギルドのブラックリストにも載る大バカ野郎だ」
「ブラックリストにですか?一体何をしたんでしょう。そのイグニスっていう冒険者は?」
「……簡単に言うと、たくさんの民衆が見ている前でエフュリシリカの王妃様を殺した」
「「「…………は?」」」
アルトの言葉に3人の言葉がハモった。
「それだけじゃない。イグニスがまたどこかで人を殺した事件はたまに噂に聞く。どことなく影から現れ、鈍い銀の光を放つ剣を赤く染めては、また影へと消えていく…。実体の掴めない、連続殺人犯さ」
シーナは口を開けたまま聞いていた。その周りのラルファとハルキィアも、驚異を表に出していた。
「奴は自分の楽しいと思ったことなら、それが殺人だろうと構わないでやらかす。その日、日頃から魔物や盗賊などの事件を鎮めてくれる、冒険者への感謝を直々に伝えにいらしてくださった王妃様を殺害した。ギルドではブラックリストになってるけど、王国ではもう指名手配。何年前からだっけか?」
「確か1年前です……。あの時の騒ぎは凄かったです。事件が起きた直後は家の中にいても何があったのか聞こえてきました」
「まぁそういうことだよ。イグニスは最低最悪だ。人の気持ちも考えずに私欲のためならなんだってする…。……本当に…絶対に許せない…」
「…………え?」
その時、ミルスは違和感を覚えた。
師の言動。まるでイグニスの事を詳しく知ったような口ぶりだったのだ。おまけに『絶対に』という言葉を使って断言をした。
その場で言及したかったが、今はそんなことを聞いている暇はない。早く捕らわれた仲間を助けなければならない。自分がそんなことを聞いたら話が脱線すると思い、ミルスは聞かないことにした。
しかし胸騒ぎもし、その違和感はしばらく残り続けた。
「最悪な上に強い。たくさんの兵士と冒険者達に囲まれているなかで王妃を剣で殺害。周りを取り囲んでる連中が一声に立ち向かったそうだが、全員レベル100の強さ、そしてイグニスの才能に打ちのめされた」
「才能…。そんなに剣術が強くても、アルトきゅんとミルミルなら遠距離から魔法で戦えるんじゃないの?」
シーナの言うことは冷静に考えれば最もだと考えつく。相手が剣士なら魔法使いやその他の職業の力で倒せる、イグニスを倒すためにギルドや王国が考えた策にもそれはあった。
しかしアルトの表情は変わらない。悩ましげにシーナの案に答える。
「確かに、イグニスが剣士なら一番有効な戦い方だね。少しズルくても、間合いやスキルの届く範囲にさえいなければ、遠距離攻撃が可能な職業が有効だ。……でも、そこには落とし穴がある。それは、イグニスが剣士だったらの話だ」
「え?」
シーナの意見の正答を証明しつつ、アルトはそれが悪手な理由を告げる。
「イグニスは…、魔法使いだ…」
シーナを待ち受けていたのは微塵も予想していなかった答えだった。
黒髪魔法使いの少女から聞いた話によると、イグニスと言う人物は剣で人を殺す。そう認識していたのに本当は剣士ではなく、目の前の二人と同じレベル100の魔法使いと言うことを誰が予想できようか。疑問がシーナの頭のなかを埋め尽くす。
「魔法使いなのに剣を使ってるの…!?」
「奴は大体何でもできる。剣術、武術、そして魔法。そのどれもを完璧にこなしていて、中でも魔法があいつの一番の強さだ」
そこでシーナはようやくアルトの言っていた『才能』と言う言葉が、剣術のみに対するものではなく魔法に関して言った事だと理解した。
「イグニスは魔法使いからの派生、つまり職業の進化を経た『死霊使い』だ。死霊使いは名の通り、霊を操り戦う職業。言ったよね?イグニスは何人も何人も人を殺めたって?」
「それって…もしかして…?」
ハルキィアが尋ねた。アルトに聞くまでもなく想像はついていたが、敢えて彼女は聞いた。
何故ならそう考えたくはないと、自分の考察を否定したかったからだ。
死霊使い。霊を操る男が人を殺す理由なんて、頭を捻らずともわかる。
「何人殺したかはわからない。でももしあいつの才能が本物なら………。あいつは殺人を犯した数だけ強くなっている…」
背筋が凍るようだった。人を殺せば殺すほど強くなる。暴力の象徴のようなフレーズだった。
同じ人間として、冒険者として、憎悪と嫌悪が混ざりあって生まれ始めた。
「しかもだ。死霊使いは本来、動物の霊を使い、また使用可能な召喚術も多い職業だ。それが人間を使ってるんだから、並大抵の死霊使いじゃない」
「…………な、なんでそんな危険人物がポリスと一緒にルナちゃんを!?」
「医者から聞いた話。数日前、成す術もなく町をボコボコにされたから、ブルドが怯えて雇ったらしい。イグニスが金で雇われたなんて少し怪しいけど、おそらくブルドの差し金だろうね」
ミルスが隣で目を向けた。
「……さっきの…話のことですね」
「……………………あぁ……」
さっきの話。そう言われて黒髪の魔法使いは後ろに座って頭を抱えているヒナタを見た。
遡ること10分前――――――――――――、
「ルナが……人殺し!?」
アルトはヒナタの言ったことを脳内で再生する。ルナは、いやルウナ アレクサンドリアは殺人の犯人として、8年前に指名手配されていると。
初耳どころか、それが本当なら知りたくもなかったとアルトは思った。
「あ、いえ違うんです!!僕の言い方が悪かったです。姉さんは絶対に人を殺していません!!」
慌ててヒナタが訂正する。それで多少は全員の胸がほっとした。しかしそんな暇もない話が、ヒナタの口から紡がれていく。
「…………本当は…、本当は僕がやったんです…」
「っ!!!!」
安堵の息を吐いたところに耳に入った衝撃的な言葉に、呼吸困難に近いものに陥ったアルトは死人を見るような目でゆっくりとヒナタを見た。
苦しそうな表情で下を向いて、冷や汗を浮かべていた。
痛みでもするのだろうか。義足と思われる足を震わせて、それを抑えていた。
「8年前です。僕が人を殺して、姉さんが犯人扱いにされ、町を支配しようとしていたブルドの父親が死んだ日です」
「まさか…!?」
その三つが同じ日に重なって起きていると言うことは。
「はい……。僕がブルドの父親を殺して、姉さんが身代わりになりました」
―――――――――――――――――――――――
8年前。
少年はとうとうやった。憎しみを抑えきれずに、ついにやった。
何をやったのか。
両親を殺した、町を支配しようとしている男。ゴルドと言う名の中年の男を、生まれてからまだ8年。穢れていなかった小さな手を、親の仇であるゴルドの血で汚した。
町の為に働く偉い父親と、おまけに母の命まで奪った男をこの手で殺したのだ。
とてつもなく簡単だった。
路地裏を歩いているゴルドに声をかける。後ろには包丁を隠しながら握って、おじさんおじさんと呼ぶ。
小さな子供に声をかけられた子供嫌いのゴルドは、なんだと睨み付けながら子供と同じくらいの高さまでしゃがむ。
その瞬間を、8歳の少年ヒナタはついた。
真っ正面から胸に包丁を一突き。胸に凶器を突き刺されたゴルドも何が起きたのかしばらく理解できず、刺されたと認識したときにはすでに意識を失った。その視界の端には、自分の返り血で濡れている子供を捉えながら。
刺されたと言う衝撃な事実と、おそらく呼吸困難により倒れたのだろう。
だがそんな虫の息の敵にはもう目も向けず、達成感がまだ幼い少年ヒナタの胸から沸き上がった。
「やった…!!やったよパパ!!!!ママ!!!!敵をとったよ!!」
倫理なんて言葉すらまだ知らない少年に、後悔や罪の意識は当然無く、嬉しさからずっと笑っていた。心臓を貫いた事により大量の血が蛇口から出るように手にかかってきたが、そんなのは関係無い。
正義のヒーローが悪をやっつけた時のように、心の底から笑っていた。逆に手は血の生暖かさが消え、冷たくなり始めていた。
パチンッ!!!!
そんな愚かな事をしてしまった少年の笑いを止めたのは、少し年上と思われる少女のビンタだった。
「なんで……………。なんで……、なんで!!」
少年ヒナタが、それは姉ルウナのビンタだと感じたのは、ぶたれた瞬間。それが確信になったのは、横を向いた顔の目だけを動かし、目の前で叫びながら泣いている姉の顔を見たときだ。
「こんなことしたって…、お父さんとお母さんは帰ってこない…。こんなことしたって、天国のお父さんとお母さんは喜ばない!!なのになんでこんなバカな事をしちゃったの!?」
そしてルナはまたぶつ。ヒナタの視界もそれにより揺さぶられる。
「これじゃヒナタまでこいつと同じ犯罪者なんだよ!?」
ぶつ。
「こんなことしても罪と憎しみが受け継がれるだけなんだよ!?」
ぶつ。
「お父さんとお母さんが死んだとき、どんなに苦しくても二人で一生懸命生きていこう、って決めたのに!!」
ぶつ。
「私を一人にしないでよヒナタ!!!!」
何度か左右交互にぶってから、ルナは唖然として涙を流しているヒナタの胸ぐらを掴んで、全力を込めたビンタをした。
乾いて大きな音が良く響いて、ヒナタの体はルウナの手が動く方向へと投げ出される。
「……うぅっ…!!」
「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…」
何故ぶたれたのか理解できず、涙は流しても鳴かないでいるヒナタをルウナは見下ろした。呼吸は荒く、色々な意味で苦しそうにしていた。
そしてそっと近づいて、
「……ごめんねヒナタ……」
弟を抱き締めた。
「こんなにたくさんぶって…、痛かったでしょう?」
優しく、母親のように語りかけた。
渾身の力でビンタを放って、骨が折れているのではと思えるくらいヒリヒリする手を少年の頭に乗せた。
「一人に…するなって言ったけど…。私が一人にしちゃうね…」
姉の言葉を聞いてはいても、それに返事をできるほど心の余裕がない少年はただ泣くのを堪えようとする。
「でも大丈夫。ヒナタの事は守る…。それは絶対に約束するから…」
そして姉が自分の体から離れていくのを感じた。抱き締めて自分を支えていた姉がいなくなると、ヒナタの体は重力によりゆっくりとアスファルトに叩きつけられた。
地面にうつ伏すようにして、ヒナタはただただ泣くのを我慢していた。
その間、ルウナは倒れているゴルドの亡骸に寄って、
「……死んでる…」
脈がすでに止まっていることを確認し、胸に刺さっていた包丁を抜いた。そしてその日、柄を自分の服で丁寧に拭いていく。
「これの指紋を拭いて…。私の指紋をつける」
ルウナがやっているのは、証拠の誤魔化しだった。
つまりは、弟の罪を自分に被せるために。
「よし…。あとは私がこれを持ってポリスの所に出向けば…!!」
血に手を濡らしながらルウナはぎらりと光る包丁を見つめる。
自分が自首をすれば、ポリスは変に怪しく思わないで、すぐに自分を殺人罪の犯人として逮捕をしてくれると踏んだルウナ。そうすれば弟に疑いが向けられることはなく、その弟の手についた血は逆にこの男を助けようとして着けた血だと証言すれば全て自分の悪事に塗り替えられると考えたのだ。さらに冤罪でも自首、しかも町でみんなを苦しめているゴルドを殺害したのだから、自分の刑は重くならない。ヒナタを独りにしてしまうが、ただの殺人犯と比べ時間はかからず出てこれるだろう。
そう思ったルウナは、事は急げと思いつつ。
「もう少し……。カモフラージュを…」
これだけでは心配だったため、包丁でゴルドの亡骸を突き刺した。一回で終わらず、二回、三回、四回…と、何度も何度も突き刺す。その度に血が跳ね、自分を汚していく。
「これでよし……。あとは自首をすれば……、!!!!」
と立ち上がったその時だった。
「き…、きさ………、きさまぁっ!!!!」
急に路地裏に響いた声。恐る恐る視線をあげて前を見れば、
「……しま…、……った…!?」
同じくらいの子供。太っていて飴を舐めている少年がこちらを指差して大声で叫んでいた。
それが誰だかは知っている。自分の足元に倒れている亡骸の子供、ブルドだと。
では何故しまったなのか。
最悪な父親の最悪な息子に目撃された。この親子の人格が人としてクズなものだと知っており、その息子に父親を殺した所を目撃されたと言うことは。
あの手この手で犯人を殺そうとしに来る。つまり憎しみの連鎖を起こそうとすることなど、安易に想像がついた。
そう思ったときルウナの足は動き始めていた。向かう先はポリスではない。何としてでも捕まるまいと、とにかく逃げ出していた。
自分はヒナタを守るために罪を被った。ヒナタに人を殺める事の愚かさを教えると同時に、ブルドがヒナタを殺さないようにするためだ。
しかし自分がポリスではなくブルドに先に見つかってしまった。この男が部下を呼べば自分はすぐに殺され、ヒナタがまた憎しみで殺人を企てかねない。
だから逃げた。ルウナは誰にも捕まらない、殺されないようにひたすら逃げた。
それが町の外へだろうと構わず………。
―――――――――――――――――――――――
「最初は姉さんを憎みました…。良いことをしたと思っていたのに、どうしてこんなにひっぱたくのか…。不思議でした…。でも時が経つにつれ、自分の間違いに気づきました」
今では見も心も成長した少年はアルトに語る。
「殺人犯の一族と言うことで、ブルドの部下に足を斬られました。僕にも少しの罰を与えられた…。いや姉さんに軽くしてもらったんです…。本来なら殺される所を、足だけで済ませて貰ったんですから」
ヒナタはそっと足を抑えた。
「だから僕は謝らなければいけません。僕を守ってくれた姉さんに……、無関係なのに攻撃されたあなた方に…。そして…自首しなければならない…」
しっかりとアルトを見据えて、ヒナタは言う。
「できるものならもっと早く自首をすればよかった。そうすればこんなことにならないで済んだ…」
昔、胸に抱えていた憎しみを今では自分に向け、ヒナタは拳を強く握っていた。悔しそうに、後悔を表情にして、奥歯を噛み締めていた。
「それは違ぇよ」
「…………え?」
今まで黙って話を聞いていた黒髪の少女が口を開いた。ヒナタに言い聞かせるように、その少女は言う。
「確かにあんたが自首してりゃ、ルナは連れていかれずに済んだかもしれない。だがルナはそれを望んだと思うか?もう一度考えてみろ。ルナは何故どうして誰のために何を期待して逃げ続けたのかを」
「……っ!!」
「全部お前のためなのに、お前が自首しちまったらルナの努力は全部水の泡だろ?」
落ち着いて考えればわかることを、アルトに気づかされたヒナタは雷に撃たれたように固まった。
「かといって自首しなくて言い訳じゃない。どんな奴であろうと、殺すのはNGだ。だからお前の罪はまだこれから償わないといけない」
アルトは聖人でもなんでもない。だから自分の言っていることが正しいのかなんて分からない。しかしこれだけは言えた。
「でも、自首するのは後だ。俺らがこの最悪な町の最悪の元凶をぶっ飛ばしてから、あんたは自首をしろ」
そう告げて、アルト オーエンはニッと笑った。
「にしてもさっきのアルトきゅんはかっこ良かったね。アソコがちょっとばかりキュン、ってなっちゃった♡」
「胸がキュンだろ!?」
カッコいいと言われて少し良い気持ちになったが、その次の変態の発言で全てぶち壊された。
「そんな事よりどうするんですか!?イグニスって男を何とかしないと、ルナさんを助けられません!!」
「そうだね…。何とかして倒す方法を見つけないと…」
「え?いや、策はある」
「仲間割れとか起こさせるのはどうでしょう?」
「お、それいいね。契約に問題があって、片方が片方潰すみたいな」
「おい聞け。策はあるから…」
「ハルキィーが歌ってさ。その凄さに感動している隙にコッソリ救出とか?」
「私、あんなやつらの為に歌う唄は持ってないです」
「………………………………みんな聞いてる?」
「………………っ!!策あるんですか!?」
恐ろしい程長い時間差の後にようやくミルスが反応をしてくれた。
「あるにはあるさ。鬼がいない間にルナを救い出す、僕の考える完璧な策が」
普段はナルシスト感など全くないが、自信ありげにアルトは自分を褒めるように言った。
「まぁそれをやるかどうかは、ある人物の許可が必要だけどね」
「それは誰ですか?」
ミルスが首を傾けて尋ねる。するとアルトはその人物を指差した。
「ん」
「え?」
指を向けられたその人物は間抜けた声を発して、後ろを向いた。しかし誰もいない。と言うことはこの魔法使いは自分の事を言っているのだと、冷静に考える。
「この作戦の主役は君だ。ミルス」
何故自分の許可が必要なのか分からないミルスは
、指を指されたままただ立ち尽くしていた。
要点
・ルナを連れ去ったイグニスと言う男は最強最悪の冒険者と呼ばれている魔法使い(死霊使い)
・例のデブの父親を殺したのはルナではなく、その弟のヒナタだった
・ルナを救うために主人公らは立ち上がった
これ以外に後から重要になっていく点は、イグニスがエフュリシリカの王妃を殺害した犯人であると言うことです
『エフュリシリカ』という国の名前を覚えているでしょうか?ハルキィアのストーリーの所で、出てきましたね
そちらについては後々設定を書いていきたいので、一応覚えておいてください
次回、みんなであのデブを潰しにいきます
ミルスが作戦の鍵とはいったい?
投稿は、スピードによってはまたすぐだったり、1週間程時間がかかるかのどちらかとなります




