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レベル100の引きこもり魔法使いが防御魔法を極めてたら  作者: 四季 恋桜
冒険中断 ~それぞれのすべきこと~
73/127

ミルスの日々の始まり 前半

えー……、とりあえずバラバラになっちゃった期間は個々で話を書いていきますね


反省と出会いと、なるべく暗い描写から脱け出せるように笑いも含めるようにします


とりあえず今回はミルスのお話です


落ちるところまで落ちてしまった弟子を、ある方の力で徐々にあげていきます


2日目


「……………………」


 金髪の少女は目覚めた。真っ暗な部屋の中で、と言っても朝だ。カーテンを締めきっているため部屋が真っ暗なのだ。


「……………………」


 目が痛かった。昨日、ずっと泣いていたのだから。

 鏡で確認しようにも洗面台まで行くのがだるい。


「………………、」


 召喚獣の小さな龍はまだ帰ってきていなかった。慰めてもらおうなんて甘いことは考えれない。


 少女はベッドから降りて立ち上がった。

 昨日シャワー等を浴びなかったため、寝る前に下着以外の服を脱いだのだ。

 そのままゆっくりと歩きだし、洗面所へ向かうのかと思ったが違った。

 下着姿のままで窓の前の椅子にもたれかかった。


「…………」


 椅子の上で体育座りで丸くなった。

 窓を背後に座っているため暗い部屋の中を見ながら昨日の事を思い出す。


 少女は病んでいた。どうしょうもない現状に太刀打ちできず、越えなければならない壁の前で何も考えずに座り込んでいた。

 これが挫折と言うやつだ。誰かがその壁を壊してくれないかと願って、それを待っているのだ。


「………………」


 結局はまた人頼み。自分にやれないと決めつけて、周りに流していくずるいやり方だ。

 気がつけば自分はそれが得意になってしまっていた。

 今もあの発言を信じて、ルナに全て任せているのではないのか?


「……クズだ…」


_____いや、違う


「いいや…お前はクズだ!!」


_____そんなことない


「クズだって言ってるでしょ!?」


_____まともだよ


「うるさい!!黙れ!!」


_____本当はそんなこと微塵も思ってない。あなたは最高だよ?


「消えろ!!クズがクズがクズがクズがクズがクズがクズがクズがクズがクズがクズがクズがクズがクズがクズがクズがクズがクズがクズがクズがクズがクズがクズがクズがクズがクズがクズがクズがクズが!!!!」


_____素敵♪


「アァァァァァァ!!!!」


 発狂したミルスは横においてあった果物ナイフを掴んだ。そしてそれを自分の喉のど真ん中に…


          カラン……


 突き刺せなかった。喉を切り落とす前にナイフが止まり、床へと転がり落ちた。


 誰とも話していない。なのに少女は叫んで、死のうとした。


「……バカ……だよね…」


 誓ったのに。一昨日の夜に飛んでいく師匠に誓ったのに。

 人一倍努力して、師匠を迎えるって…。

 なのに…、なのにもう…。


「生きてる価値が…ないよ…」


 ミルスはそのまま床に崩れ落ちた。




 気が晴れなかったがそのまま外に出た。空は晴れているのに、視界に映る全てが沈んで見えた。


「………………」


 ただただ町を歩いていた。

 することはあるが何もやる気にならない。


 今朝、みんなの部屋に言ったら荷物ごと、もぬけの殻だった。

 宿屋の人に聞いたら、昨日の朝に一人と夜に二人が、出ていったそうだ。

 つまりみんないなくなってしまった。書き置きとかは何もなく、昨日の会話以降話したりもしていない。


 本当はみんなを探すために外に出てきたのかもしれない。やはりまだどうにかしようと思う気があったのかもしれない。

 だがそのあとどうする?おそらくラルファとシーナは見つけても戻ってこない。時間を来れと言って去ったのだから本人の意思が変わらない限り、呼び戻すのは無理だ。

 ルナは?おそらく彼女も何か考えての行動をしているのだろうが、どこで何をしようとしてるのか全く分からない。

 だったらディアスを探そう。2日も見かけないで本当に心配だ。今までこんなに長い時間どこかに行くようなことがなかったせいか、ディアスがどこにいるのかを考えると少し怖かった。


 と、考えているとミルスは足を止めた。


「…………っ、」

「さぁー!!よってらっしゃい見てらっしゃい!!今から始まるのは魔法で作る芸術だよー!!」


 前方で大道芸人がそんなことを叫びながら客を集めているのを発見した。


「…………」


 魔法で作る芸術と聞いて、ミルスはアルトの防御魔法を思い出した。

 どんなものをも防ぐ堅さと、芸術性に飛んだ使い方。懐かしく思い出され、少し胸にチクリと刺さった。


「……こっち行こう……」


 あまり近づきたくなくなって、ミルスは路地裏に入った。






「………………、」


 リブラントは高い建物が多い。そのため路地裏は日が入りづらく、結構暗い。しかも以外と入り組んで迷路のようになっている。


「………………」


 もしここで死んだら死体発見までどれくらいかかるかな?


 人気の無さからついそんなことを考えてしまっていた。

 ミルスの精神はもうズタボロだった。無意識の内に死のうなんてまで考えてしまうくらいに。


「……バカだよ………」


 自分を叱ってミルスは尖った角を曲がる。


「……っ……」


「お?」

「なんだなんだ?子猫ちゃんが迷い混んだぜ?」


 曲がってすぐ目の前で男二人が《たむろ》屯っていた。煙草を吸いながら、いかにも柄の悪そうな二人。


「……失礼します。そこを通してもらえませんか?」

「んー?ここぉ?ダメダメ、今通行止め中なんだよね~」

「どうしてもって言うなら通らせてあげてもいいけど…」


 男二人が立ち上がって迫ってくる。


「ねぇ、君可愛いね?何でこんな路地裏通ってるの?」

「……関係ありません。通してください」

「つれないねぇ~、いいじゃんいいじゃん。職務質問ってやつ?」

「俺達ここの門番みたいなもんでさぁ~」


 明らかに分かる嘘をついている。おちょくっているのだ。


「嘘……ですよね?」

「まぁ嘘でもほんとでも、どっちでもいいじゃん」

「通りたかったらちょっと俺達と遊んで行こうぜ?」

「…………っ…、」


 男たちはジリジリとこちらに寄ってくる。ミルスは少しずつ後退っていく。

 が、曲がり角を曲がってすぐのところを後ろに下がれば、背中にあるのは壁だった。


 ミルスは追い詰められてしまった。


「……来ないでください…」

「んん~、いいねぇ強がり。でももうダーメ」

「にしても綺麗な足だなぁ~。ちょっとスカート捲ってもらえる?」


 ゲス男どもは完全にミルスを追い詰めた。


 そんな中、ミルスはもうどうでもよくなっていた。このままこいつらにメチャクチャにされても構わないんじゃないんだろうか?どうせ死ぬ予定なのだから…。後悔どころか未練も残らない。


 自暴自棄になっていると確信しながらミルスは男に接触されるのを許した。


「そらぁ!!」

「……っ!!」


 だがやはり嫌になった。

 男にスカートを捲られて、その思いが爆発した。

 正気に戻って自分が置かれている立場を確認した。


「うっひょー!!最高最高!!」

「や、止めてください…!!」

「いや、抵抗とかもう遅いっしょ。素直になっちゃいなよ」

「嫌です!!誰か!!誰か助けてください!!」


 必死になって叫んだ時、ミルスの心に引っ掛かった。

 まただ。またすぐ誰かに助けを求めようとしてしまった。別に今回みたいな状況なら、魔法で隙を作って表の方まで逃げれば良い話だったのに……。

 本当に助けを呼ぶだけの汚い人間だ。


「誰も来ないからね~」

「大丈夫。ここにずっといたいって思えるから」

「……嫌……!?」


 男二人がミルスの服を掴んだ。


 ミルスがもうダメだと思ったとき、


「止めよ醜いオスども。その子から直ちに離れるのじゃ」


 女声が路地裏の壁に反射して響いた。


「ん?何だぁお前?」

「うっは!!超絶可愛い娘ちゃんじゃね!?」


 男達の背後に立っていたのは、紅くて長い髪を腰辺りまで伸ばして腕組みをしている、自分と同い年くらいの少女だった。

 容姿はちょっとS気質っぽい顔に細い胴体。特に胸の辺りがミルスと等しいくらい乏しかった。


「もう一度言うぞ?妾は貴様らに『直ちに』その子から離れろと言っておるのじゃ、オス豚どもが」

「これはラッキーじゃん。1度に可愛い子2人もGETなんて」

「このきつい感じの!!俺ちょードストライク!!」


 男達は少女の言うことを気にしていない。


「ツンツンしちゃって、君も俺達と遊ぼ_____」



「人間のオス豚ごときが汚れた手で妾に触れるでない!!!!」



 男が少女を掴もうと手を伸ばしたとき、目にも見えぬ早さで少女は男の手を払った。


「ちっ…。おい、調子に乗ってんじゃねぇぞ!?」


 強く手を弾かれた事に苛立っているのか、男は口調に本性を表した。

 が、少女は動じずに男を睨む。


「さてどうするのじゃ?」

「ちょーっと痛い目会わせてやらねぇとな!!」


 腕組みをして立ってる少女に男二人は飛びかかった。


 が、


「……燃えよ」

「……っ!!なぁ!?」

「う、う、うわあぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 向かってくる男に少女が右手を出してたった一言告げた。

 すると指先から炎が出て、男2人の髪を燃やしたのだ。


「あちぃ!!あちぃよ!?」

「水っ!!どこかに水ねぇか!?」


 パニクった男達は燃える髪のままくるくる周り始めた。


「フフハハ…!!なんと不様で哀れな姿じゃ!!人間松明とは!!貴様らには笑いのセンスがあるぞ」


 少女は慌てる男らを見て、声をあげて笑っていた。


「ちっくしょー!!覚えてろよ!!」


 男達は火だけにヒィヒィ言いながら逃げていった。


「貧弱なやつらが…。おい。大丈夫か?」

「…………え」

「主の事じゃ」

「あ、ご、ごめんなさい…!!助けてもらって…ありがとうございます……」


 一瞬の出来事だったため、ボーッとしていた。ミルスは慌てて頭を下げる。


「気を付けよ。あの手の輩は接近を許しただけで図に乗るからのう」


 赤髪の少女が長い髪を手でフワサァ、と払う。

 その姿は気高い貴族やお姫様のようだった。よく見れば服とか、露出が少ない点などから貴族のような服装だった。


「……む?」


 少女が鼻をつき出して不思議に声を発した。匂いを嗅ぐ仕草でこちらに近づいてきた。


「スンスン…。主からの香り…、何か懐かしいものがある…。匂う…匂うぞ!!」


 急に目をくわっと開いて少女がこちらの顔を見る。


「あ…ご、ごめんなさい…。昨日はシャワーとか浴びてなくて…、今体が汚いので…」


 いくら相手が女子でも、一日シャワーをパスした体の匂いを嗅がれるのは嫌だ。


「そうではない。今まであったやつの香りと魔法使いの香り……そしてこれは…、む?」

「え?」


 少女がこちらの顔をまじまじと見つめてきた。


「あ…あの…?」


「お主…病んでおるな?」


「っ!?」


 図星、と言うか顔を見ただけでミルスの今の心を適中させられて、ミルスは驚いた。


「……えっと………」

「うむ。まぁとりあえずここを抜けるぞ。それから主の話を聞かせよ」


 背を向けて、少女は出口の方へと歩いていった。

 1度戸惑ったが、ミルスも後を追うように走り出した。







 そして連れてこられたのはなぜか集会浴場だった。


「あ…あの?」

「ん?なんじゃ?」


 脱衣所まで連れていかれた所でミルスはようやく声を発した。


「ど、どうしてここに?」


 急に現れた人物にここに連れてこられたら誰でも不審には思うだろう。もしかしたら何か危ない人と関わってしまったと思っても悪くはない。


 胸元のボタンを外していく赤髪の少女は答える。


「妾と話すと言うのに、丸1日風呂に入っていないとは無礼じゃ。だからまずは身を清めよ」

「で、ですが…」

「む?なんじゃ貸し出しているのは白しかないのか。普通赤じゃろうに……」


 赤髪の少女はミルスの話を聞かず、レンタル用の水着が並んでいる方へ歩いていった。


 とそこへ…


「キリア様ー!!やっと見つけましたよぉ~!!」


 メイド服姿の女性が大きな胸をバインバイン揺らしながらこちらへ走ってきた。

 キリア、と言うのはこの人の名前だろうか?


「ぬ?おお、リーザか。よくここだと分かったな」

「分かったな、じゃありませんよぉ~!!いつも勝手にどこか行ってしまわれるんですから~!!」


 リーザと呼ばれたメイドは目に涙を浮かべて嘆いていた。


「ちょうどいいところに来たのうリーザ。命令じゃ。そこの娘の服を脱がして体を洗ってやれ」

「「っ!?」」


 驚いたのはミルスとメイドのリーザだった。

 指を指されてヤバイ店の人みたいな事を言われたミルスはビクッと肩を震わせ、リーザはキリアの指の指す方向を見て目を開いた。


「い、嫌ですぅ!!人間の体なんか…、って痛いですぅ!!」

「え?」


 今なんて言ったかよく聞こえなかったが、何か変なことを言っていたような?

 リーザが喋っている途中で、キリアは無言でスパァンッとチョップした。


 頭を抑えて嘆くリーザにキリアが耳打ちした。


「バカ……!!人間ではないとバレるじゃろうが!!お前はいつもいつも!!」

「だってぇ~!!人間なんてみんなゴミク…」

「どうでもいいが命令を拒否したら、貴様のその


『キリア様の胸ってバカの目には見えないんですね(笑)』


 とか当て付けにしか見えないその憎たらしい爆乳を、もぎ取ってオークションに売り飛ばすぞ」

「酷いですぅ!!!?私そんな事思ってないのに!?」

「いいから言う通りにせい!!この駄メイド!!なぜ側近のお前ばかり乳がでかいのじゃ!!」


 何か物騒な話をしているとしか思えない。

 そう思って眺めていたらキリアがリーザをこちらへ突き飛ばした。


「うぇぇん…職権濫用ですぅ」

「えっ!?ちょっ!?」


 泣きながらリーザが脱がそうと服を掴んできた。


「動かないでくださぁい」

「い、……いや、でも!!」

「命令こなせないと、お仕置きされちゃうんですよぉ~」


 リーザが泣きながらそんなことを言うので、ミルスも流石に可愛そうに思い黙った。


 それよりあのキリアと言う人は何者なのか?メイドを従えているってことは、やはり見た目通り貴族やそこらへんの人なのかもしれない。


 どのみち、今やることないならあの人といても構わないだろう。

 そう言い聞かせた。






「フー……。庶民の入る風呂も良いものであるが、何故あそこには男と混浴なのか…分からぬ」


 リーザに体を徹底的に洗われたミルスは、外で休める場所を見つけて、丸テーブルをはさんで紅茶を飲みながら不満を溢す、キリアの向かい側に座っていた。


「さて…。自己紹介がまだじゃったの。妾の名はキリアじゃ」

「えっと…私は…、ミルス……フィエルです…」

「そうか。ならミルス、貴様悩みごとがあるな?」


 自己紹介するといきなりキリアが本題に突入した。


「…………」

「申してみよ、妾は心配なのじゃ。先程の主の目…、今すぐにでも自害しそうなくらい沈んでいたぞ?」


 この人はなにもかも分かっているみたいだった。

自分が何を思ってあんなところにいたのか。一体何がしたくてやっているのか。

 この人に話しても、状況が何か変わるわけではない。でも……、……もしかしたら力になってくれるかもしれない。


 もう心の支えなんか何もないミルスは、藁にすがるような想いで、キリアに自分の事を全て打ち明けた。





「なるほど…難しい問題じゃな…」


 全てを打ち明けて話終えたミルスはうつ向いていた。キリアはそれを見定めてから口を開いた。


「大切な師がいなくなり、なんとかしようとするも他の仲間らはみなバラバラになってしまった。パーティーが解散の危機というわけ…か…」


 ミルスは顔をあげようとしない。

 あげられないのだ。

 こんなどう聞いても自分が無能なことを語っている話を、その無能な本人から聞かされて、呆れていると絶対思われているという重圧がのしかかっていた。


「面をあげい、ミルス フィエル」

「……できません…」

「良いからあげろと言っている」

「…………はい…」


 キリアに強く言われたため、ミルスは少し首をあげた。


「妾が言えた道理ではないが」


 おそらく叱責される。もしくは呆れられて何も言われない。

 だってそれを解決するには私が何かすれば良いことなのに…、私は何もしない、できない、ただ無能魔法使いなのだから……。



      「よく頑張ったのう」



「……え?」


 それは以外なものだった。一番予期していない言葉。キリアの口から告げられた。

 いや…どうせ気休めだ。


「どうして…ですか?私は……何にもできていないのに…」

「それはお主自信の意見じゃろ?」

「……現状が物語ってます…」

「そうか?妾にはむしろ進展しているようにしか思えぬ」


 それはおそらく外からの意見だからだ。

 内側に立って問題に直面すれば違うと分かる。外から見れば絶対に理解できるはずがない。


「妾から見ればあと、努力しなければならないのは他の仲間じゃろう」

「だから、そんな事は…」

「良いから黙って聞いておけ。主はすでにその師匠に謝っておる。100点とは言わぬが、そうしただけ合格じゃ」


 キリアはティーカップを置いて、腕を組んだ。


「だが他のそやつらはまだ、『ごめんなさい』の『ご』の字も伝えておらんのじゃろ?それならば主はそれを待った方が良いじゃろう」

「どうして…ですか…」

「お主らは若すぎる」

「……っ…………」


 キリアの言葉にミルスは息を飲んだ。


「聞けば成人しておるやつなど一人も居らぬではないか。バーサーカーの女に関しては分からぬが…、今の主以外の者共に必要なのは、心の成長とそれを行う充分な時間じゃ」

「私は…、私はその倍の成長が必要ですね……」



       「戯けがァ!!!!」



「っ…!!」


 力なくミルスが呟くと、キリアがそれを一喝した。


「なんでもかんでも主自信のせいにすれば良いと思うなよ?弟子がそんな卑屈になって、その師は普段通りになれると思うとるのか?そやつの性格からして、逆に気を遣ってしまうじゃろうが」


 キリアの言葉が鈍器のようになり、胸を叩いているような辛さだった。


「主らは人間じゃ。成功するときは成功して、失敗するときは失敗する。失敗したときはもう二度と失敗しないように学ぶ。いつまでも過去に囚われておらず、未来にそれを行かさなくてどうすると言うのじゃ」

「それでも…絶対にしたら駄目な失敗だってあります……!!」


 ようやく金縛りから解放された気がして、ミルスは反論した。


「そんなものは生死が関わったときだけじゃ!!」

「っ!!」

「何もかも大きな失敗と思ってどうする!!失敗を恐れて何をするにしても怯え、結果的にはなにもできなくなるじゃろう!!」


 まさしくキリアの言った通りだった。今のミルスの心境を答えよと言われたら、その言葉をそのまま当てはめれば模範解答になりそうな程に、理に適っていた。


「……私…私は…」


 気がつけばポタポタと大粒の涙が何滴も落ちていった。テーブルの上に落ちると、陽の光が当たってキラキラと宝石のように輝きを放っていた。


「愚か…だった…。全然場違いな被害妄想で、師匠を困らせてた…。さっきだって…。師匠の為に、邪魔な自分が消えれば師匠の為になると思って………。…死のうとしてた…」


 いつから壊れてしまったのだろう。自分の心はこんなにも錆びてしまったのか。

 大好きだから……。大好きだからあの人に好かれようとしたのに上手くいかなくて…。それでなんとか気を引こうとして自傷して。悲劇のヒロイン気取りの愚かな人間だった。

 いつも泣いてばかり。泣けば師匠が涙を吹いてくれる…、そんな子供な考えだった。


 もしまた会えたなら、もう一度師匠に謝りたい。


 師匠が望まないことをしようとして、それが師匠の幸せになると勝手に判断して、不幸にしようとしてた。

 謝らなければ。謝らなければ気がすまない。



「……うぐ、ひっく…。ごめんなさい…ごめんなさい…」


 声をあげて泣くミルスの声だけ耳に流して、キリアは再び紅茶入りのティーカップを取った。


「まぁ、妾からすればその師も世界一の大バカじゃがのう」


 そんなことを呟いたのをミルスは危機逃しはしなかった。


「……っ!!……そんなことは、ありません…!!!!」

「………………ほう…?」


 キリアがさらっと口走ったことにミルスは大きく反対した。


「師匠は大バカなんかじゃありません!!いつも笑顔にしてくれる優しい人です!!」

「そうかのう?強敵に自ら突っ込んでいく所から、妾にはただのでしゃばりにしか思えぬがな?」

「違います…!!弱いから、私達が弱いから師匠が戦うんです…!!私たちは強くならないといけない立場なのに……、何もしようとしないで……。それでも師匠は何も言わずに黙ってたんです!!」

「さて、本当かのう?黙って見てた時点で、そやつはただのお人好しじゃ」

「なら師匠は世界一のお人好しです!!」

「!」


 ミルスの言葉に、今度はキリアが目を開いた。


「お人好しなのは優しいからです!!私は優しい師匠が…、お人好しな師匠が好きです!!大好きです!!お人好しで何が悪いんですか!?この世で生きていくために必要なのは、力でも富でもなく…、まさに今の私達に足りない、優しさだと私は思います!!!!」


 机をバンと叩いてミルスはキリアに言い放った。


「……………………フ、…フハハハハハ!!」


 数秒間ミルスと睨み合ってから、キリアは鋭い八重歯を見せながら本人でもおかしいくらいに笑った。


「ようやく腹から叫べるくらい元気が出たのう、人間」

「えっ!?」


 キリアはわざとアルトをけなすと言う、憎まれ口をたたいていた。

 ミルスに全力で反論させるためだ。

 自分を責め続ける事が癖となっている金髪少女を元気づけるには、それが良いと赤髪の魔王は判断した。


 ミルスはそれに気がついた。


「それくらい自分を素直に表に出せるのなら、貴様の想いはすでに伝わっておるじゃろうな」


 キリアは八重歯を覗かせながらニヤリと笑う。


「主はその方が良い。似合っておる。泣き顔より笑顔でいる方が一番じゃろう。その、世界一お人好しの師匠にはな」


「キリア……さん…」


 大人だった。自分と同じような少女とは思えないくらい知識人で道徳のある人だった。

 胸がスッキリしていた。

 足下が1面ヘドロで覆われ、毒ガスが充満しているような空間が、綺麗な花畑に変わったような感覚だった。


 この人は、見ず知らずの人にここまで心を動かした。すごいなんて程度じゃない。

 自分にはこの人が救世主にしか見えない。


 と、ミルスが感動しているそこへ、


「キリア様」


 向かいに座る少女を呼ぶ声がしたので見てみれば、クールそうなメイドが立っていた。


「む?おお、フェルノか!!」


 ショートボブの碧色の髪のフェルノと呼ばれたメイドの手にはバスケットがあった。そしてその中には、


「っ!!ディアス!?」

「んむ?っ、ミルス フィエル!!」


 予想外の出来事にディアスはミルスの元まで飛んだ。それをミルスは強く暖かく抱きしめた。


「良かった!!心配してたんだよディアス!?」

「すまない。こちらにも事情があってな」

「なんじゃ?主ら知り合いか?」


 状況が分からないのはキリアもだった。


「紹介しようキリア。この娘が我の主、ミルス フィエルだ」

「なんじゃと!?」


 これまでで一番の驚きを見せたのはキリアだった。目を見開いては何度も擦っていた。


「ディアス…?キリアさんと知り合_____」


 知り合いなの?と聞こうとしたところで、いつのまにか迫っていたメイド、フェルノが首にシャキン、とナイフを突きつけていた。


「ひっ!?」

「人間。貴様は一体この御方をどなたと心得ている?」


 殺気だけを向けて、怒りの籠った声でフェルノが口を開く。


「この御方を我らが主。魔お……」

「―――――――――――っ!!」


 フェルノが何か言いきる前に、どこからか取り出したハリセンで、すごい目つきでキリアがフェルノの頭をスパァァンッ、と叩いた。


「お前もか!!何故妾の侍女、側近どもはこうもアホなのじゃ!!乳か!?その乳のせいか!?」


 また耳打ちで何か言っているのを、ミルスは解放された首の無事を確認しながら『?』と首を傾げて眺めていた。


「そうかそうか。主がそのトカゲの飼い主じゃったのか」

「ムッ…」


 トカゲと言う言葉に反応したディアスが怪訝な顔をする。


「喋る面白生物かと思ってとりあえずキープしてたのじゃが、主のなら諦めよう!!」


 自分に言い聞かせるように頷きながら、キリアはハリセン片手に説明する。


「そうだったんですか…。うちのディアスがお世話になりました。……えっと、キリア…様?」


 シャキン

「ひいっ!?」


 今度は呼び方に気を付けたつもりだが、フェルノが再びナイフを突きつけた。


「人間ごときがキリア様の名を口にするか…。良かろう、その喉掻き切って…」

「アホォォォォウ!!!!」


 そしてまたハリセンのいい音が響いた。


 叩かれるとフェルノは下がった。


「済まぬな…ミルス フィエル…。妾の周りの者はどうもチンピラみたいなやつらばかりでのう…」

「い、いえ…。ところで………あなた様は一体何者なのでしょうか?」


 シャキン、と今回はいかなかった。

 フェルノがナイフを取り出す前に、キリアの手がリーザと同じくらい豊満な胸を押さえつけていた。

 と言うか指のくい込みが深くて、真顔で飛びかかってこようとするメイドは痛そうだ。


「ハァ…。妾はある国の王女じゃ…」

「……………………………………へ?」


 よく聞こえなかった。ミルスは素っ頓狂な声で聞き返した。


「貴様!!この御方は我らの王!!世界を混沌と暗黒に追い込む…」

「ヌガァァァァア!!!!」


 代わりにフェルノが答えようとするが、またキリアがハリセンで叩く。そしてまたあっち向いて耳打ち。



「だぁ~かぁ~らぁ~!!何故貴様らはこうも抜けておるのじゃ!?やはりその乳か!?頭に行くはずの血がそっちへいっておるのじゃな!?」

「キリア様。決してそのようなことはございません。血液と言うものは心臓から、全身に平等に送られて――」

「うるさい!!分かっておるわぁ!!正論で返すなぁ!!良いと言うまで黙っておれぇ!!」



 ゼェゼェ言いながらキリアが振り返る。


「とにかく…、妾は一国の女王なのじゃ…。羽目を外すためにここにおる…」

「そ、そうだったんですか!?こ、これはとんだご無礼を!!あなた様を、お、王女とは知らず!!」


 キリアの正体を聞かされたミルスは頭を地面につけて礼をした。


「か、構わぬ!!ぬ、主は特別じゃから、妾と対等にしてても良い!!」

「は、はい!!ありがたきしあ…じゃなくてありがとうございます!!」


 飛び起きてミルスは気を付けをする。王族なんて当然初めて対面したのだから、こんなとにどうすれば分からなくて当然だ。


「……?じ、じゃあさっきそちらのメイドさんが言ってた『この世を混沌と暗黒に追い込む…』とかって?」

「あ、あれは妾の癖なのじゃ!!そ、そう!!中二病なのじゃ!!」

「は、はぁ…」


 戸惑いながら答えるキリアを見てディアスは

   (そんな…嘘を…よくもまぁ…)

と思っていた。


「と、とにかく!!妾はそろそろ帰らなければならない!!」


 咳払いしてキリアは改まって告げた。


「精進せい、ミルス フィエル。主はやれる人間じゃ」

「はい!!ありがとうございました!!キリアさん!!」


 今日のお礼を込めて、ミルスは深く長く頭を下げた。


「うむ」




「主となら、妾は仲良くやれそうだ…」




「え…?」


 キリアが微笑んで何か言ったが、ミルスにはギリギリ聞こえなかった。


「何でもない…。妾はお主が好きと言っただけじゃ」

「っ!!」


 変だ。女子同士なのに、何故か胸にキュンときてしまった。


「さらばだミルス フィエル。またどこかで出会えるといいな」

「はい!!キリアさんもお元気で!!」


 ミルスは感謝を込めて頭を下げた。フェルノを従えて、キリアは歩いていった。


「……ねぇ…ディアス?私、キリアさんに好かれるようなこと言ったかな?」

「……言葉ではないだろう。おそらく胸…」



「誰の胸が小物じゃァァ!!!!覚えておれディアスゥゥ!!おのれぇぇ!!帰ったら乳狩りじゃあああ!!国中から脂肪の塊どもを排除してくれるぅぅぅ!!」



 小さく呟いたのに、結構遠くでキリアが怒っていた。

 地獄耳、なのか分からないがおそらく胸に関して敏感なのだろう。


 でも…。胸で好かれるって……?

 もしかして…貧乳…仲間?

 そういえば…。集会浴場でリーザさんに洗われてるとき、キリアさん私の胸を見つめて鼻歌、歌ってたような?





 『キリアもミルス フィエルも胸があると呼べるものではない。特にキリアは周りの従者が全員でかすぎるせいか、それを日頃から気にしているのだろう。……まぁそれはミルス フィエルにも当てはまるものだが…』

by ディアス






「ハァ…ハァ…。全く…、ミルス フィエルだけしか妾の気持ちは分かってはくれぬ…」


 運命の策略としか思えない、自分の国の『巨乳情勢』(?)を僻んでいた。


「ところでリーザはどこへ行ったのじゃ?フェルノ」

「はい。リーザはキリア様の求める情報を持つものと接触し、代わりに私が迎えにあがりました」

「っ…!!…………誠か…?」

「はい…。詳しくは1度帰還してからにしましょう。リーザも既に戻っているはずです」

「そうか…」



 その情報が有力かは分からないが、今日の出来事を思い返すとキリアは自然と笑みがこぼれた。



『この世で生きていくために必要なのは、力でも富でもなく…、優しさだと私は思います!!!!』


「か…」


 ミルスが叫んだ事がずっと、キリアの頭の中で響いていた。


「良い弟子ではないか…、世界一のお人好し よ」


 今はここではない、この空の続くどこかにいると言うアルト オーエンに言うように、空を見上げてキリアは言った。


「じゃが…、弟子を病ませた貴様も反省するのじゃぞ?」


 二人と他の仲間と一緒に、自分の元へ来るのを楽しみにしながら…。






「ふぅ…それじゃあディアス…戻ろうか」

「あぁ…そうだな。ところでミルス フィエル。我が留守の間大事はなかったか?」

「え?……うん…。あったよ…色々…。だけど、それは帰ってから話すよ」

「そうか…」

「ところでディアスはキリアさんと仲が良さそうだったけど?まさか知ってる人だった?」

「そんなわけないだろう。第一、バハムート魔式である我に知っている人物など…魔族にしかおらぬ」

「そういえばそうだね。それじゃその人と会えたりできるといいね。……そのために私が頑張らないと…。魔王を平和的に倒す!!」


 自分の旅の目的を思い出して、ミルスは空を見上げた。


(でもちょっと待って?ディアスはキリアさん普通に呼び捨てだったけど?……まぁいいか…)






 小さなバハムート魔式はミルスの腕の中で頷いた。


 (……ただし…。貴様が和解するべき魔王は先程まで目の前にいたのだがな…)


 主人に嘘はついていない。実際ディアスと魔族であるキリアだが、知っている人物と言う関係ではない。

 昔の主、それが前の魔王、キリアの父親だった。




「さて…。もう12時近く廻ってるし……、お腹すいてきちゃったな。どこかで食べようか。食べるとき食べておかないと…、いざって時に力がでないからね」


 ぬいぐるみのように抱くディアスに語りかける。

 本当は昨日の朝から何も食べてないため、空腹なのはずっとだったのが。


「~♪」


 キリアが悩みについて相談してくれたため、胸の中がすっきりとして、ミルスは元気をだそうと機嫌が良さそうに歩き始めた。


「……おい」

「てめぇー……」

「え?」


 少女の前を遮るように二人の男が立ちはだかった。

 キリアに髪の毛を燃やされて退散していった、あの柄の悪い男らだ。

 が、少し判断に時間がかかった。その理由は髪の毛が無く、代わりに頭に包帯が巻かれていたから。


「あ、あなたたちは…!?」

「おらぁ!!この女ぁ!!どうしてくれんだこの頭!!」

「これじゃあ恥ずかしくて外を歩けねぇじゃねぇか!!」

「い、今歩いてるのに…」

「「うるせぇっ!!」」

「うぅ…」


 男の怒声がはもる。


「この二人は誰だ?顔を真っ赤にして…。まるでタコのよう、んむぐっ!!」

「ちょ、ディアス!!」


 事情の分からないディアスは言っちゃいけない事を口走ってしまった。

 ミルスが慌てて抑えるが、遅かった。


「ぐぬぬぬ…、このやろおぉぉ!!」

「許さねぇ!!責任とってもらおうか!!」


 男達の怒りがさらに増してしまった。


 このままでは何をされるか分からない。

 そう思って逃げようと思ったミルスだったが、今までなら考えない手をとった。


 いつまでも逃げてたり助けを求めたりしていてはダメだ。

 ここは自力で解決しなければならない。危なくなっても自分で対処する。


 そうしようとした。


「頭のことはごめんなさい…。ですがあなたたちも―――」


「おい貴様ら」


 ミルスが話し合いに持ち込もうとしたところで、背後から割り込む声があった。


「っ!!」


 その声にどこか聞き覚えがあったミルスは固まった。振り向くことも言葉を発することもできず、ディアスを抱く手に汗が染み出た。


「あぁん?誰だお前?」

「なんだその格好…?おちょくってんのかおらぁ!!」


 男たちの視線はミルスの後ろを向いていた。


「どっかのコスプレ野郎ですかぁ?」

「関係ねぇやつは引っ込んでろ!!」

「関係なくは無いのだから話に割り込んでるのだ。引っ込むのは貴様らの方だ。我の用があるのはこの娘だ」


 第3者が男たちに命令する。


「何?何なんですか?もしかしてヒーロー気取っちゃってるみたいな?」

「いいか貴様ら。我は短気ではないが、面倒事は嫌いだ。最後のチャンスだ。失せろ、豚野郎共」

「てんめぇ…。いい根性してんじゃねぇか…」


 男の額で青い血管がピクピクと痙攣していた。これは本当に怒りが爆発してしまったようだ。


「いいぜ、もうやっちまおう!!」

「泣いて家に帰らせてやる!!おらぁっ」


 男二人が遂に殴りかかろうとした、


「うぉ!?」

「な!?」


 男二人が飛びかかる前に、ミルスの後ろから飛んできた何かがそれぞれの胸に貼り付けられた。


 貼られたのはトランプのカード。『スペードの2』が二人とも胸の真ん中に貼り付けられていた。


 背後の様子は分からないが、今後ろにいる人物がやったのだろう。


「なんだ…こりゃ?」

「トランプ…だと?」


 男たちが不思議に思って、胸のカードを確認したその時だった。


「『ブロウ』」


「わっ…

「はっ…


 後ろから乾いた指パッチンの音と第3者の詠唱と共に、男たちの声が消えた。いや、消えたのは声だけではなく男達自信。


 怪奇だ。不思議や謎などではない。これは怪奇だった。


「邪魔物はこれで消えた。これで我の用事を済ませられるわけだな」


 ミルスは恐る恐る振り返った。


 背後の人物に関して予想はついている。


 『コスプレ野郎』と男達に言われ、トランプのカードを使用し、一人称が『我』。

 そしてこんな怪奇を起こす人物と言えばあの男しかいない。


「久しいな。クロスウィザードの人間の小娘よ」


 怪奇の悪魔、ジョーカーが現れた。

かなり久しぶりに登場のキリアと怪奇の悪魔さんです


ミルスは正体に気づかず、いつか戦うか話し合うかで打ち解けるべき相手と交えてみました


見た目の割に何十年、何百年くらい生きてる設定です

人間との争いを始めたのはキリアではなく、その前の代の魔王で、今はキリアが王位を継承してます


とりあえずキリアの力で病み期からは解放されましたが、まさかの最後でやつが来てしまいます


この後どうなるかは後半で……


と言っても、その前に全員の話を同じような感じで前半を終わらせてから後半始めます


全員後半を長々とやっていくか、1つの話に何人かの後半をまとめてやるかは、まだ決まっていません


おそらく後者の方になりますが、頑張って評価をあげます


期待に添えるものかどうかは分かりませんが、これからもよろしくお願いします

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