表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/127

旅へ

「師匠!!起きてください!!朝ですよ!!」

「う~ん…。」


朝…?

「いや…まだ眠いから…。」

「今日からじゃないですか!?そんな…起きてくださいよ!!」

今日から…?何だっけ?なんかあったっけ?

「いや、だって…、朝だから…、眠いから…。」

「今日から出発じゃないですか!?起きないなら…シ、シーナさんみたいなことしますよ!?」

出発ってなんだっけ?

「構わないよ…寝る…。」

「もーう!!や、やりますよ!?」




ペロ…。



「っ………!?」

何この首の感触…?何だこれ…!?なんかトラウマが…!?



ペロッ…ペロッ…



シーナか!?シーナなのか!?

「うぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「キャ!?」

僕が飛び起きると、首を舐めていた者が跳ばされた。

「し、師匠…。やっと起きた…。」

え…ミルス?寝ぼけてるのか?

「あれ?夢?」

「夢じゃないです!!早く準備してください!!今日から旅ですよ!?」


「あ…。」


思い出した。

今日から魔王を倒すための旅に出るんだった。

「アルトきゅんおっはよ~♪」

「おはようございます♪」

ドアの所にシーナとルナが立っている。

「それにしてもミルミル…、まさかアルトきゅんにペロペロしちゃうなんて…♡」

「フフ♪カワイーですよ♪」

「み、見てたんですか!?ってきゃあっ!?」

シーナがミルスに飛び付いた。

「かあいーよミルミル♡でも本当のペロペロを教えてあげるよ♡」

「や、やめてください!!し、シーナさん!?」


目の前でバタバタしているのをアルトはボーッと見ていた。




最近やっとこの町を好きになれたのに、しばらく離れるのは残念だな…。でもみんながいる…。昔の僕とは違って、今の僕には弟子がいる。友がいる。みんな個性が豊か過ぎるけど、飽きない。みんないい奴らだ。

旅に出るからにはそれなりの覚悟が必要だ。特にこのパーティーのリーダーである僕にそれが要される。誰も失いたくない…。最初からこんな後ろ向きだけど、行かなければならない。いや、行くんだ。自分のためではない。ミルスのためなんだ。魔王と和解し、平和な世界にするには動き出さないと。

なんか新鮮だな…、僕が誰かのために頑張るなんて…。











「それでは行きましょう師匠。」

「いざ魔王城へ!!」

「辛い道のりですが頑張りましょう!!」

準備を済ませ家を出るとみんなが待っていた。

「ああ。行こうか。僕たちなら行ける…。たどり着ける…。」

僕は家のドアを閉めた。そして魔王が住む魔王城のある方向、東へと歩き始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ